経営の健全性・効率性について
維持管理費の増加により、「⑥給水原価」が上昇した。同様の理由により、「①経常収支比率」は前年度を下回ったが、100%以上を維持するとともに、類似団体平均値を上回っている。また、「⑤料金回収率」についても減少しているが、令和元年10月に行った料金改定(増額)の影響により、100%以上を維持している。「③流動比率」は類似団体平均値を超えているが、今後、老朽施設の更新等に多額の費用を要するとともに、企業債の借入も増加していくことが見込まれるため、適正な給水収益の確保等により、短期的な債務に対する支払い能力を確保していく必要がある。「④企業債残高対給水収益比率」は昨年度に比べ若干上昇し高い水準にあり、施設の更新費用の財源を企業債に大きく依存している状況である。適正な収入の確保を図るため、令和元年10月に料金改定(増額)を行ったが、今後も引き続き、料金水準の妥当性を判断しながら、自己資金の確保や企業債借入の抑制を図る必要がある。「⑦施設利用率」は類似団体平均値を上回っているが、将来的な水需要の減少が見込まれているため、浄・給水場の統廃合等により、さらなる施設運用の効率化を図っていく必要がある。「⑧有収率」が類似団体平均値と比べて高いことについては、近年は管路の更新に注力してきたため、漏水が抑えられていることが要因と思われる。
老朽化の状況について
「①有形固定資産減価償却率」は微増傾向であるが、類似団体平均値を下回っている。この一因として、類似団体平均値を下回る「②管路経年化率」に現れているように、老朽化した管路の更新を積極的に進めてきたことが挙げられる。「③管路更新率」については、類似団体平均値並みとなっているが、今後も引き続き、老朽化が進んでいる浄・給水場の更新とバランスをとりながら、管路の更新を行っていく必要がある。
全体総括
今後、水需要の減少が見込まれる一方で、老朽化した浄・給水場や管路の更新に多額の事業費を要することとなるが、現在、更新費用の財源の多くを企業債に依存している状況がある。令和元年10月に水道料金を改定(増額)し給水収益の確保を図ったが、引き続き、毎年度の収支状況や将来の事業計画を確認しながら、適正な給水収益の確保に努める必要がある。将来にわたり安定的に事業を継続していくための取組みを示した「第2次八千代市水道事業経営戦略」に基づき、適正な給水収益を確保しながら、浄・給水場の統廃合や管路の更新等を計画的に進め、経営基盤の強化を図っていく。