経営の状況について
営業収益並びに年間発電電力量の増加の理由として、これまで収入について当該年度内に収入したものを収益としていたが、町の決算に準じて当該年度の月分を収入とすることとした。このため平成29年度は修正年度であり今度分については、平成29年3月分から平成30年3月分の13ヶ月を収益として計上している。つまり、決算状況調査の営業収益は、83,890千円であるが、4月から3月の年度内の12ヶ月に収入した金額は75,625千円、また、発電電力量は、1,924Mwhであるが、年度内に発電した電力量は1,734Mwhである。例年どおり12ヶ月の収入で前年度と比較すると4%の発電量の増加となった。収益的収支比率は100%以上であるが、公課費として消費税の賦課が発生したこと、一般会計への繰出金の増加により費用が増加し収益的収支比率が前年比で下がった。営業収支比率は100%以上である。前年度と比較して営業収支比率が下がった要因として、公課費として消費税の賦課が発生したこと、一般会計への繰出金の増加により費用が増加したことがある。営業収支比率は前年度比で下がったものの料金収入で営業費用が十分に賄われている。供給原価が上昇した原因は、年間発電量は前年比並みで順調に発電をしているが、費用の増加に加え今年度から地方債償還金の返還が始まったことにより供給原価の上昇が見られる。EBITDAについては、公課費として消費税の賦課が発生したこと、一般会計への繰出金の増加により費用の増加があるが、収益の増加によりEBITDAは増加した。しかし、前述のとおり13ヶ月分の収益であり、12ヶ月分の収益で見た場合60,419となり前年比と比べ減少している。経営状況において、公課費の発生、繰出金の増により費用の増加がみられるが、売電収入で賄える状況にあり電気事業全体における経営状況から安定的な経営状態といえる。
経営のリスクについて
設備利用率は、12ヶ月分の発電電力量をみても13.2であり前年と比べ上昇している。要因として発電電力量の上昇によるものであり発電施設の安定的な運営が行われている。修繕費比率については、平成29年度は施設修繕料の支出が無かったことによりゼロとなっている。企業債残高対料金収入比率について、今年度から元金の償還を行ため前年度にくらべ低下している。しかし、基金積立総額は212,400千円であり、次年度償還する公募債への償還についても賄える。FIT収入割合については前年と比べ下がってはいるが、料金収入の総額を比べた場合、12ヶ月分の年間の電力収入は70,027千円であり、前年比4%の増加である。設備を効率的に最大限活用しており、太陽光発電における経営のリスクは少ないといえる。
全体総括
収益的収支比率並びに営業収支比率とも目標値を上回り、継続して100%以上を維持している。経営リスクも少ない現状において、経営の健全性及び効率性は確保されている。太陽光発電に係る発電電力量は、環境的要因に左右されるが、効果的な施設の維持管理と併せて引き続き安定的な経営を見込む。計画値を上回る売電収入を得ており、引き続き発電した収益の一部を住宅用太陽光発電システム等の補助金など住民への新エネルギー機器設置の普及促進に充当することで再生可能エネルギーへの転換を促進していく。経営戦略策定に向けて検討を進めている状況である。併せて、資金実績収支シュミレーションと電力実績等を用いて収支状況から毎年見直しを行い、建設経過年数と施設設備の状況を考慮しつつ、売電収入が安定して確保できるよう、計画的に老朽化対策を推進する。