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地方財政ダッシュボード

島根県美郷町の財政状況(2019年度)

🏠美郷町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

人口密度の低い中山間地域にある典型的な過疎の町であり、町内に中心となる産業がないため財政基盤が弱く、全国・県平均を下回っている。全国的には景気の改善が見られるが、地方においてはこの傾向が見られず未だ低迷していることから税収の増が見込めないため、より効率的な予算の編成と執行が求められる。平成30年度から基準財政収入額が増加し、基準財政需要額が減少しているため財政力指数は微増となった。令和2年度からは合併算定替終了の為、同様の開きが拡大し、将来的に微増する傾向となる。

経常収支比率の分析欄

過疎地域であるが故にインフラ整備が遅れ、また財政基盤も弱いため投資的経費への地方債活用は欠かせず、公債費に係るものが29.9%と最も高い。平成28~29年度借入の過疎辺地債が据置期間終了により公債費が増大することと、会計年度任用職員となった人件費部分が過去物件費として計上していた所を、人件費として計上することにより、令和2年度は増加する見込み。近い将来に100%を超えないために経費削減を心掛ける必要が有る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

小規模自治体同士での市町村合併であったため、類似団体と比較しても職員数が多いこと、また行政区域が広いこともあり、人件費・物件費は割高である。人件費については、類似団体と比較しても高い方ではないが、令和2年度からは会計年度任用職員導入によって物件費であった臨時嘱託職員の賃金が人件費に変更する為、人件費の割合が増大する見込み。前年度の決算状況を予算編成時に確認し、不用な支出を抑える指導をすることにより、物件費の抑制に努めて歳出を縮減していきたい。

ラスパイレス指数の分析欄

平成16年度の市町村合併による給与構造の見直し、平成18年度の地域給与の導入、また平成17年度より断続的に実施している給与カットを廃止したため類似団体水準を超過した。国、類似団体及び地域民間企業の平均給与の状況を踏まえ、給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

小規模自治体同士での市町村合併であったこと、また行政区域が広いこともあり合併時の職員数は非常に多かった。このため行財政改革大綱を基に人員の削減に取り組み平成16年度からの5年間で34名(143名→109名)を削減した。これは積極的な退職勧奨を行い、概ね退職者5名に対し1名採用を取り組んだ成果である。また、第2次定員適正化計画を策定し、平成27.4.1で88名にするという目標を掲げて努力した結果、達成することが出来た。それ以降に大きな職員数の変動は無いが、人口減少によって職員比率が増加する傾向にある。事業量と町の全体的な規模を鑑みながら、適正な人員配置に務める。

実質公債費比率の分析欄

類似団体平均を大きく上回ってはいるが、合併直後の危機的な状況は脱し、平成17年度より策定した公債費負担適正化計画に基づき、目標としていた18.0%を下回り許可団体から協議団体となることができた。令和元年度についても0.1%減少と緩やかに回復している状況であるが、令和2年度においては起債の借入額は急上昇しているため、悪化する見込みだが、それ以降については起債発行予定は無いため、引き続き事業の抑制をしていきたい。

将来負担比率の分析欄

辺地対策事業債、過疎対策事業債、合併特例事業債等の交付税措置率の高い地方債を優先的に活用していることと、公営企業債の減少によって今年度は2%減少した。しかしながら充当可能の基金が今後取り崩さざるを得ない状況に陥っているため、将来負担比率は今後上昇する見込み。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

類似団体平均と比較すると、人件費に係る経常収支比率は低くなっている。戸籍・税・ゴミ処理業務等を一部事務組合で行っていることが要因として挙げられる。一部事務組合の人件費分に充てる負担金や公営企業会計の人件費に充てる繰出金といった人件費に準ずる費用を合計した場合の人口1人当たりの歳出決算額は決して低くないため人件費関係全体について削減に努める。

物件費の分析欄

近年は類似団体平均と同様に横ばい傾向である物件費であるが、令和2年度からは物件費に計上していた臨時嘱託職員の賃金を人件費として計上する事から減少する見込み。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率が、類似団体平均を上回っている要因として、権限移譲により、平成21.4.1から福祉事務所を設置していることが挙げられる。生活保護費については資格審査等の適正化や各種手当への特別加算等の見直しを進めていくことで、財政の圧迫傾向に歯止めをかけるよう努める。

その他の分析欄

経常収支比率に占める割合は0.5%減少した。全国平均を上回ってからの現状維持となっている。下水道事業については経費を節減するとともに、独立採算の原則に立ち返った料金の値上げによる健全化、国民健康保険事業会計においても国民健康保険料の適正化を図ることなどにより、税収を主な財源とする普通会計の負担額を減らしていくよう努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は昨年度に引き続き、類似団体平均を下回る結果となった。決算額は4百万円の減額となった。今後も補助金を交付するのが適当な事業を行っているのかなどのチェックを強化して、不適当な補助金の見直しや廃止をし、さらなる歳出削減に努める。

公債費の分析欄

過疎という条件不利地域内で合併した町村それぞれが発行した地方債を引き継いだことにより地方債残高が大きく、積極的な繰上償還(平成16~平成22で約722百万円)を行ったものの地方債の元利償還金が膨らんでおり類似団体中最下層となっている。令和元には新可燃ごみ処理施設の更新負担金や大和荘建替といった規模の大きな事業の借入を行ったことにより公債費は増加する。よって事業の緊急性及び有効性を確実に見極め、安易に地方債に頼ることのないよう努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常収支比率は類似団体平均を5.2%下回っており全国及び県平均と比較しても上位の水準にある。これは扶助費を抑制したこと、また依然として補助費等が低く抑えられていることが要因として挙げられる。今後も、上昇傾向にある歳出の抑制を図り水準を維持できるよう努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・民生費は住民一人当たり281,207円となっており、類似団体に比べて高いものの、昨年度から32,441円減少した。要因としては、都賀保育園建て替え費用の補助金が平成30年度にあったことと、国保会計への繰出金を基金として積み立てたことによって令和元年度から皆減したことによる。総務費は住民一人当たり391,870円と昨年比124,710円の増額となった。これは大和荘建替え事業によるもの。農林水産業費は住民一人当たり91,913円と昨年比49,427円の減額となった。これは平成30年度まで行っていたハウス整備事業の終了によるもの。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

・歳出決算総額は、住民一人当たり1,498,110円となっている。主な構成項目となってきた普通建設事業費(うち更新整備)が昨年度から68,066円の増となり、上昇傾向が続き令和元年度から類似団体平均を超えた。これは平成30年度から繰越した道路改良事業によって増加。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

財政調整基金の残高は、H29年度まで積み立てを行えていたが、H30年度から取り崩さざるを得ない状況に陥り、R元年度では77百万円を取り崩し1,074百万円となった。実質単年度収支は、基金を取り崩さざるを得ない状況になる程悪化傾向であり、一般財源の持ち出しが増加することによりマイナスが継続する結果となった。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

連結実質赤字比率は全ては黒字となった。普通会計である住宅新築資金及び君谷診療所特別会計は、一般会計からの繰出金額を歳出決算額に合わせて調整しているため毎年ゼロ円決算となる。上記以外の特別会計についても、一般会計からのいわゆる赤字補填的な繰出金により黒字決算となっている。特別会計はその性格上、独立採算性を求められるものであるため、経費節減やサービスの対価の適正化を図り普通会計の負担額軽減に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

元利償還金については、町村合併を経て、繰上償還(722百万円)により公債費の軽減を図ってきたが、近年の普通建設事業費の増加に伴い上昇傾向にある。交付税算入率の高い地方債(辺地・過疎・合併特例)の活用や充当可能な特定財源を確保した上で普通建設事業を実施しておりR元年度は実質公債費比率を減少(11.8%)することが出来た。しかし単年度の実質公債費率では起債の借入総額の増加によって増加傾向にある。今後も地方債の発行を抑制し、比率の低下に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

地方債については、原則として交付税措置されないものについては可能な限り発行しないこととしている。しかし残高はH30年度までは減少傾向にあったものの、R元年度からは新可燃ごみ処理施設の更新負担金や大和荘建替え事業によって増加した。充当可能基金については、決算剰余金や歳出削減等で発生した留保財源を積極的に積み立てることにしているが、財政調整基金の取り崩しに押され、減少した。中期財政計画上、後年度から基金の取り崩しが続く為、将来負担比率の上昇が見込まれるが、今後も引き続き100%以下を保てるよう努力する。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)特定目的基金は地域公共交通維持確保基金に三江線代替交通負担金を積立して増、財政状況悪化におる財政調整基金の取り崩し、地方債償還に対する減債基金の取り崩しを行ったが全体的に基金額は20百万円増加した。(今後の方針)社会情勢による事業需要の増と交付税の減額により、継続的に取り崩しを行う見込み。

財政調整基金

(増減理由)普通交付税算定替により縮減を受けたことによる歳入の減等により17百万円の取り崩しを行った。(今後の方針)社会情勢による事業需要の増と交付税の減額により、継続的に取り崩せざるを得ない見込み。

減債基金

(増減理由)地方債の据え置き期間終了による地方債償還額の増により取り崩しを行った。(今後の方針)据置期間が終了する起債の償還開始により、今後も継続して取り崩しを行う見込み。

その他特定目的基金

(基金の使途)地域振興基金:町民の連帯強化及び地域振興に資する事業公共施設維持管理基金:公共施設の維持管理費地域公共交通維持確保基金:三江線代替交通を含めた地域公共交通の維持確保及びJR三江線の跡地、施設等の有効活用電算機器管理基金:電算機気の維持、管理、更新地域福祉振興基金:地域福祉の振興及び高齢者保健福祉の振興のための事業(増減理由)公共施設維持管理基金:毎年度施設の大規模修繕を行うため、定量的な取り崩しを行う地域公共交通維持確保基金:三江線代替交通導入費負担金の積立地域福祉振興基金:こども医療費助成事業等に対する充当(今後の方針)社会情勢による事業需要の増と、交付税の減額により令和元年度以降もほぼすべての特定目的基金の継続した取り崩しを行う見込み

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

高度経済成長期に類似団体と同程度整備しており、かつ維持・修繕・改良事業も類似団体と同等に行っており、類似した推移で減価償却率が増加している。平成30年度に台帳の誤りを修正したため、一時的に減少しているように見えるが、実際は毎年度増加しており、令和元年度も同様の推移で上昇している。老朽化が進む施設については建て替えを検討しているが、費用が多額なことと、財源が有利なものが無く、最終的に基金の取り崩しを行い更新を行えば将来負担比率の増加は逃れられない。

債務償還比率の分析欄

類似団体と比較して当町は地方債残高が高いため債務償還比率が高いが緩やかに減少した。しかし令和2年度以降に大和荘建替やごみ処理施設の更新により多額の起債を発行する為、実質公債費率は大幅に増加する。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が低いのは、市民会館と図書館を新しく立て直したことが大きな要因。固定資産台帳の修正をしたため、一時的に減少しているように見えるが、実際は毎年度増加している。H30年度から基金の取崩が加速してきたことにより、今後はより将来負担比率が上昇していく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は償却分を上回る起債を行っていないことから年々減少しているが、令和2年度以降は大和荘の建替え事業等多額の起債を借り入れるため、増加する見込み。また財政状況に悪化を補うために基金を取り崩すことによって将来負担比率は増加している。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

美郷町は一級河川江の川が通っており、それにつながる支流が多いことから橋梁が比較的多い。道路の一人当たり延長が多い理由としては、年々人口が減少していることによって人口密度が低いことと、合併したことによる面積増加が主な要因となる。公民館は廃校になった小学校を利用する事等により大半の施設の建設年数が古く、耐用年数が過ぎている建物も少なくない。学校施設の減価償却率の上昇率が増加したのは、固定資産台帳の計上に誤りがあったことによる。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

図書館及び市民会館については平成27年度に建て替えを行っているため減価償却率は低い。一般廃棄物処理施設及び消防施設が類似団体と比較して減価償却率が高い。一般廃物処理施設については現在新施設建設中のため建設後減少見込みである。消防施設は各地域分団の消防車車庫であり、大半が耐用年数を過ぎた状態である。平成30年度の体育館・プールの減価償却率が微減しているが、改修を行ったわけではなく、固定資産台帳の修正を行ったことによる。

財務書類に関する情報①(2019年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

資産は減価償却の増加により減少、負債は地方債の発行増(旧大和荘建替事業、ごみ処理施設負担金)により増加した。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

経常費用の移転費用の内、補助金額が令和元年度に大きく減少した。大きな要因は平成30年度に支出した保育所の建設費負担金が皆減したことによる。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

平成30年度は立竹木の見直しによる資産額の減少があったため大きく減少している。令和元年度は普通交付税の合併算定替最終年度であるため、大きく歳入部分が減少した。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計の財務活動収支がマイナスから162百万円のプラスとなったが、元利償還金の支払い以上に地方債の発行を行った事による。投資活動収支のマイナスが増加したのは、三江線代替交通運営費用協力金を基金に積み立てたことによる。業務活動収支が大きく増加したのは平成30年度に支出していた保育所建設負担金が皆減したことによる。

財務書類に関する情報②(2019年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

人口の減少が目まぐるしく、一人当たりの資産額に影響を及ぼしているが、減価償却率も同様に増加していることにより類似団体平均とみて大きく乖離する部分は見られない。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

減価償却累計による資産の減少と、地方債の発行増加による残高増により将来世代に対する負担が増加している。しかし、地方債の中には交付税措置のある地方債も含まれているため、その部分を加味するとこの指標の数値は高くなる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

平成30年度にあった保育所建設負担金の皆減による経常経費の減少と、三江線代替交通運営費用協力金の増加による経常収益の増加により、令和元年度の行政コストは減少した。しかしどちらも一過性によるものであるため、今後は類似団体平均と同様に上昇する傾向にある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

地方債の発行増により負債額が大きくなっている状況となった。類似団体と比較しても高い水準であるため、今後地方債の発行を抑制していく必要が有る。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

三江線代替交通運営費用協力金(194百万円)が令和元年度に歳入としてあったため、経常収入が増加し受益者負担比率は前年比大きく上昇した。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,