広島県安芸高田市の財政状況（2019年度）

目的別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり７７８千円となっている。上位５項目は民生費、公債費、総務費、土木費、教育費である。民生費は住民一人当たり２０４，１５３円となっており、平成２７年度から比較すると約１３．０％増加している。これは、人口減少対策として、子育て環境の充実に係る事業を重点的に取り組んできたことによる。公債費は住民一人当たり１１５，１８７円となっており、平成２９年度から比較すると約１４．０％減少しているが、依然として類似団体平均を上回る。過去に実施した大型建設事業に係る地方債の元金償還に伴い高い水準であるものの、繰上償還や利率見直しの効果により平成３０年度比較では約５．３％減少している。今後も新発債に係る事業は計画的にかつ必要最低限とし、繰上償還及び利率見直しを行うことで数値上昇の抑制に努める。総務費は住民一人当たり１１３，４４３円となっており、平成２７年度から比較すると約１７．４％増加している。主な要因は、ふるさと応援寄附金の増加やそれに伴いふるさと応援基金積立金の増加によるものである。土木費は住民一人当たり８７，６２６円となっており、平成２７年度から比較すると約４８．６％増加している。主な要因は、橋梁維持費といったインフラの維持経費、また地域高規格道路対策費や国道沿線活性化事業等の新規事業に係る経費である。教育費は住民一人当り６６，５６９円となっており、平成２７年度から比較すると約４１．８％増加している。主な要因は、第２期学校規模適正化推進計画に基づき、市内の小学校を再編する事業を推進しており、学校規模適正化に係る統合校の施設改修や学校施設環境改善事業の経費である。災害復旧費は、平成３０年７月豪雨災害の復旧事業により２年連続して大幅な増額となっている。

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり７７８千円となっている。上位５項目は人件費、公債費、物件費、普通建設事業費、扶助費である。人件費は住民一人当たり１２５，３４３円となっており、合併以降６年間の新規採用職の凍結、早期退職の促進に取り組み、定員適正化計画の数値目標以上の削減の効果により令和元年度は減少した。なお、平成３０年度は平成３０年７月豪雨災害の応急・復旧対応等により一時的に増加した。公債費は住民一人当たり１１５，１８７円となっており、平成２９年度以降減少しているが、依然として類似団体平均を上回る状況にある。過去に実施した大型建設事業に係る地方債の元金償還に伴い高い水準であるものの、繰上償還や利率見直しの効果により平成３０年度比較では約５．３％減少している。今後も新発債に係る事業は計画的かつ必要最低限とし、繰上償還及び利率見直しを行うことで数値上昇の抑制に努める。物件費は住民一人当たり１１２，５１２円となっており、平成２７年度から比較すると約６．４％増加している。類似団体平均を上回る状況にあるが、業務の民間委託を推進するため、今後も高い水準が続くことが想定される。普通建設事業費は住民一人当たり１０２，１４７円となっており、平成２７年度の合併以降の大型建設事業縮小時期と比較する大幅に増加している。これは国道沿線活性化事業等の新規事業、学校施設環境改善事業や支所移転等が重なったことによるものである。扶助費は住民一人当たり９２，３８４円となっており、平成２７年度から比較すると約１１．０％増加している。令和元年度は、公立保育所３か所を統合すると伴に民設民営の手法により「幼保連携型認定こども園」を創設したことで保育所等給付費等が増加している。災害復旧事業費は、平成３０年７月豪雨災害の復旧事業により２年連続して大幅な増額となっている。

施設情報の分析欄

類似団体と比較して有形固定資産減価償却率（以下「減価償却率」という。）が同程度あるいは高くなっている施設は、道路、認定こども園・幼稚園・保育所（以下「保育所等」という。）、学校施設、公営住宅である。道路については、集落が点在している中山間地域の特性として、平成１６年３月の合併以前から現在までの間、新設改良を積極的に実施している。したがって、一人当たり延長も類似団体と比較して約２倍となっている。今後、老朽化の進行に伴う減価償却率の上昇が懸念されるため、国土交通省等の情報を注視し、社会資本整備総合交付金等を活用しながら減価償却率の上昇抑制に努める。保育所等については、１０園のうち、建築から１５年以下が１園のみで、６園が建築から３１年以上経過しているため、減価償却率が８３．４％となった。平成２９年３月策定の個別施設計画等に基づき、３１年以上経過の６園のうち３園については平成３０年度末で廃止し、私立認定こども園に移行した。その他の保育所等についても集約化等を検討しており、減価償却率は下降すると想定される。学校施設については、平成３０年度に小学校を統合したため減価償却率が減少した。令和元年は高宮町の小学校の規模適正化のため大規模改修を実施した。今後も、平成２８年３月に改定した「第２期学校規模適正化推進計画」に沿って取組を進める。公営住宅については、昭和５６年の新耐震基準制定以前に建築された住戸が約４割を占めており、減価償却率が７８．８％となった。平成２４年４月策定、平成２６年３月改訂の公営住宅等長寿命化計画に基づいた大小規模修繕、用途廃止等の維持管理を適切に進める。

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率（以下「減価償却率」という。）が高くなっている施設は、一般廃棄物処理施設、福祉施設、消防施設である。一般廃棄物処理施設については、焼却施設が平成７年度の稼働開始から２０年以上が経過しており、減価償却率が７７．０％である。老朽化した施設の延命化の方針決定を行い、減価償却率の上昇を抑えるため、継続的に検討する。福祉施設については、全てが建築から１０年以上経過しており、その殆どが建築から３１年以上経過しているため、減価償却率が６９．６％となった。平成２９年３月策定の個別施設計画等（以下「計画等」という。）に基づいた維持管理を適切に進め、上昇抑制に努める。消防施設のうち消防団施設については、約半数が築２０年以上経過しており、消防本部（消防署）については築４０年以上経過しているため、減価償却率は７３．４％となった。地域防災力の中核的な役割を担うことから、その活動拠点である消防団施設は計画等に基づき、建替え、大小規模修繕といった長寿命化を基本とし、消防本部（消防署）についても、消防団施設同様、長寿命化を基本とすることで、老朽化対策に取り組んでいくこととしている。なお、保健センター・保健所、福祉施設を除いた類型全てにおいて、一人当たり面積が類似団体と比較して高くなっているが、維持管理に係る経費の増加に留意しつつ、引き続き、各類型のサービスに積極的に取り組んでいく。

1.資産・負債の状況

2.行政コストの状況

3.純資産変動の状況

4.資金収支の状況

1.資産の状況

2.資産と負債の比率

3.行政コストの状況

4.負債の状況

5.受益者負担の状況