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財政力指数の分析欄令和3年度の財政力指数は0.66で、令和2年度より0.01ポイント下がっており、、その要因としては、順調に伸びていた町民税などの税収が下がったことがあげられる。他団体と比較し、同指数は類似団体を若干下回っているものの、全国平均及び沖縄平均を上回っている。しかし、自主財源より地方交付税や国・県支出金等の依存財源の割合が高い状況には変わりはないため、今後も税の徴収強化や課税客体の洗い出し等による財源確保対策に取り組み、財政基盤の強化に努める。 | 経常収支比率の分析欄令和3年度は経常収支比率は80.7ポイントと令和2年度より4.2ポイント下がって改善しており、類似団体より4.6ポイント、全国平均及び県平均よりも下回っている。主な要因は、分母の経常一般財源等である地方交付税等が増となったため、分子の経常経費が令和2年度より増えているが、経常収支比率は下回った。その中でも補助費等は下水道事業会計への負担金補助金が減となったため下がっている。今後も、内部の経費削減の取組みを通じて義務的経費の削減に努め、現在の水準を維持する。 | 人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄本町の人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、毎年度、類似団体平均、全国平均、県平均より下回っており、本町の職員数が少ないことが影響している。令和3年度は103,894円となっており、令和2年度と比較して2,287円増となっているが、これは、会計年度任用職員の初昇給及び期末手当支給率の増、また町民交流センター運営委託料やふるさとづくり寄付金事務委託料の増額によるものである。 | ラスパイレス指数の分析欄令和3年度のラスパイレス指数は令和2年度と同値となっており、類似団体平均より0.5ポイント、全国町村平均よろ1.3ポイント上回っている。今後も国や民間の給与水準の動向を見ながら、適正化に努める。 | 人口1,000人当たり職員数の分析欄令和3年度の人口1,000人当たり職員数は令和2年度より0.02ポイント減であり、類似団体平均より1ポイント、全国平均及び沖縄県平均より下回っている。これは、これまで取り組んできた定員管理適正化計画による効果である。今後も引き続き、効率的な組織運営に努めるとともに、適正な定員管理に努めていく。 | 実質公債費比率の分析欄令和3年度の実質公債費比率は、令和2年度と比較して0.6ポイント減となっており、これは標準財政規模の大幅な増が主な要因である。依然として、類似団体平均や全国平均、沖縄県平均を上回るなど、高止まりの状況が続いていおり、農水産物流通・加工・観光拠点施設整備事業の償還も始まっているため、今後は新規発行を抑制し、償還額の平準化及び実質公債費比率が急激に上昇しないように努めていく。 | 将来負担比率の分析欄令和3年度の将来負担率は、令和2年度と比べ25.8ポイント下がっており、改善傾向にある。これは、一般会計における元金償還に対し、新規発行が抑えられていることによる地方債現在高の減、公営企業債等の繰入見込額の減額、また充当可能基金の増額が要因として考えられる。しかし、依然として類似団体平均や全国平均、県平均よりは大きく上回っているため、引き続き将来負担率の低下に努めていく必要がある。 |
人件費の分析欄人件費について、令和3年度は令和2年度より1.1ポイント下がっている。また、全国平均及び沖縄県平均よりも下回っている状況である。学校給食共同調理場や町立保育所などの施設運営を直営で行っているが、人口1,000人当たりの職員数が少ないため類似団体平均より少なく人件費は抑えられている。令和3年度は、会計年度任用職員の初昇給及び期末手当の支給率増で決算額は増えたが、分母の経常一般財源等も増えたことにより、率は下がっている。 | 物件費の分析欄物件費に係るものは、令和3年度は令和2年度より0.2ポイント下がっている。物件費は町民交流センター運営業務委託料やふるさとづくり寄付金事務委託料などにより増となっているが、分母の経常一般財源等も地方交付税等で増となったことが、率が下がった主な要因である。類似団体平均より5.5ポイント、全国平均や県平均と比べても下回っている状況が継続しており、今後もこの状況を維持することに努めていく。 | 扶助費の分析欄扶助費について、令和3年度は令和2年度より0.6ポイント下がった。扶助費は障害者自立支援給付費等により増となっているが、分母の経常一般財源等も地方交付税等で増となったことが率が下がった主な要因である。全国平均や県平均を下回っているものの、類似団体平均と比較すると継続的に高い状況が続いており、今後も上昇傾向が続くと予想されることから、事業内容を細かく精査し、見直しを進めて増加傾向に歯止めをかけるよう努めていく。 | その他の分析欄その他は主に繰出金が大きな割合を占めているが、令和3年度は令和2年度より0.2ポイント下がった。下水道事業の出資金や国民健康保険特別会計への赤字補てんとして法定外繰出しは増となっているが、分母の経常的一般財源等が地方交付税等で増となったことが、率が下がった主な要因である。今後も引き続き、国民健康保険特別会計への法定外繰出し、また土地区画整理事業特別会計への繰出金が増える時期が見込まれる。特別会計は、保険料や料金の適正化を図るなど、独立採算の理念に基づいた経営を促していく。 | 補助費等の分析欄補助費に係るものは、令和3年度は令和2年度より1.2ポイント下がった。これは下水道事業会計への負担金、補助金が減になったことが主な要因として考えられる。今後は、南部行政組合や東部消防組合の負担金が上がる時期が見込まれるため、必要性の低い補助金の見直しや廃止を検討していく。 | 公債費の分析欄公債費について、令和3年度は令和2年度より0.9ポイント下がった。要因としては、公債費は令和2年度と比較し増となっているが、分母の経常一般財源等も地方交付税等で増となったことが率が下がった主な要因である。農水産物流通・加工・観光拠点施設整備事業の償還も始まっているため、今後も投資事業の削減に努め、新規発行の抑制を図るなど、償還額の平準化及び公債費の上昇が急激にならないよう努めていく。 | 公債費以外の分析欄公債費以外で経常収支比率をみると、令和3年度は令和2年度より3.3ポイント下がっている。これは、前年度から引き続き行っている内部努力による経費削減の効果が表れていると思われる。類似団体平均より5ポイント下回っており、全国平均、県平均も下回っていることから、今後も内部努力による経費削減を継続し、経常収支比率の安定化に努めていく。 |
議会費労働費消防費諸支出金総務費農林水産業費教育費前年度繰上充用金民生費商工費災害復旧費衛生費土木費公債費 |
目的別歳出の分析欄目的別歳出決算額の住民一人当たりの議会費は、類似団体平均よりは若干下回っている。総務費は令和2年度の特別定額給付金の皆減により大幅な減となっているが、類似団体平均、全国平均、県平均を下回っている。民生費は子育て世帯臨時特別給付金等の影響で令和2年度より増となり、類似団体平均よりは上回る傾向にあるが、全国平均、県平均よりは下回っている。衛生費は新型コロナワクチン接種事業等の影響で増えてはいるが、類似団体平均、全国平均、県平均を下回っている。労働費は同水準で推移している。農林水産業費は農水産物流通・加工・観光拠点施設整備が令和2年度で完了したことで大幅な減となり、類似団体平均、全国平均、県平均を下回っている。商工費は町内企業消費拡大商品券事業の皆減により住民一人当たり3,112円となり、類似団体平均、全国平均、県平均も下回っている。土木費は全国平均よりは下回っているものの類似団体平均、県平均は上回っており、主な要因としては西原西地区土地区画整理事業、小波津川改修事業の影響によるものである。消防費は類似団体平均より下回っているが、全国平均、県平均よりは上回っており、主な要因は消防庁舎建設が影響している。教育費は令和2年度の児童用端末購入費等が減となり、類似団体平均、全国平均、県平均を下回っている。災害復旧費は翁長1号線復旧事業により増となってはいるが、類似団体平均、全国平均、県平均は下回っている。公債費は、農水産物流通・加工・観光拠点施設整備の償還が始まり増となっているが、類似団体平均、全国平均、県平均は下回っている。 |
人件費補助費等災害復旧事業費投資及び出資金物件費普通建設事業費失業対策事業費貸付金維持補修費普通建設事業費(うち新規整備)公債費繰出金普通建設事業費(うち更新整備)積立金前年度繰上充用金 |
性質別歳出の分析欄人件費は、住民一人当たり55,831円で類似団体平均、全国平均、県平均を大きく下回り、人口一人当たり職員数も類似団体より少ない状態である。物件費、維持補修費及び貸付金は類似団体平均、全国平均、県平均を下回っている。扶助費は、子育て世帯臨時特別給付金等の影響で増となり、住民一人当たりのコストも年々増加し、類似団体平均を上回っているが、県平均と比較すると54,129円下回っており、県全体として扶助費が高い傾向にあるといえる。補助費等は、令和2年度に実施した特別定額給付金の皆減により減となり、類似団体平均、全国平均、県平均を下回っている。普通建設事業費は、農水産物流通・加工・観光拠点施設整備が令和2年度で完了し、住民一人当たりも令和2年度と比較すると9,153円下がった。普通建設事業の内訳をみると、新規整備は減少したものの類似団体平均や全国平均を上回っている要因は、西原西地区土地区画整理事業の影響である。更新整備は増加傾向にあり、今後も公共施設の老朽化に伴い増加していく見込みである。災害復旧事業費は、翁長1号線災害復旧事業により令和2年度より増となっているが、類似団体平均、全国平均、県平均を下回っている。公債費は、農水産物流通・加工・観光拠点施設整備の償還が始まり、令和2年度より増となっているが、類似団体平均、全国平均、県平均を下回っている。積立金は、予算編成アクションプランの効果もあり増加傾向にある。投資及び出資金の増は、下水道事業への出資金の増が主な要因である。繰出金は令和2年度より微増となっているが、類似団体平均、全国平均、県平均を下回っている。 |
基金全体(増減理由)基金全体としては、令和2年度より745百万円の増となった。増額となった主な基金は、財政調整基金、特別会計繰出準備基金及び公共施設修繕等基金である。財政調整基金は、当初予算を編成するため212百万円を取崩したが、補正で積立を行い、令和2年度と比較し239百万円の増額となった。(今後の方針)今後も当初予算編成時に収支不足が続く見通しであり、国民健康保険特別会計赤字解消のための法定外繰出を計画的に進め、老朽化した公共施設の更新や退職手当特別負担金の増加等に対応するためにも、町基金管理方針に沿って、計画的な基金の積立を行い、安定的な財政運営に欠かせない基金を管理していく。 | 財政調整基金(増減理由)財政調整基金は、当初予算を編成するため、212百万円を取崩したが、補正で積立を行い、令和2年度と比較して239百万円の増額となった。(今後の方針)財政調整基金の残高は、災害や緊急的な財政出動に備え、標準財政規模の10%から20%の範囲内(650百万円から1,300百万円)になるようにと努めることとしている。 | 減債基金(増減理由)国の令和3年度補正予算(第1号)において、令和3年度普通交付税が追加交付となり、その中で令和3年度の臨時財政対策債を償還するための基金積立に要する経費が措置されたことから、「臨時財政対策債償還基金費」の算定額全額を積み立てたことが増額の要因である。(今後の方針)今回積立てた「臨時財政対策債償還基金費」分については、計画的に取崩しを行い、償還に充当していく。また、今後は繰上償還も視野に入れ、計画的に積立を行うことを目標とする。 | その他特定目的基金(基金の使途)・特別会計繰出準備基金:特別会計で多額の費用が必要になった時に備え、積み立てる基金・公共施設修繕等基金:老朽化した公共施設の更新に必要な費用を積み立てる基金・町立小中学校体育館長寿命化基金:小中学校体育館の屋根を更新整備するために積み立てる基金・教育環境整備基金:教育環境を整備するための基金・職員退職手当特別負担金基金:職員が退職した場合に負担しなければならない特別負担金の財源に充てるために積み立てる基金(増減理由)・公共施設修繕等基金は、町基金管理方針に基づいた積立分に加え、今後の老朽化した公共施設更新に備え、補正時に追加で積み立てたことによる増額。・特別会計繰出準備基金120百万円の増額は、国民健康保険特別会計への累積赤字解消のための法定外繰出金として、計画的に積み立てたことによる増額。(今後の方針)今後は、老朽化した公共施設の更新や退職手当特別負担金の増加等にも対応するため、町基金管理方針に沿って、計画的な基金の積立を行い、安定的な財政運営に欠かせない基金を管理していく。また、国民健康保険特別会計の累積赤字解消のための法定外繰出を計画的に進め、今後増加が見込まれる教育環境整備に要する経費等にも対応するため、補正予算での余剰金を積み立てていく。 |
有形固定資産減価償却率の分析欄類似団体より低い水準で推移しているが、年々比率が上昇しており、施設の老朽化が進んでいる。平成28年度に策定した公共施設総合管理計画については令和3年度に改定を行い、その中で各施設の老朽化比率を把握し、長期的な維持管理が必要としている。また、今後の公共構築物の更新投資のシミュレーションも多額の費用を要するとの試算が出ているため、公共施設等の管理に関する基本方針に基づき、施設の長寿命化並びに施設機能の統廃合や集約化、PPP/PFIなどの民間活力の活用などを検討していく必要がある。 | 債務償還比率の分析欄令和2年度に比べ、令和3年度は公園緑地整備事業等の規模の大きい起債の完済による地方債残高の減少や公営企業債繰入見込額の減少により将来負担額が減少したこと、また特定目的基金をはじめとして計画的に基金の積立を行えたことから、債務償還比率についても下がっており改善している。しかし、類似団体と比べると比率は若干上回っており、今後も扶助費や一部事務組合負担金といった経常経費の増加、老朽化した施設改修等に係る地方債の発生が見込まれることから、引き続き、経常経費の削減に努めていく必要がある。 |
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析将来負担比率は類似団体と比較し高い水準にあるものの、ここ数年は改善傾向にあり、地方債残高や公営企業債等の繰入見込額の減及び充当可能基金の増額等により、令和3年度は令和2年度に比べ25.8ポイント減と大幅に下がった。有形固定資産減価償却率は類似団体よりは低い水準で推移しているが、将来負担率が高いままだと、今後必須となる施設の老朽化対策費用の捻出が厳しいため、西原町公共施設等総合管理計画に基づき維持管理を進めながら、老朽化した施設改修等の財源となる目的基金を計画的に積立てる必要がある。 |
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分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析将来負担比率及び実質公債費比率は類似団体と比較して、どちらも高い水準にある。将来負担比率は地方債残高や公営企業債等の繰入見込額の減及び充当可能基金の増額等により、ここ数年は減少し、改善傾向にある。実質公債費比率は、令和2年度に比べ令和3年度は0.6ポイント減となり、これは標準財政規模が大幅に増となったことが要因である。しかし、依然として類似団体平均値と比べ高い状況が続いており、今後は老朽化した施設改修等に係る地方債の発生も見込まれることから、引き続き新規発行を抑制しながら、実質公債費比率が急激に上昇しないように償還額の平準化に取り組んでいく必要がある。 |
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道路橋りょう・トンネル公営住宅港湾・漁港認定こども園・幼稚園・保育所学校施設児童館公民館 |
施設情報の分析欄類似団体と比較して、有形固定資産減価償却率が特に高くなっている施設は、昭和53年度に建築された中央公民館である。類似団体平均値を大幅に上回っており、老朽化がかなり進んでいる。そのため早急に対策を講じる必要があり、再整備に向け検討を進めているところである。認定こども園・幼稚園・保育所は全体的には類似団体と比較して下回っているが、老朽化が進んでいる幼稚園が1園あるため、今後個別に計画を立て更新していく必要がある。学校施設は、類似団体と比べ若干下回ってはいるが、老朽化が進んでいる学校もある。令和3年度に策定した「西原町学校施設等長寿命化計画」に基づき、早期段階から予防的な修繕等を実施することで、機能・性能の保持・回復を図る「予防保全」を計画的に行い、長寿命化を進めていく必要がある。児童館は、平成29年度に一か所新設されたことにより、類似団体平均を下回ってはいるが、老朽化が進んでいる児童館もあるため、個別に対策を検討する必要がある。道路、橋りょう及び公営住宅は、類似団体を下回っている。一人あたりの面積は、全施設を通じて概ね横ばいで推移している。 |
図書館体育館・プール福祉施設市民会館一般廃棄物処理施設保健センター・保健所消防施設庁舎 |
施設情報の分析欄類似団体と比較して、有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は町民体育館であり、老朽化対策を検討する必要がある。図書館は平成16年度に建設されたため、低めの水準を保ってはいるが、長寿命化を図るためにも計画的に維持管理を行っていく必要がある。庁舎は、平成26年度に完成した新しい施設のため、有形固定資産減価償却率は低水準となっている。一人あたりの面積については、町民体育館は類似団体と比較して狭く、図書館及び庁舎については、若干広い結果となっている。 |
資産合計負債合計 |
1.資産・負債の状況一般会計等においては、資産総額が前年度から645百万円の増加(+2.5%)となった。主な要因としては、投資その他の資産の増加であり、計画的に基金を積み立てたことにより、固定資産・流動資産ともに、基金が増加(合計1,463百万円→2,208百万円)した。また、負債総額については前年度から393百万円の減少(▲3.8%)となっており、地方債残高の減少(8,544百万円→8,182百万円)及び退職手当引当金の減少(698百万円→665百万円)が主な要因となっている。負債については、これまでの本町の方針である「毎年度の元金償還額以上の地方債新規発行を行わない」取組みを継続し、引き続き負債の減少に努めていかなければならない。全体会計・連結会計においては、主に一般会計等の変動によるものが要因となっているが、水道事業会計等を加えた全体では、資産総額は上水道管等のインフラ資産を計上していること、令和2年度から下水道事業会計を加えたこと等により、一般会計等に比べて資産合計は12,927百万円増加している。負債総額は、下水道事業会計が加わったことによる地方債の増や、国民健康保険特別会計の累積赤字額(481百万円)等により9,090百万円多くなっている。東部消防組合、沖縄県町村土地開発公社等を加えた連結では、資産総額は一般会計等と比べ17,792百万円多くなり、負債総額は土地開発公社の借入金等があること等から、12,138百万円多くなっている。 |
純経常行政コスト純行政コスト |
2.行政コストの状況一般会計等においては、経常費用が前年度比▲2,245百万円(▲15.2%)となった。これは、特別定額給付金事業の皆減に伴い、補助金等が昨年度より2,551百万円減少しているためである。しかしながら、社会保障給付は増加の一方であり、住民サービスの根幹となる社会保障給付費や一部事務組合への負担金についての削減は厳しい現状がある。また、国民健康保険特別会計の累積赤字解消を目的とした法定外繰出の実行(R2:190百万円、R3:180百万円)などの財源捻出のため、引き続き内部努力に努めていく必要があるが、内部努力にも限界があるため国保税の更なる税率改定(平成31年令和2年改定実施済)や受益者負担となる使用料・手数料の改定を検討しているところである。全体会計・連結会計については、令和2年度に下水道事業会計が加わったことで増加に転じていたが、一般会計同様「純経常行政コスト」「純行政コスト」は減少している。今後も、引き続き本町の財政状況に見合った支出に努め、職員一人一人がコスト意識を持つよう情報共有を図っていく。 |
本年度差額本年度末純資産残高本年度純資産変動額 |
3.純資産変動の状況一般会計等において、平成28年度の歳計外現金(5,600百万円)の誤計上を平成29年度で修正したことによる大きな差額が生じているが、当該影響を除けば純資産残高は微増で推移している。令和3年度は、国県等補助金が大幅に減(前年度比▲2,737百万円)となったが、コロナ禍で落ち込んだ税収等が前年度比+585百万円となり持ち直しつつあること、純行政コストが前年度より減少していることにより、財源(12,976百万円)が純行政コスト(11,938百万円)を上回ったため、本年度差額は1,038百万円(前年度比+144百万円)となり、純資産残高は16,492百万円となった。しかし今後も国県の財源に頼った不安定な財政運営を強いられることが懸念される。全体会計・連結会計の大きな変動についても上記一般会計等の誤計上によるものである。全体会計のうち、国民健康保険特別会計における累積赤字の影響で国民健康保険特別会計単体での本年度末純資産残高が▲396百万円であるが、水道事業会計(3,050百万円)及び下水道事業会計(1,276百万円)がこれをカバーしている。今後は水道事業会計や下水道事業会計においても施設の老朽化に係る多額の更新費用を見込んでいるため、国民健康保険特別会計の累積赤字については、保険税率改正や一般会計からの法定外繰出により令和8年度までの解消を目指しているところである。連結会計では、沖縄県後期高齢者医療への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が9,116百万円多くなっており、本年度差額は1,216百万円となった。 |
業務活動収支投資活動収支財務活動収支 |
4.資金収支の状況一般会計等においては、移転費用支出の減が要因となり業務支出が前年度比▲2,287百万円となったが、国県等補助金収入の減により業務収入も前年度比▲1,710百万円となったことで、業務活動収支は前年度比+569百万円の1,598百万円となった。一方、投資活動収支については、公共施設等整備費支出が農水産物流通・加工・観光拠点施設整備事業等の終了により前年度比▲637百万円となり、基金積立金支出が前年度比+493百万円となったことで▲1,087百万円となった。また、地方債償還支出が発行収入を356百万円上回ったため、財務活動収支は▲356百万円となった。このことから、本年度については負債の減少に努めつつ、税収等の増加分を基金に積み立てることができたことから安定した財政運営を行うことができたと考える。全体会計のうち、国民健康保険特別会計については、令和2年度に実施した国保税率改定の影響もあり業務活動収支174百万円(R2)から201百万円(R3)に改善した。しかし、累積赤字の解消には至っていないため今後も税率改定を予定しているところである(R6予定)。また、水道事業会計において、投資活動収入の国県等補助金収入が微増したことや、貸付金支出の200百万円の皆減により投資活動収支が▲301百万円(R2)から▲63百万円(R3)となった。連結会計については、投資活動収支において、基金積立金支出が増加(前年度比+485百万円)したことにより1,647百万円となった。 |
①住民一人当たり資産額(万円)②歳入額対資産比率(年)③有形固定資産減価償却率(%) |
1.資産の状況①住民一人当たりの資産額が類似団体平均を大きく下回っている要因として、取得価格不明道路等敷地を備忘価格1円で評価していることの他、基金残高が少ないことがあげられる。本年度の基金残高は前年度から745百万円増の2,208百万円となったが、類似団体平均の4,178百万円と大差があるため、本町の「基金管理方針」に沿った計画的な積立て・取崩しを行う必要がある。資産合計については基金残高が前年度よりも大幅に増加したことにより、645百万円増加した。②歳入総額対資産比率は、前年度比0.25ポイント増となった。要因としては、資産合計が微増なのに対して、歳入総額が大幅に減少したためである。歳入総額減の主な理由は、前年度実施の特別定額給付金事業の皆減など、国県等補助金収入の減によるものである。③有形固定資産減価償却率は、類似団体平均を下回っているものの前年度より1.5ポイント増加しているため、施設更新等の検討に早期着手し、平準化を図る必要がある。 |
④純資産比率(%)⑤将来世代負担比率(%) |
2.資産と負債の比率④純資産比率は、類似団体平均を下回っているものの、前年度より2.5ポイント増加している。この主な要因は、資産合計が前年度から645百万円増額したこと、かつ、負債の地方債が前年度から356百万円減額したためである。よい傾向であるため今後も純資産が減少しないよう行政コストの削減や税収アップに努めていく必要がある。⑤将来世代負担比率は、類似団体平均を上回っているが、これについても本町の基金残高が少ないことで固定資産合計が類似団体に比べ少ないことが要因として挙げられるため、計画的な基金管理を行う必要がある。現状として、地方債残高については年々減少傾向にあるが、今後は教育施設をはじめ、公共施設の更新時期を迎えることから、多額の地方債発行が想定されるため、比率の増加が懸念される。引き続き新規発行額が元金償還額を下回るよう平準化に努め、意識的な起債管理に努める。 |
⑥住民一人当たり行政コスト(万円) |
3.行政コストの状況⑥住民一人当たり行政コストは、前年度より6.5ポイント減となった。これは、移転費用の減により、行政コストが大幅に減少したためである。類似団体平均と比べた場合は、3.7ポイント下回っている。移転費用の減については、前年度実施の特別定額給付金事業分の皆減が主な要因である。しかし、国民健康保険特別会計累積赤字解消や高齢化社会に伴う後期高齢者医療連合・介護広域連合への負担金増が今後も見込まれていることから、引き続き経常経費をはじめとした行政コストの削減に努め、類似団体平均以下を維持していきたい。 |
⑦住民一人当たり負債額(万円)⑧基礎的財政収支(百万円) |
4.負債の状況⑦住民一人当たり負債額は、類似団体平均値を10.7ポイント下回っている。負債の大半を占める地方債残高の人口に対する割合が、類似団体に比べ少ないことが要因である。これは本町の方針である「毎年度の元金償還額以上の地方債新規発行を行わない」取組の効果だと考えている。一方で、今後は教育施設をはじめ、公共施設の老朽化により多額の更新費用が見込まれる。施設の更新にあたっては、官民連携や国県等の補助金活用を検討しつつも、なお多額の地方債発行が想定されるため、それまでの新規発行をなるべく抑制していく必要がある。⑧基礎的財政収支は、業務活動収支の黒字分が投資活動収支の赤字分を上回り、1,300百万円となった。依然として類似団体平均値を大きく上回っているが、類似団体に比べて公共施設等整備費支出が少ないことがあげられる。単年度の結果に囚われず、今後の施設等更新時期を見据え、年度間のバランスを考慮した財政運営に努めていく。 |
⑨受益者負担比率(%) |
5.受益者負担の状況⑨受益者負担比率は、前年度より1.1ポイント増となり、類似団体平均を0.7ポイント上回っている。要因としては、移転費用が減少したことにより、経常費用が大幅に減額(前年度比△2,245百万円)となったこと、かつ、経常収益が増額となったためである。移転費用の減については、昨年度実施の特別定額給付金事業分の皆減が主な要因である。しかし、社会保障給付は増加傾向であるため、その他の経常経費の削減に努める必要がある。経常収益の増額は、雑入の増額が主な要因と考えられるが、今後は公共施設等の使用料の見直し等を行うなど、受益者負担の適正化にも努めていく。 |
出典:
財政状況資料集
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統一的な基準による財務書類に関する情報
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