経営の状況について
売電先が一社になったことや町の防犯灯LED化事業への操出により、昨年度に比べ値は減少する結果となったが、安定した収益が計上されている。町民債の償還も終了したため、予定されている次の大きな出費は設備の更新である。事業の開始から8年目を迎え、設備の老朽化を考えなければならない、設備について大規模な検査、更新が今後の課題となっている。①収益的収支比率について全国の施設の平均値138.2%に対して、当施設は115.5%の値である。令和3年度は落雷の影響で充分に収益をあげることができない時期があったが目標値を上回ることができた。また町の防犯灯LED化事業への操出により収支比率が減少したことも考えられる。更新以外には大きな出費は無くなっている為に、引き続き、環境問題に関わる事業へ、積極的かつ計画的な繰出しを行う予定である。②営業収支比率について落雷による修繕費の増加、消費税支払い額増加により減少しているが、十分収益を上げている。今後の設備の更新や環境問題に関わる事業への操出により、若干だが収支が減少することを想定している。③供給原価について修繕費、繰出金等の増加により総費用が増加したため、今年度は全国平均を少し上回ったが、安定した供給原価で売電できている。④EBITDAについて太陽光発電事業は、設備を整え収益を得るシンプルな構造である。設備の経年劣化により微小に減少していく以外、今後も大きな出費が無ければ安定した直線が続いていくことを見込んでいる。
経営のリスクについて
今年度の値も全国平均と比較しても安定して推移している。今後は更新を見据えた設備の管理計画を進める。①設備利用率資源エネルギー庁のH27のワーキンググループの報告で設定されている太陽光設備の設備利用率の水準では14%が平均値となっている。一方、当施設では11%以上を確保している。そのうえで、事業開始から8年経過したわけだが、経年劣化もまだ見られず、安定した発電量を保っている。他収益等も見ても十分な発電量であり、特に施設の改善改修は考えていない。②修繕費比率今年度は落雷による設備の破損があり大規模な修繕があったが、修繕費比率は問題なく推移している。なお、当該修繕費については損害保険により賄った。今後の経年劣化していくことについては、慎重に推移を見守りたい。③企業債残高対料金収入比率町民債の償還も終わり、収支的に安定し、順調に償還出来ている。④FIT収入割合当該施設は、売電先が1社であるためFIT適用100%の施設である。令和3年度より中国電力1社になり、結果として1社に集中することによるリスクはあるが、他に代替えも無いために、やむを得ない。但し、FIT終了時の方針については継続して検討していく。
全体総括
令和3年度については、安定した経営が出来ていた。事業開始から8年が過ぎ、本格的に施設の更新などについて検討が必要になるので、老朽化等対策について十分な調査と、計画の検討を行う。