経営の状況について
●収益的収支比率H30:94.2%毎年度の余剰金相当額を一般会計へ繰出すものとしていることから、収益的収支比率については、100%前後で推移しているが、繰出金が多く94.2%となった。●営業収支比率H30:204.6%H30における営業収支比率は200%を超えており、単年度営業収支は黒字となっている。しかし、H26をピークに毎年比率は下がってきている。これは、燃料価格の下落に伴う売電単価の下落が原因である。H30.11月より固定価格買取制度が終了したが、順調に発電ができたことにより営業収益は横ばいだった。今後下がることが見込まれることから、より一層コストを意識した運営に努める必要がある。●供給原価H30:13,721.9円H28以降、低くおさえることができている。これは、H28.3末岐阜羽島衛生施設組合が稼働を停止したため、ごみ処理量が増加し、発電量が増加していることや、修繕費等の需用費が増加していないことによるものである。●EBITDAH30:▲20,861千円H30は、▲20,861千円となった、これは前年度は、売電が順調にできたため、繰越金が増加した。そのためH30の一般会計への繰出金が増えたため、一時的なマイナスとなったもので、収益性は引き続き安定している。
経営のリスクについて
●設備利用率H30:71.7%設備利用率は、H29と比較するとわずかに上がって、全国のごみ発電施設の平均値以上の数値となっている。実際の運営状況としても、設備の不具合の早期発見に努め、定期点検による発電停止以外は安定した発電を行うことができている。●修繕費比率H30:1.2%修繕費比率については、緊急修繕等で、1.2%となっている。これは、定期点検等において適切な設備点検を実施しているが、安全を考えた修繕を行ったためである。●企業債残高対料金収入比率H30:0%企業債残高対料金収入比率については、H23に地方債の償還が全て完了したことにより、H24以降は0%となっている。●FIT収入割合H30:47.2%FIT収入割合は、過去5年間において全国のごみ発電施設の平均値を上回っており、高い数値となっている。しかし、固定価格買取制度がH30.11月に終了したため、47.2%となった。今後は、FIT収入が0となり、売電収入が減少するため売電効率的な発電を行う必要がある。
全体総括
●経営の状況および経営のリスクの指標において、EBITDAを除きH30末時点では、比較的良好な数値となっている。しかし、施設稼働後20年が経過している設備があり、経年劣化に伴う不具合による修繕等が発生しているため、不具合を未然に防ぐための点検業務を講じながら、適正な維持管理に努め、安定した発電を行う必要がある。●固定価格買取制度がH30.11月で終了となり、それ以降は売電単価下落による大幅な収入減になることが見込まれる。今後も売電契約は入札方式にて実施し、より有利な売電をするとともに、施設運営に必要な経費を改めて見直し、無駄のない効率的な発電に努める。