登米市：登米市立登米市民病院

地域において担っている役割

地域の中核的病院として、２次救急医療及び手術や急性期の入院・治療を行う一般急性期医療を主体とした機能の充実を図りながら、近隣の高度急性期医療を行う医療機関と円滑な連携・協力体制を構築し、地域密着型の病院としての役割を担っている。また、災害拠点病院として、災害時には各市立病院・診療所と連携して被災患者を受け入れる体制を整備している。

経営の健全性・効率性について

①・②入院患者数の増加による入院収益の増加、繰入金の増額等により、医業収益が増加したほか、附属診療所の休止等により医業費用が減少したため、経常収支比率及び医業収支比率は前年度を上回った。③医業収益の増加により前年度を下回ったが、６年連続で純損失が発生しており、類似病院平均値よりも高い状況が続いている。④入院患者数が増加したほか、令和元年11月から病床数をダウンサイジングしたことにより、前年度を上回る69.3％となったが、６年連続で70％を下回った。⑤類似病院平均値よりも低い状況が続いている。⑥外来管理加算等の増により、６年連続で増加している。⑦医業収益が増加したほか、附属診療所の休止等により給与費が減少したため、類似病院平均値を下回る60.8％となった。⑧医業収益が増加したため、前年度を下回る12.0％となった。類似病院平均値よりも低い水準で推移している。

老朽化の状況について

①類似病院平均値を上回っており、増加傾向であることから、老朽化が進んでいると判断する。今後は、医療提供体制の見直しを行いながら、改築や新築移転などを視野に入れた施設整備を検討する。②医療機器等の計画的な更新により、類似病院平均値を下回った。③医療機器、電子カルテシステム等の更新により有形固定資産が増加している一方、病床数をダウンサイジングしたことにより、類似病院平均値を上回った。今後は過大投資とならないように、事業全体の再編・ネットワーク化を図っていく。

全体総括

令和元年11月に病床数をダウンサイジングし、診療報酬における上位加算の施設基準を取得する等、経営の改善に努めたが、純損失が発生し、累積欠損金が増加しており、経営状況は依然として厳しい状況である。平成28年度に策定した「登米市病院事業中長期計画」の改定を行い、今後も経営改善に取り組んでいく。また、基幹型臨床研修病院の指定による医師の確保に向け、指定要件となる年間新規入院患者数3,000人以上の確保に努めていく。