経営の状況について
・収益的収支比率について平成30年度では、平成29年度分消費税(中間申告)の支払漏れ分を支払ったため、100%を下回っている。他の年度においては、単年度の営業収支が黒字であることを示す100%を超えている。また、収益のほぼ全てが売電によるものであり、一般会計からの繰入金はない。なお、売電による収益を一般会計へ繰り出しているが、この繰出金は、前年度からの繰越金と当該年度の収益見込額により算出している。このため、見込以上に収益が生じた場合、翌年度への繰越金が増加し、翌年度における本比率の算定に影響を及ぼす。※前年度からの繰越金⇒総収益に含めず前年度からの繰越金に係る繰出金⇒総費用に含める・営業収支比率についていずれの年度においても、650%を超える高い比率となっており、営業収入により営業費用を十分に賄えている。・供給原価について本数値は、平均値より高い額が算出されているが、本数値の算定式(総費用(千円)/年間発電量(Mwh)×1000)において、分子である総費用には、前述した一般会計への繰出金が含まれている。この繰出金を除き本比率を算定すると、消費税の支払漏れがあった平成29年度を除き、いずれの年度においても10,000円前後となり、平均値より低い額となっている。・EBITDAについて平成28年度から当該年度の収益(見込)は、同一年度において一般会計に繰出しているため、低い数値となっている。
経営のリスクについて
・設備利用率についていずれの年度においても、14%後半~15%前半の比率が算出されている。資源エネルギー庁の「長期エネルギー需給見通し小委員会に対する発電コスト等の検証に関する報告」(平成27年5月発電コスト検証ワーキンググループ)で設定されている太陽光(メガ)の設備利用率の14%を超えており、当該施設は効率的な運用が行えていると考えられる。年度により差異が生じているが、これは、太陽光発電という性質上、自然的要因による影響と考えられる。・修繕費比率について令和元年度は、計器の交換が発生したため、2.5%となっているが、他の年度では、修繕が行われていないため、本比率は算出されていない。機器の安定稼働、故障等の早期発見のため、定期的な保守メンテナンスを行っている。・企業債残高対料金収入比率について初期投資に要する経費について、企業債を発行していないため、企業債残高対料金比率は算出されない。・FIT収入割合について固定価格買取制度による全量買取のため、FIT割合は100%となっている。
全体総括
・これまで、大規模な設備故障等はなく、売電量も年度によりばらつきがあるものの、おおむね安定しており、健全な事業運営ができていると考えている。今後、気象条件や日照時間等の自然的要因により発電量が減少するリスクはあるものの、今後も引き続き健全な事業運営を行っていきたい。・固定買取価格制度の調達期間終了後のあり方については、買取価格が下落し、収入が減少するリスクがあるため、事業の廃止を検討しており、年額500千円を太陽光発電所維持管理基金に積み立てている。