地域において担っている役割
当院は、救急告示病院として、地域の急性期医療の一端を担い、また、療養病床を有し、併設老健・訪問看護ステーションと協働し、慢性期医療及び在宅復帰支援を行っている。へき地医療拠点病院の指定も受けており、急性期から慢性期、在宅復帰支援、へき地への医療提供と、ケアミックスの病院として、幅広い役割を地域において担っている。
経営の健全性・効率性について
当院の経常収支比率は、医療機器の更新時期にあたり減価償却費が増大していることにより100%を下回った。しかし、病床稼働率が89.5%と高値であることにより、医業収支比率においては類似病院平均値を上回っている。そのためキャッシュフローは良好であり、累積欠損金もなく健全な経営を続けている。入院単価は、一般病棟と療養病棟を同病床数設置しているので平均を下回っているが、一般病床単独で比較すると同等の単価となっている。また、職員給与費対医業収益比率も、医業収益の堅調さが反映され平均値を下回っており、効率的な運営を行っている。
老朽化の状況について
当院は、平成16年度に新館建設・本館改修事業を行っており、構築物については、当面の間建設及び改修の予定はない。設備・医療機器等については、新館建設時に設置・購入したものが多く15年を迎え、初回又は2回目の更新の時期が重複している。減価償却費及び資産減耗費が経常収支比率に及ぼす影響とキャッシュフローの状況を総合的に判断し、健全な経営が維持できるよう、計画的に更新を行っている。
全体総括
当院は、各種指標が類似病院と比較しても良好であり、キャッシュフローも堅調に推移しており、現状では健全な経営を行っていると考える。設備及び医療機器の更新にあたり経費が増大し、経常収支比率が一時的に悪化していることはやむをえない状況であるが、設備投資について総合的に判断し、健全な経営を維持していく。