北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨城県栃木県群馬県埼玉県千葉県東京都神奈川県新潟県富山県石川県福井県山梨県長野県岐阜県静岡県愛知県三重県滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県鳥取県島根県岡山県広島県山口県徳島県香川県愛媛県高知県福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

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地方財政ダッシュボード

大分県日田市の財政状況(2019年度)

🏠日田市

地方公営企業の一覧

末端給水事業 簡易水道事業 公共下水道 特定環境保全公共下水道 農業集落排水


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

令和元年度は、森林環境譲与税の新設による譲与税の増額等により、基準財政収入額が前年比130,919千円増加したものの、基準財政需要額も前年比211,072千円増加しており、依然として類似団体より低い水準となっている。このことから、今後もより一層の税収の徴収率向上対策を中心とする歳入確保に努めるとともに、必要な事業の峻別、投資的経費の抑制等、歳出の見直しに努める。

経常収支比率の分析欄

歳出における経常経費は、社会保障関連経費や補助費等が増加したものの、公債費や特別会計への繰出金等の減額により前年度比では減額となっている。一方歳入では地方譲与税が増額しているものの、普通地方交付税の段階的削減に伴う減等により前年比で減額となっており、全体では0.4ポイント悪化した。今後も、さらなる自主財源の確保を行うとともに、行財政運営の効率化、各種事務事業の見直しと経費の節減・合理化に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

令和元年度は前年度と比較し、人口一人当たりの決算額が7,079円増加し、類似団体平均と県平均を上回っている。主な要因として、各小中学校のICT環境整備を行ったICT教育環境整備事業や、寄付額の増によるふるさと納税促進事業の増額等があげられる。今後は、施設の維持管理等の事務内容の見直しや公共施設等総合管理計画に基づく施設の適正配置を行い、経費節減可能な部分については、積極的な削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

平成27年4月より、職員給の見直しと給与制度の総合的見直しを行い、現給保障を100%とせず上限50%とし、期間も国の3年に対し2年間としている。平成28年度末で当初の予定通り、現給保障を終了した。さらには、平成29年度より、行政職給料表等級別基準職務表を8級制から7級制へと見直しを行っている。今後も指数の動向を注視しながら見直しを行うなど、定員管理と併せ給与制度の適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

地方分権に伴う権限移譲など、事務事業の増加が見込まれるが、「最小の人数で最大の成果を挙げる」ため、組織や事務事業の見直し、民間活力の導入や市民との協働を積極的に進め、今後の行政需要に対応できる効率的な組織運営に向け、定員管理計画による職員数の適正化を図っていく。

実質公債費比率の分析欄

平成30年度より0.1ポイント低くなり、また、類似団体平均を下回っている。今後も地方債の借入にあたっては、交付税算入の面で有利な地方債の活用を基本とするとともに、普通建設事業の精査により借入額の抑制を行う。また、繰上償還等も検討しながら実質公債費比率の抑制に努めるものとする。

将来負担比率の分析欄

平成27年度以降、将来負担比率は0となっている。主な要因としては、九州北部豪雨災害の影響による財政調整基金の取り崩しに伴う充当可能基金残高の減等があるものの、地方債現在高も同様に減少したこと等が挙げられる。今後も公債費等義務的経費の削減を図るとともに、より効率的な基金の運用を行い財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は前年度より0.4ポイント増となり、類似団体平均を上回る結果となった。主な要因は、定年退職者の増に伴う退職手当の増によるものである。今後も計画的な職員採用や組織及び事務事業の見直しにより適正な定員管理に努める。また、施設運営等の指定管理を含めた民間委託を更に推進するなど、行財政改革への取組を通じて人件費の削減に努める。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は、前年度より0.4ポイント増となり、依然として類似団体平均より高くなっている。主な要因として、標準宅地等鑑定事業や、放課後児童健全育成事業費の増等が挙げられる。今後は、公共施設等総合管理計画に基づく施設の適正配置を行い、施設の維持管理等に係る委託料などの業務内容の見直し等、経費節減可能な部分については、積極的な削減に努める。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は前年度より0.4ポイント増となり、類似団体平均よりも上回っている。主な要因は、児童手当給付費や生活保護費の減があるものの、幼児教育・保育の無償化の影響による子ども子育て支援給付費が大幅に増額となったことが挙げられる。今後も障害福祉サービスの利用者増などによる扶助費の増が見込まれるが、児童数減少による給付費減等により、中長期的には減少傾向にあると見込まれる。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は、前年度より0.2ポイント減となっており、類似団体平均より低い水準となっている。特別会計への繰出金が依然として高い数値であるため、今後は、財政健全化を進めることにより繰出金の抑制に努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、類似団体平均より低い水準を維持しているが、前年度より0.5ポイント増となっている。主な要因として、企業立地を促進するための企業誘致事業の補助金の増等が挙げられる。今後も、補助金交付事業を精査し、補助率や補助限度額の見直し等を行い、補助金の適正化に努める。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は前年度比1.1ポイント減となったが依然として類似団体平均よりも上回っている。主な要因としては、臨時財政対策債の償還額の増額等が挙げられ、依然として経常一般財源に占める割合は高いものである。今後も地方債の借入にあたっては、交付税算入の面で有利な地方債の活用を基本としながら、普通建設事業の精査を行い、繰上償還等も検討しながら借入額の抑制に努めるものとする。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常収支比率は、前年度より1.5ポイント増となっているものの、類似団体平均よりは低い水準で推移している。令和元年度は子ども子育て支援給付費等の扶助費や退職手当等の人件費、補助費等が増加したことが増の要因として挙げられる。今後も、事務事業の見直しによる経常的経費の抑制に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

民生費は、住民一人当たり196,634円となっており、類似団体平均より26,381円高い水準となっている。これは、児童手当給付費や生活保護費の減があるものの、子ども・子育て支援給付事業費や天瀬総合福祉センター等複合施設整備事業が増額したことが主な要因である。衛生費は、九州北部豪雨に係る災害瓦礫の撤去・運搬経費、被災家屋等解体撤去処理に対する補助金等の減より1,927円減額となった。消防費は、280MHz帯防災行政無線システム整備事業の増等により、大幅に増加している。教育費については、地区公民館整備事業やICT教育環境整備事業が増額したことにより、類似団体平均より高い水準となっている。災害復旧費については、平成29年7月に発生した「平成29年7月九州北部豪雨災害」で被災した公共土木施設、農地、林地等の復旧事業の進捗により、昨年度より2,463円減額となった。公債費は、経常収支比率も類似団体平均より高い水準にあるのと同様、目的別歳出においても、住民一人当たり74,843円と類似団体平均と比較して高い水準で推移している。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり618,843円となっている。主な構成項目である人件費は、住民一人当たり86,451円となっており、平成30年度と比較して増加し、依然として類似団体平均と比べて高い水準にある。物件費および扶助費については、類似団体平均と比べて高い水準で推移している。平成30年度は特に、物件費においては、小中学校のICT環境整備を行ったICT教育環境整備事業や、寄附額の増によるふるさと納税促進事業の増、扶助費については、子ども子育て支援給付費が増額となっている。普通建設事業費では、新規設備について住民一人当たり20,812円で、昨年度より12,395円増額となっており、280MHz帯防災行政無線システム整備事業の増が主な要因である。また、更新整備についても住民一人当たり32,875円で、住民一人当たり4,031円増額となり、類似団体平均と比べて7,376円低い結果となった。主な減要因としては、奥日田地域観光施設整備事業や鯛生スポーツセンター施設整備事業費等の減額が挙げられる。また、繰出金については、昨年度とほぼ横ばいで、依然として類似団体平均より4,116円高い、住民一人当たり52,676円となっている。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

財政調整基金残高は、適切な財源の確保と歳出の精査に努めたものの、災害復旧等の臨時財政需要があったため、14億円を取り崩し、約41億円となっている。実質収支額は黒字を維持したもの、実質単年度収支は、前年度と比較し、標準財政規模比3.76ポイントの減となった。今後も、行財政運営の効率化、各種事務事業の見直しと経費の節減、さらなる財源の確保に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

連結実質赤字比率は、平成22年度以降、全会計黒字となっており赤字は生じていない。今後も適正な財政運営、企業経営に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

実質公債費比率は、償還終了による元利償還金の減や、水道事業及び下水道事業の公営企業債の元利償還金に対する繰入金の減など、全体として分子が減少している。今後も、各会計の事業精査により地方債の借入額を抑制し、交付税算入の面で有利な地方債の活用を基本とするとともに、繰上償還等も検討しながら実質公債費比率の抑制に努めるものとする。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

平成27年度以降、分子がマイナスとなり、将来負担比率が0となっている。主な要因としては、九州北部豪雨災害の影響による財政調整基金の取り崩しに伴う充当可能基金残高の減や基準財政需要額算入見込額の減があるものの、繰上償還による地方債現在高の減、公営企業債等繰入見込額の減により、将来負担額も同様に減少したこと等が挙げられる。今後も地方債の借入にあたっては、交付税算入の面で有利な地方債の活用を基本としながら、普通建設事業の精査により借入額の抑制に努めるとともに、より効率的な基金の運用に努めるものとする。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)・災害予防、災害応急対策、災害復旧・復興等の災害対策経費に充当する目的で創設した「災害対策基金」に1億149万円、ふるさと納税の寄附額「水郷ひた応援基金」に4億653万円、森林環境譲与税を積み立てる「森林環境譲与税基金」に8,296万円を積み立てた一方、普通交付税の合併算定替による特例措置の段階的削減や九州北部豪雨に伴い「財政調整基金」を14億円取り崩したこと、「地域振興基金」から地域振興に関する事業のため1億8,790万円取り崩したこと等により、基金全体としては14億1,461万円の減となった。(今後の方針)・経常的な経費への充当に加え、総合戦略に盛り込まれた事業の財源を補うため、地域振興基金のほか、特定目的基金の繰入れを令和元年度以降の各年度で10.9億円から15.4億円を見込んでいる。

財政調整基金

(増減理由)・基金の運用益1,365万円や剰余金3億4,000万円を積み立てたことによる増加・普通交付税の合併算定替による特例措置の段階的削減や災害復旧・復興関連経費などの影響により、14億円を取り崩したことによる減少(今後の方針)・財政調整基金については、減債基金・市職員退職手当基金・災害対策基金との総額で標準財政規模の30%程度は確保したいと考えるが、普通交付税の合併算定替による特例措置の適用期限終了や災害復旧・復興関連経費などの財政需要も引き続き見込まれることから、中長期的(令和7年度目途)には21億円程度減少する見込みである。

減債基金

(増減理由)・基金の運用益を486万円積み立てたことによる増加・起債償還のため1億円を取り崩したことによる減少(今後の方針)・財政状況を考慮し市債の償還財源として毎年1億円程度を取り崩す予定。

その他特定目的基金

(基金の使途)・水郷ひた応援基金:日田市の将来の発展を願い、その発展に対し貢献し、又は応援しようとする者からの寄附金を活用し、ふるさと『水郷ひた』を守り元気づける施策の推進・観光振興基金:市の観光施設整備及び交流人口増加のための施策の推進(増減理由)・地域振興基金:基金の運用益を748万円積み立てた一方で、子ども医療費助成事業や定住交流促進事業等の地域振興事業に計1億8,790万円を充当したことによる減少・災害対策基金:災害に対する迅速な対応と災害からの早期復興を図ることを目的とした基金を創設し、1億円を積み立てたことによる増加(今後の方針)・市有施設整備基金:施設の老朽化や今後の更新需要に対応し、公共施設等総合管理計画に盛り込まれた施策を着実に実現するため、今後大幅な取り崩しが予想される。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は前年度と比較し3.3ポイント上昇しており、類似団体平均及び全国平均より高い水準となっている。当市は、6市町村が合併した市であり、また、広大な面積を有するため、保有する施設数や道路などが比較的多い状況にある。今後も、公共施設等総合管理計画に基づき、過大な公共施設量の圧縮を推進し、サービスの質を維持しつつ効果的・効率的な整備を進め、公共施設等の適正管理・適正配置に努める。

債務償還比率の分析欄

債務償還可能年数は類似団体平均、全国平均、大分県平均をいずれも下回っている。主な要因としては、決算剰余金を活用した繰上償還を平成25年度以降実施し、地方債残高を約20億円減少させたことによるものと考える。ただし、近年の災害による財政調整基金の取崩しに伴う充当可能財源の減や普通交付税の減などにより、財源が減少していくことが見込まれるため、今後も、さらなる自主財源の確保を行うとともに、行財政運営の効率化、各種事務事業の見直しと経費の節減・合理化に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は前年度と同様にゼロとなり、類似団体平均及び早期健全化基準の350%を大きく下回っている。一方で有形固定資産減価償却比率は減価償却が進んだことにより、前年度と比較し3.3ポイント上昇しており、類似団体平均値を上回っている。将来負担比率はゼロではあるが、有形固定資産減価償却率が上昇しているということは、老朽化が進んでいるということであり、今後必要となる固定資産の老朽化対策に伴う財政負担が潜在しているとも考えられる。このため、公共施設等総合管理計画に基づき、過大な公共施設量の圧縮を推進し、サービスの質を維持しつつ効果的・効率的な整備を進め、公共施設等の適正管理・適正配置に努めるとともに、地方債の借入にあたっては、交付税算入の面で有利な地方債の活用を基本とし、また、普通建設事業の精査により借入額の抑制を行う。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は前年度と同様にゼロとなり、実質公債費比率においても0.1ポイント改善し類似団体平均を下回っている。なお、実質公債費比率は単年度では1.0ポイント改善しており、元利償還金の減が大きく影響したと考えられる。今後も地方債の借入にあたっては、交付税算入の面で有利な地方債の活用を基本とするとともに、普通建設事業の精査により借入額の抑制を行う。また、繰上償還等も検討しながら実質公債費比率の抑制に努めるものとするとともに、より効率的な基金の運用を行い財政の健全化に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

【認定こども園・幼稚園・保育所】及び【児童館】の子育て支援施設は、有形固定資産減価償却率は類似団体より高く、また、一人当たり面積については類似団体より低くなっている。これらのことから、子育て支援施設は老朽化しているものが多く、施設の面積も少ないという現状であることがわかる。今後は公共施設等総合管理計画に基づき、現在指定管理制度を導入している施設は、民間移管を基本とし、また、直営施設については、今後児童数の動向を考慮しながら、建替えや統合・縮小を検討していく。【公営住宅】は有形固定資産減価償却率は類似団体より低いものの、一人当たり面積は類似団体及び全国、大分県平均を大幅に上回っており、住宅戸数の供給が多い状況であることがわかる。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき、耐用年数が経過する際には、人口動向などを考慮し統合・縮小を検討していく。【道路】及び【橋りょう・トンネル】においては、有形固定資産減価償却率は類似団体や全国平均より高く、【道路】の一人当たり延長については、それぞれの平均を大きく上回っている状況である。これは、6市町村による合併で管理する道路も広域にわたっており、建設後数十年経過している道路も多く老朽化が進んでいるが、全ての道路を更新する事が困難だからである。しかし、今後も安全な通行の確保などのため、長寿命化計画などに基づき適切な維持管理及び修繕・更新等を行っていく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

【消防施設】と【市民会館】については、有形固定資産減価償却率が類似団体より低くなっているものの、一人当たり面積は類似団体より高くなっている。これは、日田玖珠広域消防組合の新庁舎が平成27年度建設であり、市民文化会館パトリアについては平成19年度建設で、いずれも施設が新しいことが要因である。なお、一人当たり面積が類似団体、全国、大分県平均より高くなっているため、今後の更新等の際には人口や規模に対して過剰な面積となっていないかを考慮しながら更新していく必要がある。【体育館・プール】【福祉施設】【一般廃棄物処理施設】【保健センター・保健所】などの施設においては、有形固定資産減価償却率が類似団体より高くなっており、老朽化が進んでいることがわかる。今後の更新等においては、「公共施設等総合管理計画」に基づき、施設の利用状況を踏まえ、集約化や他の施設との相互利用など総量の抑制、長寿命化、効率的な運営を推進していく必要がある。

財務書類に関する情報①(2019年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から10,762百万円減少(△5.1%)となった。これは、280MHz帯防災行政無線システム(約300百万円)や日田駅前広場(約200百万円)の整備などによる増があるものの、有形固定資産の減価償却による減(約7,939百万円)や、災害復旧事業費の増大に伴う財政調整基金の取崩し(1,400百万円)などが主な要因である。負債総額は39,854百万円で前年度末から7,973百万円減少(△16.7%)している。これは、地方債の償還が進んだことと、翌年度への繰越事業に係る未払金や債務負担行為に係る費用の計上方法を見直したことなどが要因である。・水道事業会計、下水道事業会計などを加えた全体では資産総額が前年度末から11,514百万円減少(△4.6%)し、さらに日田玖珠広域消防組合、大分県後期高齢者医療広域連合等を加えた連結では、資産総額が前年度末から11,727百万円減少(△4.7%)した。これらも、固定資産の減価償却が進んだことが主な要因である。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

・一般会計等においては、経常費用は34,911百万円となり、前年度比1,201百万円の減少(△3.3%)となった。これは、主に人件費が減少したことによるものである。経常費用のうち人件費や物件費等の業務費用は21,130百万円で約61%を占めている。業務費用の中で最も金額が大きいのは減価償却費や維持管理費を含む物件費等15,201百万円である。今後も、引き続き公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の縮減に努める。・全体では、一般会計等と比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が1,657百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の給付費を社会保障給付に計上しているため、移転費用が13,530百万円多くなり、純行政コストは15,094百万円多くなっている。・連結では、一般会計等と比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が3,132百万円多くなっている一方、移転費用のうち補助金等が24,006百万円多くなっていることなどにより、経常費用が27,955百万円多くなり、純行政コストは24,825百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

・一般会計等においては、税収等の財源32,370百万円が純行政コスト35,954百万円を下回ったことから、本年度差額は△3,585百万円となったことなどにより、純資産残高今は2,790百万円減少した。今後もより一層の地方税の徴収率向上対策を中心とする税収確保に努めていく。・全体では、国民健康保険特別会計の国民健康保険税や介護保険特別会計の介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が5,685百万円多くなっている。本年度差額は△3,507百万円となり、純資産残高は△2,463百万円減少した。・連結では、大分県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金により、全体と比べて国県等補助金が5,025百万円多くなっている。本年度差額は△3,705百万円となり、純資産残高は2,681百万円減少した。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は、九州北部豪雨に係る災害復旧経費に多くの経費を要したものの2,067百万円となった。投資活動収支では、公共施設等整備費支出の増などにより△1,037百万円となった。財務活動収支では、公共施設整備による地方債の発行収入の増があるものの、償還額が地方債発行収入を上回ったことから△1,081百万円となった。以上により、本年度末資金残高は前年度末から52百万円減少し、1,128百万円となったが、災害復旧経費に多くの経費を要したものの経常的な活動に係る経費は税収等の収入で賄えている状況である。・全体では、業務活動収支は一般会計等より957百万円多い3,023百万円となり、投資活動収支では△1,100百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、1,735百万円となり、本年度末資金残高は前年度末から188百万円増加し、3,402百万円となった。・連結では、大分県後期高齢者医療広域連合の保険給付費等が業務支出に含まれることから、一般会計等より業務支出は増大するものの、同連合への国県等補助金が業務収入に含まれることなどにより、業務活動収支は一般会計等より917百万円多い2,983百万円となった。投資活動収支は、1,153百万円となっている。財務活動収支では、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから△1,748百万円となった。以上により、本年度末資金残高は4,417百万円となった。

財務書類に関する情報②(2019年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

・住民一人当たり資産額(歳入額対資産比率)は、合併前に旧市町村毎に整備した公共施設があり、また、広大な面積を有すあるため、保有する施設数や道路などが非合併団体よりも多く、類似団体平均を上回っている。前年度と比較し、11.8万円減少しているが、これは減価償却が進んだことが要因である。減価償却が進んでいることに伴い有形固定資産減価償却率も上昇し、類似団体平均を上回っている状態である。今後も、平成29年3月に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、他団体と比べて過大な公共施設量の圧縮を推進し、サービスの質を維持しつつ効果的・効率的な整備を進め、公共施設等の適正管理・適正配置に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

・純資産比率は類似団体平均を上回っており、将来世代が利用できる資産の形成が進んでいることがわかる。また、有形固定資産などに対する将来世代の負担(地方債残高)の割合を表す将来世代負担比率は、類似団体平均を下回っており、将来世代の負担が比較的低いことがわかる。これらは決算剰余金を活用した地方債の繰上償還を実施してきたことにより、地方債の償還が進んでいることが要因であると考えられる。今後も地方債の借入にあたっては、交付税算入の面で有利な地方債の活用を基本としながら、普通建設事業の精査を行い、繰上償還等も検討しながら借入額及び地方債残高の抑制に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

・住民一人当たり行政コストは類似団体平均を上回っている。行政コストの約44%を減価償却費や維持管理費を含む物件費等が占めており、保有する公共施設が多いことが要因と考えられる。今後も引き続き、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の縮減に努める。また、行政コストの約20%を占める社会保障給付費については、生活保護費や子ども・子育て支援新制度における認定こども園への給付費が主なものであるが、前年度から286百万円増加している。今後、児童数の減少が見込まれるものの、障害者自立支援費の増などもあり全体では同水準で推移することが見込まれることから、各種事業の見直しや定員管理計画に基づいた職員数の適正化を図り、必要な事業の峻別、経費の節減に努め、行政コストの縮減を行っていく。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

・住民一人当たり負債額は類似団体平均を上回っているが、平成30年度14.2ポイントの差があったが、令和元年度は2.9ポイントと負債の状況が大きく改善されている。これは、翌年度への繰越事業に係る未払金や債務負担行為に係る費用の計上方法を見直したことなどが要因で、負債合計額は前年度から7,973百万円減少となった。しかし、依然として類似団体平均を上回っているのは公共施設等建設・更新事業の財源としてきた地方債及び地方交付税の不足を補うための臨時財政対策債の残高が多いことが要因である。ただし、将来世代負担比率は類似団体平均を下回っており、地方債残高は多いものの、決算剰余金を活用した繰上償還により償還が進み、資産形成は進んでいる状況にあると考えられる。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を上回っている状況にある。経常収益のうち公営住宅使用料が約14.0%を占め、次いで、市周辺部において運営しているケーブルテレビの使用料が約12.7%を占めており、これらにより経常収益が類似団体より確保されていることから、類似団体平均を上回っているのではないかということが考えられる。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,