経営の状況について
収益的収支比率について、経年比較(28年度-29年度)により増加している。これは28年度にごみ発電において、特別会計閉鎖に伴う電気事業債の繰上償還を行ったことで、一時的に収益的収支比率が大幅に悪化したが、29年度からは太陽光発電単独となったため、比率が大幅に回復したものである。営業収支比率が経年比較(28年度-29年度)で大幅に増加したことも太陽光発電単独となったためであり、100%を大きく上回る数値で現状の経営状況は安定している。EBITDAについては、経年比較(28年度-29年度)によると増加しており、28年度はごみ発電の繰上償還の影響で大幅に落ち込んだが、太陽光発電単独で見ると発電収入は堅調に推移している一方で、一般会計への繰出しも減少したため、平均値を上回り安定した営業収益を上げることができている。
経営のリスクについて
ごみ発電については28年度に事業を廃止したため、29年度はゼロとなっている。市民太陽光発電所については経営のリスクとして、当発電所はFITによる収入の割合が100%であるため、固定価格買取制度の調達期間後は、買取価格下落のリスクがある。また、経常的な収入は売電収入のみであることから、天候や発電施設の障害による発電量の低下が、発電事業の収益に大きく影響する。しかし、初期投資費用については、固定価格買取制度の調達期間内で確保できるよう制度設計しており、順調に基金への繰入れを継続している。そのうえで剰余金も確保できており、現状において大きな脅威となるものではない。なお、修繕料比率が0%となっているが、本発電所は管理委託しており、現在のところ修繕料を要するような大規模修繕は発生していない。いずれの年も年間発電電力量が予定値を上回っており、現在の推移であれば大きな脅威となるものではない。
全体総括
現在、市民太陽光発電所の経営状況や経営のリスクについて大きな脅威となる案件はない。したがって、今後も現在の経営を継続しつつ、初期投資に係る償還費用を確保したうえで、発電設備の大規模障害に対応するための剰余金を確保していくことが必要である。なお、固定価格買取制度の調達期間後の事業の在り方については、平成32年度に策定予定の経営戦略において、電力料収入の変動リスクも踏まえて検討する予定である。