経営の状況について
・収益的収支比率及び営業収支比率については、平成30年度をピークに減少していますが、機器の老朽化等による修繕費の支出と、修繕完了までの間の発電量減少に伴う売電収入の減少によるものです。・令和3年度の修繕は、東町神戸太陽光発電所のパワーコンディショナー基盤・冷却ファン修繕、大間々町塩原太陽光発電所の計測表示ディスプレイ修繕及び同発電所におけるケーブル盗難事件を受けての原状回復修繕によるものです。・大間々町塩原太陽光発電所においてケーブル盗難事件が発生したものの、大規模な機器類の故障や自然災害もなく、また日照も安定していることから、一定の電力収入が確保できており、収益的収支比率及び営業収支比率は100%を大きく上回って推移しています。・販売電力量1MWhあたりにどれだけの費用がかかっているかを表す指標である供給原価は、修繕費用等の増加により昨年度から約23%増加していますが、平均値を大きく下回っています。収支は黒字で健全な経営ができている状態であるといえます。・EBITDA(本業の収益が安定して成長できているかどうかについて判断するための指標)は、修繕費用等の増加により昨年度と比較して約8.3%減少しましたが、収益性は安定しています。
経営のリスクについて
・太陽光発電所は、日照時間の長い場所を選定し設置したため、令和2年度までは資源エネルギー庁の「長期エネルギー需給見通し小委員会に対する発電コスト等の検証に関する報告」(平成27年5月発電コスト検証ワーキンググループ)で設定されている設備利用率〈太陽光(メガ)14%〉とほぼ同等でしたが、大間々町塩原太陽光発電所におけるケーブル盗難事件により約3か月の発電停止期間が生じたため、令和3年度は前年度と比較し、設備利用率が0.5%減少しています。・修繕費比率について、東町神戸太陽光発電所のパワーコンディショナー基盤・冷却ファン修繕、大間々町塩原太陽光発電所の計測表示ディスプレイ修繕及び同発電所におけるケーブル盗難事件を受けての原状回復修繕を行ったため、平均値以上になっていますが、発電事業の健全な運営のために必要な修繕であり、妥当な数値であるといえます。・料金収入に対する企業債残高の割合である企業債残高対料金収入比率は、企業債を発行していないため、0.0%であり経営のリスクは低いです。・料金収入のうち、再生可能エネルギー固定価格買取制度により売電した収入の割合を表す指標であるFIT収入割合は100%です。このことからFIT適用期間終了後は収入が減少するリスクが高く、事業廃止を含めて撤去に係る費用を基金に積み立てています。〈FIT適用期間終了:令和16年以降順次〉
全体総括
・令和元年度からの修繕費比率が上昇したことにより、収益的収支比率及び営業収支比率は平成30年度と比較して減少していますが、現時点ではすべての項目において経営のリスクは低く、良好な経営状態であると判断できます。・将来的に安定した事業経営の継続を目指すため、経営戦略の策定を予定しています。(令和5年度策定予定)・FIT適用期間終了後は、事業廃止を検討しています。〈FIT適用期間終了:令和16年以降順次〉