神河町：公立神崎総合病院

地域において担っている役割

中播磨地域の中核病院として、１次・２次救急をはじめ近隣病院や関係団体・施設等と連携し、ニーズに合わせた地域医療を提供している。更に、病院併設の訪問看護ステーションと協力し、医師会、健康福祉行政、介護・看護・福祉施設等と連携を図り、多職種が集まり相談や意見交換ができる拠点づくりに努めています。在宅医療の充実等に向けた地域医療の充実と実践に努めているところです。今後は、中播磨、西播磨医療圏の公立病院として同じ役割を担い同じ課題を持っている病院と連携強化を図りながら、健全経営に努めることとしている。

経営の健全性・効率性について

平成30年度は3,926千円の赤字となり経常収支比率は99.9％で前年度と比較して2.1％のプラスとなった。入院患者数の減により入院収益が前年対比5.1％の減、医業収益全体で148,177千円の減収となり、特に外科、整形外科において患者数が減ったことが大きな要因である。入院患者1人1日当たりの収益は前年対比で725円、外来患者1人1日当たりの収益は前年対比で90円高くなっている。一方、費用面における職員給与費対医業収益比率は高くなっているが、医事課職員及び給食科調理員などを町内経済活性化の観点から業者委託せず病院で雇用としているため、平均値を上回っている。

老朽化の状況について

当院の医療は主に北館（昭和46～54年築）、中館（平成16年築）、南館（平成２年築）の３つの建物で提供しており、耐用年数が近づいているため有形固定資産減価償却率が平均を上回っている。このうち最も古い北館について、耐震診断の結果、Is値0.6未満であることから令和元年度末の完成を目指して、建替を進めているところである。器械備品については、毎年、70,000千円を上限として新規購入や更新を行っており、平成28年度においては電子カルテの導入により約4.8億円の医療器機等を購入しており、減価償却は平成29年度から約60,000千円程度増えている。

全体総括

収入面においては、入院患者収益においては平均値と比べて上回っている状況です。しかし、外来収益は内科医師が少ないことから、救急の受入れを抑制したり、夜間の受入れが少ない。また医師が少ないのと合わせ、地域性もあることから高齢者の患者が多く、投薬において長期となっていることから、外来患者数の割には1人当たりの単価が低くなっている。年々経営が厳しくなっているが、建設中の新北館の完成を機に内科医師等スタッフの増加を図り、救急患者の受入れ等を推進することで、医業収益の向上を図り、安定した経営が図れるよう務めていく。また、職員にコスト意識を持たせるとともに、業務の効率化を図ることで職員の削減を図り、給与費比率の減に努める。