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地方財政ダッシュボード

島根県美郷町の財政状況(2020年度)

🏠美郷町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

人口密度の低い中山間地域にある典型的な過疎の町であり、町内に中心となる産業がないため財政基盤が弱く、全国・県平均を下回っている。全国的には景気の改善が見られるが、地方においてはこの傾向が見られず未だ低迷していることから税収の増が見込めないため、より効率的な予算の編成と執行が求められる。

経常収支比率の分析欄

過疎地域であるが故にインフラ整備が遅れ、また財政基盤も弱いため投資的経費への地方債活用は欠かせず、公債費に係るものが28.6%と最も高い。会計年度任用職員を臨時的な物件費から経常的な人件費に性質を変更したことから令和2年度で大きく増加する見込みであったが、新型コロナウイルス感染症により事業実施が出来なくなったことや、テレワークなどの普及により、事業費や旅費等の物件費を削減したことにより微増と抑えられた。近い将来に100%を超えないために経費削減を心掛ける必要が有る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

小規模自治体同士での市町村合併であったため、類似団体と比較しても職員数が多いこと、また行政区域が広いこともあり、人件費・物件費は割高である。令和2年度には新型コロナウイルス感染症対策に係る物件費の増加があったものの、類似団体も同様に上昇となっている。令和3年度も同様な数値となる見込みであるが、効率的な業務運営を引き続き推進し、物件費の抑制に努めて歳出を縮減していきたい。

ラスパイレス指数の分析欄

国人勧と同水準の給与表を維持しているため、近年の変化は特にない。国、類似団体及び地域民間企業の平均給与の状況を踏まえ、給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

第2次定員適正化計画を策定し、平成27.4.1で88名にするという目標を掲げて努力した結果、達成することが出来た。それ以降に職員数の変動は無いが、人口減少によって職員比率が増加する傾向にある。事業量と町の全体的な規模を鑑みながら、適正な人員配置に務める。

実質公債費比率の分析欄

類似団体平均より上回ってはいるが、緩やかに回復傾向にある。令和2年度においては起債の借入額は急上昇しているため0.6%悪化した。同様に令和3年度も令和2年度からの繰り越し事業(防災拠点整備事業、IP告知端末整備事業)と新可燃ごみ処理施設整備事業によって通常以上の借入を行う見込み。令和4年度以降については大きな起債発行予定は無いため、引き続き事業の抑制をしていきたい。

将来負担比率の分析欄

辺地対策事業債、過疎対策事業債、合併特例事業債等の交付税措置率の高い地方債を優先的に活用しているものの、充当可能基金が減少したことにより今年度は3.2%増加した。しかしながら充当可能の基金が今後取り崩さざるを得ない状況に陥っているため、将来負担比率は今後上昇する見込み。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

類似団体平均と比較すると、人件費に係る経常収支比率は低くなっている。主な理由としては戸籍・税・ゴミ処理業務等を一部事務組合で行っていることが要因として挙げられる。一部事務組合の人件費分に充てる負担金や公営企業会計の人件費に充てる繰出金といった人件費に準ずる費用を合計した場合の人口1人当たりの歳出決算額は決して低くないため人件費関係全体について削減に努める。

物件費の分析欄

会計年度任用職員部分を令和元年度までは物件費で計上していたが、令和2年度に人件費に性質を変更したため物件費は減少した。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率が、類似団体平均を上回っている要因として、権限移譲により、平成21.4.1から福祉事務所を設置していることが挙げられる。近年は年齢構造の変化によって扶助費は微減している。生活保護費については資格審査等の適正化や各種手当への特別加算等の見直しを進めていくことで、財政の圧迫傾向に歯止めをかけるよう努める。

その他の分析欄

経常収支比率に占める割合は0.3%増加した。全国平均を上回ってからの現状維持となっている。下水道事業については経費を節減するとともに、独立採算の原則に立ち返った料金の値上げによる健全化、国民健康保険事業会計においても国民健康保険料の適正化を図ることなどにより、税収を主な財源とする普通会計の負担額を減らしていくよう努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は昨年度に引き続き、類似団体平均を下回る結果となったが、0.7%上昇した。上昇した理由はごみ処理施設の負担金が建替えにより上昇したことによる。同様に令和3年度も上昇する見込み。

公債費の分析欄

過疎という条件不利地域内で合併した町村それぞれが発行した地方債を引き継いだことにより地方債残高が大きく、積極的な繰上償還(平成16~平成22で約722百万円)を行ったものの地方債の元利償還金が膨らんでおり類似団体中高い数値となっている。令和2年度から3年度に大和荘建替事業から新可燃ごみ処理施設の更新負担金等の大きな事業の借入を行ったことにより将来的に公債費は増加する。よって事業の緊急性及び有効性を確実に見極め、安易に地方債に頼ることのないよう努める。

公債費以外の分析欄

前年度比1.6%増加した。類似団体平均よりは低いものの、令和2年度に近づいた。新型コロナウイルスの影響により事業実施状況が大きく変動したことによるものが大きいが、今後も上昇する人件費も鑑みて改めて支出内容の精査及び改革に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

衛生費の上昇は新可燃ごみ処理施設の更新に係る負担金による増加。総務費が大きく上昇している理由は特別定額給付金が主で、旧大和荘の建替やIP告知端末の更新によって増加している。消防費は防災拠点整備事業によって増加。農林水産業費は集落営農育成事業の減と林道信喜線改良事業の減によって類似団体以下となった。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

補助費が多く増加した理由は、特別定額給付金によるものが大きいがその他に新可燃ごみ処理施設の更新負担金とみさととPay(町内通貨カード)導入によるものがあるため、類似団体以上に増加する形となった。普通建設事業費も増加しているが、これは防災拠点整備事業(主要施設に太陽光パネル及び蓄電池の導入)によるもので、類似団体以上に上昇している。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

令和2年度は通常の運営であれば財政調整基金を取り崩し、実質単年度収支はマイナスとなる見込みであったが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う交付金と、通常支出する業務の縮減や効率化により財政調整基金の取り崩しを行わない運営が可能となった。令和3年度も同様の状況となっているため、令和2年度に単年度収支は向上する見込みであるが、従前の状況に戻った時には基金全般の取り崩しが加速する見通し。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

連結実質赤字比率は全ては黒字となった。普通会計である住宅新築資金及び君谷診療所特別会計は、一般会計からの繰出金額を歳出決算額に合わせて調整しているため毎年ゼロ円決算となる。上記以外の特別会計についても、一般会計からのいわゆる赤字補填的な繰出金により黒字決算となっている。特別会計はその性格上、独立採算性を求められるものであるため、経費節減やサービスの対価の適正化を図り普通会計の負担額軽減に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

交付税算入率の高い地方債(辺地・過疎・合併特例)の活用や充当可能な特定財源を確保した上で普通建設事業を実施しているが、交付税措置率が高かった起債の償還終了と交付税措置の無い公共事業等債の発行により実質公債費比率の分子が微増している。今後も地方債の発行を抑制し、比率の低下に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

地方債については、原則として交付税措置されないものについては可能な限り発行しないこととしている。しかし残高は令和元年度からは新可燃ごみ処理施設の更新負担金や大和荘建替え事業、令和2年度からは防災拠点整備事業、IP告知端末更新事業によって増加した。令和3年度に繰越を行っているため、地方債現在高は増加する見込み。充当可能財源の基準財政需要額算入見込額は多くの起債を発行しているものの、交付税措置率の高いものを選択しているため、増加している。中期財政計画上、後年度から基金の取り崩しが続く為、将来負担比率の上昇が見込まれるが、今後も引き続き100%以下を保てるよう努力する。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)元利償還金に対する減債基金の取り崩しにより基金全体額は46百万円減少した。しかし当初の予定では財政調整基金を200百万円程度取り崩す見込みであった所が、取崩を行う必要が無くなったのは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う交付金の増加や事業の縮減、効率化による。(今後の方針)令和3年度も令和2年度と同様な状況であるため、基金の取り崩しは行わずに町政の運営は可能である見込みである。よって基金の残高は維持若しくは増加する。

財政調整基金

(増減理由)増減無し。(今後の方針)令和3年度も同様に取崩を行わない見込み。

減債基金

(増減理由)元利償還金に対して取り崩しを行った。(今後の方針)今後も継続的に取崩を行う必要が有る。

その他特定目的基金

(基金の使途)地域振興基金:町民の連帯強化及び地域振興に資する事業公共施設維持管理基金:公共施設の維持管理費地域公共交通維持確保基金:三江線代替交通を含めた地域公共交通の維持確保及びJR三江線の跡地、施設等の有効活用電算機器管理基金:電算機気の維持、管理、更新地域福祉振興基金:地域福祉の振興及び高齢者保健福祉の振興のための事業(増減理由)公共施設維持管理基金:毎年度施設の大規模修繕を行うため、定量的な取り崩しを行うがんばれ美郷町寄付基金:寄付金の積立地域福祉振興基金:こども医療費助成事業等に対する充当取崩(今後の方針)社会情勢による事業需要の増と、交付税の減額により令和2年度以降もほぼすべての特定目的基金の継続した取り崩しを行う見込み

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

令和元年度から令和2年度に向けて0.8%増加した。更新した建物以上に、経年の償却が進んだことによる増加。類似団体と比較して減価償却率は低いが、多く差がついているわけではないため、公共施設総合管理計画に基づき適切な建物の更新及び統廃合を行っていく必要が有る。

債務償還比率の分析欄

令和元年度までは減少傾向であったが、令和2年度に46.8%増加した。これは令和2年度の地方債発行額が平成29年から令和2年の間でも最大となる16億に上り、地方債現在高が増加した為増加。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

減価償却率と共に将来負担比率も増加の一途をたどっている。類似団体よりも減価償却率が低く、伸び率も健全な水準である。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

両比率共に緩やかな増加傾向となっている。類似団体よりも圧倒的に実質公債費比率が高い水準にあるため、地方債の発行額を減少していく必要が有る。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

減価償却率が類似団体を大きく超えているのは公民館と学校施設であり、公民館は86.5%と9割近い償却率となっている。学校施設は年数経過に伴い類似団体との乖離幅が広がっている。減価償却率が高いことで施設が利用者において不利益が無いよう注視していかなければならない。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

一般廃棄物処理施設の減価償却率が大きく減少した理由は、邑智郡3町で使用ししているごみ処理施設の更新を行った為。消防施設と体育館・プールの減価償却率が8割近くに上っているため、施設の計画的な更新や集約化、除却を行っていく必要がある。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

令和元年度から令和2年度に一般会計等及び全体会計の資産は減少し、負債が増加した。しかしながら、平成29年度から令和元年度への資産減少率と比較すると緩やかな資産減少率に抑えられた。連結の資産が増加した理由は島根県市町村総合事務組合が基金を積み立てたことによる。連結の負債が大きく増加した理由は退職手当引当金の増による。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

経常費用の移転費用の内、補助金額が令和2年度に大きく減少した。大きな要因は新型コロナウイルスによる各費用の減と交付金新設による。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

令和元年度から令和2年度に連結の本年度差額と本年度純資産変動額がプラスに転じた。これは邑智郡総合事務組合がごみ処理施設の更新を行ったことによる資産の増加が影響している。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

連結の業務活動収支が大きく増加した理由は、邑智郡総合事務組合の業務収入が約497百万円増加したため。連結の投資活動収支が大きく減少した理由は、邑智郡総合事務組合の公共施設等整備費支出が約723百万円増加したため。どちらも共同のごみ処理施設の更新による変動。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

人口の減少が目まぐるしく、一人当たりの資産額に影響を及ぼしているが、減価償却率も同様に増加していることにより類似団体平均とみて大きく乖離する部分は見られない。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

減価償却累計による資産の減少と、地方債の発行増加による残高増により将来世代に対する負担が増加している。しかし、地方債の中には交付税措置のある地方債も含まれているため、その部分を加味するとこの指標の数値は高くなる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

新型コロナウイルス感染症による臨時交付金の事業を行ったことにより、純行政コストは大きく増加し、また人口の継続的な減少によって住民一人当たり行政コストは増加した。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

令和2年度には過疎債を約12億借入れたため、負債額が大きくがなり、例年と比較して増加した。主に大和荘建替事業とごみ処理施設の更新負担金による。類似団体と比較して高い水準であるため、今後地方債の発行を抑制していく必要が有る。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

三江線代替交通運営費用協力金(194百万円)が令和元年度に歳入としてあったが、令和2年度は無いため経常収益が減少し、経常費用が増加したため受益者負担比率が減少した。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,