経営の状況について
●事業開始から現在に至るまで一般会計等からの繰入れを行うことなく、電力売却収入から生じる収益によって経営を行っております。また、毎年度、剰余金相当額((総収益)+(前年度繰越金)-(営業費用))を、予算の範囲内で一般会計に繰り出すこととしております。●平成28年度以降、令和元年度まで営業収支比率が200%を超えていましたが、令和2年度は、200%を割り込み178%となりました。これは、売電単価の下落が大きく影響しています。●収益的収支比率及びEBITDAがそれぞれ100%前後、±10,000千円の範囲で推移し、平均値を大きく下回っているのは、上記のとおり、剰余金相当額を一般会計に繰り出している(営業外費用に計上)ことによるものです。●平成25年度に企業債の償還が終了しており、以降、営業収支比率は100%を大きく上回っており、安定した経営を行っております。●供給原価は、発電設備の保守点検・整備費用の増減に比例して増減しており、令和2年度は、令和元年度と比較して同程度の保守点検等費用を支出したため、ほぼ横ばいとなっています。
経営のリスクについて
●設備利用率は、発電用蒸気タービンの改良を行った平成26年度以降、安定かつ効率的な発電を行っており、75%以上で推移しています。●しかし、人口減少や構成市村のごみ減量の取組みにより、年々ごみ搬入量の減少が見込まれることから、安定した発電電力量の確保が課題となっております。●また、売電単価の下落も続いており、今後も上昇に転じる見込みがない状況の中で、特別会計(法非適の公営企業会計)の廃止も選択肢から除外せずに検討が必要であると考えます。●修繕費比率は、当該事業に係る設備が「ごみ焼却施設」と一体となって行っており、発電に係る修繕費のみを分けることが困難であるため、算出しておりません。●平成25年度に企業債の償還が終了して以降、借入を行っていないため、企業債残高対料金収入比率は0%となっています。●当該事業についてFIT制度の適用はありません。電力の売払いにあたっては、入札によってより有利な売電に努めているものの、売電単価の下落に歯止めがかからない状況です。
全体総括
●令和元年度に、将来に渡って安定的に事業を継続していくための中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」を策定し、発電設備の着実な点検・整備による安定的な発電電力量の確保に取り組んでいます。●しかし、売電単価の下落幅が当初の見込みよりも大きく、数年後には、一般会計からの繰入れなしには事業が継続できなくなることも予想されます。●特別会計(法非適の公営企業会計)の廃止も選択肢に入れ、今後の経営について検討していきます。