経営の状況について
収益的収支比率・・・平成25年度に事業を開始。平成26年度は売電収入を得るとともに、前年度の多額の設備投資に伴う消費税還付があり、一時的に総収入が増加した。平成27年度以降は、当初想定の範囲内の営業収益を得て安定した経営を行っている。なお、平成29年度から地方債元金償還開始となったが、経営指標の収益的収支比率100%以上を確保しており、今後も同水準を維持する見込み。営業収支比率・・・平成27年度から消費税の支払いが発生し、営業費用が増加したことにより、営業収支比率は下落しているが、営業収益は堅調である。平成29年度も当初想定の範囲内の営業収益を得ており、今後も、経営指標の営業収支比率100%以上を確保できる見込みである。併せて、更新投資等に充てる財源として基金積立も行っている。供給原価・・・年間発電電力量は横ばいであるが、平成29年度は地方債償還開始に伴い供給原価が高くなっている。維持管理費等の削減に努め、原価削減を目指す。EBITDA・・・平成25年度の事業開始で多額の設備投資があったため、平成26年度は消費税還付による収入があったが、平成27年度は消費税納付が始まったことで、総収益は減少し、総費用が増加している。これにより、EBITDAも下落したが、平成28年度・平成29年度と横ばいで、以降も特殊事情の発生はなく、安定した収益が確保できる見込みである。
経営のリスクについて
設備利用率・・・全国平均値には及ばないが、平成26年度から平成29年度まで横ばいであり、堅調な利用率を維持している。計画とおりの施設運用が行えている。修繕費比率・・・平成28年度、平成29年度は修繕の発生がなく、全国平均値より低い状況を維持している。今後も修繕費の抑制に努めていく。企業債残高対料金収入比率・・・平成25年度に事業開始したが、企業債の償還については据置を行っており、企業債残高が多いため、全国平均値より高くなっているが、平成29年度から企業債元本償還を開始したため、以降の比率は緩やかに減少する見込みである。これは、設備建設当初からの計画に基づく範囲であるが、同時に、将来の償還財源の確保等の経営改善に向けた取り組みを継続していく。FIT収入比率・・・FIT収入に依存しており、固定価格買取制度の調達期間終了後の収入減少リスクがあるため、終了予定の平成45年度に向けてリスク対応の検討を進める。
全体総括
現状では、当初想定どおりの経営が行われており、投資回収不能リスクは低いため、早期の事業廃止又は民営化等の検討は現段階では考えていない。しかし、FIT収入に依存しているため、調達期間終了後買取価格の下落による収入減少というリスクも抱えており、経営戦略の策定を通して今後の対応を検討していく。