経営の状況について
平成29年度は風車3機中2機が安定稼働している状況であったため、故障が多かった前年度と比較として年間発電電力量が前年度比134%となった。これにより経収益の約96%を占める営業収益が増加したため回復傾向となった。また、総上費用の約60%、営業費用の約68%を占める、設備の故障等に伴う保安管理委託料も前年度比41.0%となったことから、営業費用、経常費用も減少となった。この結果、収益的収支が均衡し、営業収支が黒字となった。また、EBITDAが増加し、供給原価が減少となり、前年度と比較して回復傾向となった。
経営のリスクについて
平成29年度は風車3機中2機が稼働している状況であり、設備利用率は前年度と比較して3.3%増となった。稼働していない1機については故障した部品調達に長期間を要し復旧費用が高額になることから停止している。営業費用に対する修繕費比率が前年度と比較し3.6%増となっているが、これは保安管理委託料が減少し、営業費用の総額が減額となったためであり、実質の修繕費用は減額となっている。また企業債の償還については平成30年度までとなっている。FIT適用終了(H36)後については、収入が大きく変動することが考えられる。
全体総括
平成29年度は風車2機の稼働により、収益的収支比率が均衡し前年度と比較すると回復傾向となったが、当該施設は運転開始から14年が経過しており、故障した場合には部品の調達に時間を要し長期間の停止することが考えられる。このため、他県の同型風車事業者と予備部品の供給協定を締結した。今後は定期点検やメンテナンスを強化するとともに、故障により長期間の停止が余儀なくされた場合は、今後の運営を見据えたなかで復旧方法等を考慮していく必要がある。なお、現在、町では近年の稼働状況、耐用年数を踏まえ、今後の運営等について、民間譲渡や施設の廃止等について事業者と検証している。経営戦略については検証等の結果を踏まえ平成32年度を目途に策定する。