経営の状況について
・収益的収支比率については、良好な風量の確保による安定した売電収入を確保できている。しかしながら、発電機器の故障等による保守管理委託料の増減に伴い、毎年の費用に増減が生じ、収益的収支比率の増減の原因となっている。また、全国平均値と比較してみると、安定した売電収入に支えられ、毎年の費用をまかなうことができているため、全国平均の収益的比率を上回る状況が続いている。・営業収支比率については、営業費用を営業収益から100%賄っている。・供給原価については、近年保守管理業務委託料が増加していたことに伴い上昇傾向にあったが、29年度については、保守管理業務委託料を抑えることができたため、減少させることができた。・EBITDAについては、29年度については、保守管理業務委託料の減少と安定した売電収入により前年度より増加している。
経営のリスクについて
・設備利用率については、平均値とほぼ同様に推移している。修繕中は、設備を止めることになるため、修繕が生じないよう日々のメンテナンスに努めたい。・故障が近年発生していないため、修繕費比率については、平均値より低い数値で推移している。・企業債残高対料金収入比率については、企業債を活用せず、自主財源及び国等の補助金で賄っており、0となっている。・FIT収入割合については、平成25年2月にFIT認定を受けているため、料金収入全額がFIT収入となっており、FIT適用期間終了(H33)後は、収入が大きく変動するリスクを抱えている。・今後については、天候等による風量の減少、落雷による施設等の故障、経年劣化による消耗品および保守管理業務委託料の増加、平成33年7月に契約終了となる固定価格買取制度終了後の経営等への対応などの検討が見込まれる。
全体総括
引き続き、安定的な発電量を確保する必要がある。故障等が増えることにより修繕費や部品費も増えるとともに、部品を新品に交換しても他の古い部品の負担が大きくなってしまうといった防ぎようのない課題も出てきている。今後は維持管理の強化や自主保全への努力がよりいっそう求められるものである。FIT適用終了(H33)後の事業のあり方については、現時点で方針は定まっていないが、今後策定を予定している経営戦略において、FIT終了による電力料収入の変動リスクも踏まえ検討することとしている。