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標準的な行政運営に係る経費に対して、収入は3割程度しか見込まれず、典型的な地方交付税依存体質の脆弱な財政基盤といえる。数値自体は上昇傾向にあるが、これは平成16年度から三位一体改革により税源移譲が行われたこと、交付税算入対象となる地方債の元利償還金が償還完了により年々減少していることなどが要因といえる。なお、主たる自主財源である地方税の徴収率は、平成22決算で91.9%と県平均の91.5%を若干上回っているが、今後も和歌山県地方税回収機構と連携し滞納分の徴収を強化していく。また、町民税の特徴推進により、現年分の徴収率向上を図る。
平成22年度の経常収支比率について、経常経費は、町道維持補修費の減や有衛負担金の減などにより、全体で17,057千円(-0.8%)の減額となっているが、今回の大幅な比率減は偏に経常一般財源の増額の影響によるものといえる。もともと平成22年度の普通交付税は民主党が掲げる地域主権改革の第一歩として大幅に交付額が引き上げられており、本町でも普通交付税+臨時財政対策債の実質交付税は当初算定で136,309千円の増であったところに、国の補正予算により40,393千円が追加交付されたため、経常一般財源総額が大きく伸びたものである。一方で、町税では不景気の影響で個人所得割が大きく落ち込んだことから、町税全体で14,945千円(-2.1%)の減となっており、今後税収確保対策の強化が一層求められるところである。厳しい財政状況の中で、引き続き歳出削減を進め、経常収支比率90%以下を維持できるよう努める。
人件費は、年度当初退職者5名のところ新規採用も6名であったが、中途退職が2名あり、この給与差などにより5,970千円減額している。また、物件費は前年度で緊急経済対策により教育用コンピュータやデジタルテレビを一括購入しており、この分の減額が影響して11,024千円の減額となっている。また、維持補修費では町道維持補修費が対前年度22,301千円も減額したのが大きい。
階層内の経験年数の上昇により前年度までは上昇傾向にあったが、大幅な階層変動が生じたため22年度になって下降に転じた。このような階層変動が起こった要因としては、21年度の職員の退職者が5名、22年度の新規採用が6名と職員の入れ替わりが例年に比べ大きかったことが主であろうと考えられる。
財政健全化計画により、平成17年度より機構改革等を実施し、職員数の削減を図っている。平成23.4.1現在の職員数は77名で対前年度で3名の減となったが、出向職員2名が復帰したため、実質は1名減となっている。人口が右肩下がりとなっているため、1,000人当たりの職員数はほぼ横ばいで推移している。また、類似団体比較を下回っており、順位も118団体中12位と適正な位置にあると思われるが、今後も事務事業の見直しや組織・機構の簡素合理化を図り、職員数の抑制に努める。
地域総合整備事業債の償還完了、地域改善対策特定事業債の償還額減などにより、平成22は比率が1.4ポイント減となっている。借入している地方債は交付税算入の高い辺地債や臨財債がほとんどのため、今後も比率は横ばいか減少になると見込まれる。
地方債などの将来負担額に対し、基金や地方債の交付税算入額などの控除財源が平成22年度決算で約14億円上回り、比率算定上は将来負担額はないという結果になっている。これは、毎年の収支剰余金を堅実に積み立ててきたこと、交付税算入のない地方債借入れを抑制してきたことなどが要因と考えられる。財政健全化法の施行により、単年度収支だけでなく、資産・債務などのストック指標も財政運営上留意していくことが必要となり、今後も資産・債務のバランスを適正に保てるよう努める。
財政健全化計画により計画的に人員削減をすすめてきており、人件費も比例して下がってきている。特に平成22において人件費の減額が大きいのは、議会議員1名の退職によるものである。
電算システム変更委託料の増や、稲むらの火の館維持管理費等の増により、経常経費は対前年度で8,560千円増となっているが、経常一般財源(特に普通交付税)の増が大きかったため、比率としては前年度より0.3ポイント下がる形となった。
扶助費については、社会的要因による自然増に伴うもののほか、22年度は新規施策として子ども手当と乳幼児医療費の小学校卒業までの無料化を実施したことが大きな要因となり、比率を押し上げている。
補助費等に係る経常収支比率が類似団体を上回り、かつ上昇傾向にある要因としては、一部事務組合で行っているごみ処理施設及びし尿処理施設の起債償還が増加してきているためである。今後の償還予定は、平成21年度をピークに平成27年度まで1億2千万円台の高水準で推移し、平成28年度から減額し、平成32年度で償還を完了する予定であるが、平成17年度より実質公債費比率が導入され、一部事務組合の公債費も算入されることとなったため、他の起債借入れに際しても交付税措置等を十分勘案した上で、実質公債費比率の悪化を招かないよう努める。
平成19から平成20では地域改善対策特定事業債が大きく減額している。また、平成20で地域総合整備事業債が償還完了となったため、平成21でも大きく減額となっている。一方で臨時財政対策債の償還額が年々上昇していく見込みである。
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