地域において担っている役割
全国的な少子高齢化に伴う疾病構造の変化や平成28年3月の公立甲賀病院未来創造委員会の答申を受け、5疾病5事業への重点化など甲賀保健医療圏における急性期医療の本院の位置づけや役割が明確になる中、地域包括ケア病床を効果的に運用し、在宅との連携に向けた医療を強化している。2025年を見据えた地域医療構想、病床再編、平成30年4月の第7次医療法改正、医療介護報酬同時改正に対応していく必要がある。
経営の健全性・効率性について
新入院患者数の増加や機能別病床の有効活用により、延べ入院患者数が増加し、病床利用率は例年よりも大幅に上昇、全国平均、類似病院平均値を大きく上回った。入院患者1人1日あたり収益は平成28年度まで増加傾向であったが、平成29年度患者数は増加したものの、平均在院日数が短縮されるなど患者病態の変化により下がった。外来患者1人1日当り収益は、若干増加となった。材料費対医業収益比率は、費用削減努力により、両平均値を下回った。職員給与費対医業収益比率では、職員数増等により、平均値より上回っているが、全国平均に近い値となっている。医業活動の経営状況としての医業収支は、収益増もあり大きく改善した。病院活動による経常収支は、両平均値を下回っているが、若干改善された。、
老朽化の状況について
平成25年度に現在の住所へ移転新築するものの、減価償却費は平均値、全国平均より下回っている。しかし、器械備品減価償却率は新築による新規購入があり両平均値を上回っている。今後、移転新築前に整備した医療機器や、CTおよびMRI等の大型機器が耐用年数を迎え、更新の時期にきている。平成30年度には電子カルテ等の医療情報システム全体の更新が予定されており、高額の整備費用費用が必要となる。
全体総括
国内の急速な高齢化と人口減少予測を背景とする将来の医療・介護需要を見据えた地域医療構想の策定と第7次医療計画の見直しが進められている。H28年度末に策定した病院新改革プランを実施するため、病床運営、救急医療、人材確保育成、医師看護師確保、長時間労働・夜勤看護師確保対策の5つの委員会を立ち上げ、円滑な病院運営への課題を抽出し、対策の検討を重ねてきた。また、H31年4月の地方独立行政法人化に向け、地方独立行政法人移行準備室を中心に構成2市と連携を行いながら移行準備作業を進めている。