根室市：根室病院

地域において担っている役割

根室市をはじめ管内４町を含む第２次保健医療圏の中で地域センター病院として比較的高度で専門性の高い医療サービスを提供しており、救急告示病院や災害拠点病院の役割も担っている。

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率については、全国・類似病院平均より低く１００％を下回っている状況にある。②医業収支比率については、同水準で推移しているが、全国・類似病院平均を下回っている状況にある。③累積欠損金比率は平成２６年度の会計制度改正から、平成２５年度をピークに減少し、８０％台で推移している。④病床利用率は平成２４年度の新病院建設以後も高水準で推移している。⑤入院患者の単価は類似病院平均を上回っている。⑥外来患者の単価は上昇傾向にあるが、全国・類似病院平均を下回っている。⑦職員給与費は同水準で推移しているものの、全国・類似病院平均を上回っている。⑧材料費は全国平均を下回っているものの、類似病院よりも高い水準で推移している。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率は平成２４年度の新病院建設及び医療機器等整備により、全国・類似病院平均より低いが、年数の経過とともに増加している。②器械備品減価償却率は①と同様、年数の経過とともに増加している。③１床当たり有形固定資産は新病院建設及び医療機器整備により全国・類似病院平均より高く、今後も一定程度同水準での推移が予測される。

全体総括

安定的な医師確保が全国的に難しい中で、教員枠派遣事業や個人招へいにより常勤医の確保を進めていることなどから、安定的な医療の確保に結びつき、病床利用率の上昇につながっている。一方で、給与費、材料費等については全国平均・類似病院平均と比較しても高水準で推移しており、医療機器の購入等の老朽化に伴う費用負担は継続的に発生する見込であり、一般会計からの繰入についても増加傾向にある。しかし、今後においても地域医療の安定的な確保が必要であるため、医業収益の増加と経費の削減を図り、経営改善に取り組み、基準外繰入の圧縮に努め安定的な運営を目指す。