地域において担っている役割
公立病院である当院は、地域の中核医療機関として、他の医療機関では提供することが困難な不採算部門の医療を提供しており、地域の医療機関と連携し地域完結型医療の充実を図る。具体的な役割は、①急性期医療の充実②救急医療の充実③周産期医療・小児医療(含むNICU・GCU)の充実④災害拠点病院として後方支援体制の充実⑤第2種感染症指定医療機関としての感染医療の提供⑥集中治療体制(ICU/CCU)の充実⑦地域がん診療連携拠点病院としてがん医療(予防・診断・治療・社会的支援)の充実⑧地域医療支援病院として、地域の行政、医療・介護・福祉機関等との連携及び地域における教育研修機能や地域支援活動の充実⑨亜急性期/回復期医療の充実⑩地域包括ケアシステム実現に向けた医療の提供⑪医療の質の向上⑫患者サービスの向上⑬運営の効率性があげられる。
経営の健全性・効率性について
・常勤医師の減少(前年比▲4名)に伴って、病院収益の柱である入院収益が減少、更に手術件数も減少傾向にあり医業収益が悪化。入院・外来ともに1人1日当たり収益が類似病院平均より低い。常勤医師確保を最重要課題とし、医療連携等を通じて患者数増加に努める。・医業収益減少により、職員給与費対医業収益比率も前年同様類似病院より高い水準にある。職員の平均年齢が高い傾向なのが1つの要因。管理職手当の10%削減等(医師・歯科医師除く)を引き続き継続して行く方針。・構成市との繰入金に関する増額協議に取り組み、早期に経常収支比率の改善に努める。
老朽化の状況について
高度化する医療への対応を踏まえ、計画に基づいた施設設備及び医療機器の更新をしており、有形固定資産減価償却率は66%前後で推移、類似病院との比較でも高い水準にあり、特に施設面での老朽化が進んでいる。なお、1床当たり有形固定資産は、類似病院平均より低く現状過大投資にはなっていないと思われる。医療用器械は、「中期購入計画」に則り購入計画を進めており、現状の病院機能を維持しつつ今後も優先順位を考えて設備投資をしていく方針。
全体総括
常勤医師確保を最重要課題とし、更に地域医療機関との連携を強化して新入院患者の増加等を図り、医業収益ベースでの増収を図っていきたい。また、今後も一層の経費削減に努力し、財務内容改善に向け経常収支比率及び医業収支比率の向上を目指し、経営基盤の構築を図っていく。今まで同様、急性期医療を重点としつつも地域に必要な医療を提供し、地域完結型医療の充実に寄与していく。