経営の状況について
経常収支比率及び営業収支率については、公営電気事業平均程度となっており、黒字を示す100%以上を維持しています。流動比率については、大規模修繕の影響等で年度により幅がありますが、400%以上を維持しており、公営電気事業平均を大きく下回ることがない範囲で推移していることから、健全な経営状況であると認識しています。供給原価については、平成28年度に発電量が減少に伴い増加していますが、平成25年度以降は継続して公営電気事業平均を下回っており、効果的な投資、効率的な維持管理を実施している状況であるといえます。EBITDAの値については、他の公営電気事業者に比して発電規模が小規模であることから、減価償却前営業利益の絶対値は公営電気事業平均を下回る結果となっていますが、他の指標からも判断できるとおり、概ね経営の健全性は保たれているといえます。
経営のリスクについて
設備利用率については、常に40~50%を維持し、公営電気事業平均の数値を常に上回っており、所有する発電設備を効率的に活用できていると考えています。修繕費比率については、発電施設の特性上、10年程度の周期で大規模修繕が必要となることから、年度により突出した修繕費の支出がありますが、修繕引当金等の活用により自己資金により対応しています。企業債残高対料金収入比率については、平成30年度で企業債の償還を完了し、今後も自己資金を活用するなど、効果的、効率的な改良投資により企業債の発行抑制に努めます。有形固定資産減価償却率については、公営電気事業平均と同様の数値の変動をしているものの、その率は上昇傾向にあり、保有資産の多くが法定耐用年数に近づいてる状況です。今後も適切かつ効率的な施設の改良・更新を実施していきます。FITについては、現時点で未実施です。
全体総括
経営状況は概ね健全であるといえますが、保有施設の更新に多額の資金が必要になると見込んでいます。また、平成28年度から電力自由化が全面的に実施されていることの影響等を踏まえ、今後の電力事業環境を慎重に見極めながら、平成27年度策定の「金沢市企業局経営戦略2016(計画期間:平成28年度~令和7年度)に基づき、経営の一層の効率化への努力が必要と考えています。