経営の健全性・効率性について
【収益的収支比率】使用料や一般会計繰入金等を含む総収益が、総費用に地方債の償還金を加えた支出をどの程度賄えているかを示す指標です。平成27年度に比較し指標が改善していますが、この主な要因は地方債の償還金の減少と分流式繰入金の見直しによるものです。【企業債残高対事業規模比率】料金収入に対する企業債残高の状況を示しており、平成28年度は分流式繰入金の見直しもあり、一般会計からの負担が多くなり、指標値が出ませんでした。【経費回収率】使用料で賄うべき経費をどの程度賄えているかを表した指標です。これも地方債の償還金の減少や分流式繰入金の見直しにより改善しており、類似団体より高い状況を維持しています。【汚水処理原価】有収水量1㎥あたりの汚水処理に要した費用であります。類似団体より低い状況であり、これまでの地方債の償還金の減少への取り組みと分流式繰入金の見直しを受けて改善しております。今後も地方債の償還金の減少などに努め、指標の改善に向けた取り組みを続けてまいります。【施設利用率】施設が1日に対応可能な処理能力に対しての1日平均の処理水量の割合です。類似団体より低く26%程度の利用率となっています。【水洗化率】類似団体より高い指標状況であり改善の傾向が続いています。今後もこの高い接続率の維持に努めてまいります。
老朽化の状況について
3箇所の処理場の状況は、筒石処理場が平成6年度に供用を開始し23年、親不知地区処理場が平成16年度に供用を開始し13年、そして市振処理場は平成13年度に供用を開始し16年を経過しています。設備の経年変化の状況を見ながら計画的に施設の更新を進める必要があります。このような中、平成29年度に筒石地区漁業集落排水処理施設を隣接する特定環境公共下水道に統合し、処理場を1箇所に集約し、効率化を進めました。また、平成30年4月からの地方公営企業法の適用により、固定資産に係る耐用年数の経過状況等を参考に計画的な更新を行います。
全体総括
施設の処理区域における人口の減少、節水器具の普及や節水意識の高まりにより、汚水の処理量が少なくなる状況が続き、厳しい経営状況が見込まれます。下水道施設全体を見る中で、効率的施設の活用を進めて行くため、施設の統合計画を進めてきました。このような中、使用料も平成29年度からの段階的な改定に取り組むととともに、平成30年4月からの地方公営企業法適用を進め、事業運営の明確化に努めてまいります。また、平成29年3月には経営戦略の策定を行い、事業の安定した運営を行ってまいります。