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地方財政ダッシュボード

奈良県十津川村の財政状況(2021年度)

🏠十津川村

地方公営企業の一覧

簡易水道事業


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2021年度)

財政力指数の分析欄

人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(令和3年10月1日現在、45.8%)に加え、村内に中心となる産業がないため財政基盤が弱く、類似団体平均を下回る年度が多い状況。今年度は村民税の減などで、前年度から0.01減少し、類似団体平均と同率であった。平成29年度に実施した組織の見直し(9課、1室、1事務所体制から2課減の7課、1室、1事務所体制)による、事務効率化の成果が表れつつある中で、十津川村総合計画の重点プロジェクト推進に努め、活力あるむらづくりを展開することで、財政の健全化を図る。

経常収支比率の分析欄

近年、学校建設に伴う公債費の増加と、簡水特別会計への繰出金の増加により、経常収支比率は類似団体平均を上回り、平成29~令和01は悪化していた。昨年度から今年度にかけて、経常一般財源である普通交付税の増額などにより、前年度から7.1%改善したものの、依然として類似団体平均よりも高くなっている。今後は、十津川村公共施設等総合管理計画に基づき、令和27年度までに公共建築物の延べ床面積の約9%を減少させるなど、事業の見直しを進めるとともに、すべての事業の優先度を厳しく点検し、優先度の低い事業については、計画的に廃止・縮小を進め、経常経費の削減を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均を上回っているのは、人口の減少が3%を超えていることと、本村の面積が広いことが要因である。人件費においては、主に各地域に点在する施設や道路の管理などに対する経費が嵩んでいること、物件費においては、主に各地域を結ぶバスの運行やごみ収集などの業務の委託経費が嵩むことによる。経年の比較においては、人口が減少しているのに対して、合計額の減少が限定的にあることから、施設の廃止など事業の見直しを進め、コストの縮減を図っていく必要がある。

ラスパイレス指数の分析欄

過去から概ね横ばいで、類似団体平均と比較して1.8ポイント程度低い水準で推移していたが、昨年度に職員の年齢構成の分布に変動があり、管理職の減により更に減少した。今年度は昨年度と同水準で類似団体平均との差が開いている。今後、適正な給与水準に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

ごみ・し尿収集の民間委託等は行っているものの、人口が減少し続けていることと、村の面積が広大で、類似団体平均と比較し、保育所やそれ以外の公共施設の管理に対して多くの人員を配置する必要があることから平均を上回っている。今後は、平成29年度中に実施した組織の見直しによる、事務の効率化を更に進めるとともに、十津川村公共施設等総合管理計画による施設の削減などにより適切な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

平成29年度まで類似団体平均を下回る傾向が続いていたが、平成22~23年度の中学校建設に係る地方債の償還に伴い上昇しており、平成30年度には類似団体平均を上回り、今年度は7.9%となっている。令和5年度が地方債の償還額のピークとなる予定であり、大規模な事業計画の整理・縮小を図るなど、地方債依存型の事業実施を見直したい。

将来負担比率の分析欄

平成22~23年度の中学校建設、平成27~28年度の小学校建設による地方債残高の増並びに財政調整基金及び減債基金の取り崩しにより類似団体平均を上回ってきたが、地方債の発行抑制と償還に伴い、将来負担額が減少したことで前年に引き続きマイナスとなった。今後も地方債の発行を伴う事業の見直しを中心とする行財政改革を進め、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は、例年、類似団体平均と比べて低い水準にあったが、平成29年度以降、専門職員の採用などにより、元年度は、類似団体平均を一時的に上回った。それ以降は、平成29年度中に実施した組織の見直しによる事務の効率化の効果が表れつつあることから、今後の人件費の削減につなげたい。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率が類似団体平均に比べ大きく高止まりしているのは、類似団体平均と比較し、本村が村営バスの運行や、ごみ・し尿収集を委託していることによるものである。昨年度から賃金が廃止となったことにより指標は改善しているが、事業内容の精査など見直しによるコスト削減が必要となっている。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は、類似団体平均を下回る傾向にある。今後とも適切な支出と見直しを進めていきたい。

その他の分析欄

前年度まで、その他に係る経常収支比率が例年類似団体平均を上回っていたのは、繰出金が主な要因であり、特に簡易水道事業への繰出金が増加している。3年度は道路補修の維持補修費が多少減少し類似団体を下回った。今後、簡易水道事業については経費を節減するとともに、独立採算の原則に立ち返った料金の値上げによる健全化を目指すことなど、地方交付税を主な財源とする普通会計の負担額を減らしていくよう努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率が類似団体平均を下回っており、平成29年度を境に減少傾向にある。前年度からは予算の組替を行い、元年度まで積立金に充てていた特定財源を補助費の事業費に充当するなどしたため、元年度までに比べ一般財源による経常経費が減少した。全体では依然として、奈良県広域消防組合等への負担金が多くを占めている。今後は村で実施する事業において、必要性の低い補助金は見直しや廃止を行う方針である。

公債費の分析欄

平成22~28年度の学校統合による建設事業が集中したことにより、地方債の元利償還金が膨らんでおり、公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を2.6ポイント上回っている。今後も据置期間が終わる地方債の償還で増加見込であり、ピークは令和5年度になると見込まれ、それまでは厳しい財政運営となることが予想されるため、新たな施設整備や道路建設の精査など、地方債の新規発行は慎重に検討していく。

公債費以外の分析欄

例年公債費以外に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っていたが、2年度から改善傾向がみられ、3年度は類似団体平均を下回った。経常一般財源である普通交付税の増額等により、指標が改善している。今後は各費目において事業の見直しが必要となっている。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

農林水産業費は、住民一人当たり243,742円と類似団体平均を大きく上回っている。これは本村が森林資源を活かした林業の6次産業化による村づくりを推進していることによる。それ以外に土木費は、住民一人当たり309,366円となっており、類似団体平均を上回っている。これは本村が、広い面積を持つため、道路などの施設の維持管理に経費が嵩むことによる。教育費については、令和元年度には小学校の改修工事、2年度は小・中学校のPC整備、村史の発行があり、比較すると減少となっている。消防費が急増しているのは、五條消防十津川分署の建設負担金が高額であったことによる。公債費においても増加が進んでいることから、今後の適正な歳出を心がけていきたい。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

普通建設事業費は住民一人当たり575,554円となっており、類似団体平均と比較して一人当たりのコストが高い状況となっている。これは、本村の広い面積をカバーする道路などの施設を維持するための経費がかかっていることによる。普通建設事業費(新規)は、村営住宅の建設、災害対策本部設計、道路開設工事などにより増加した。人件費は316,006円となっており、類似団体平均と比較して高くなっている。これは本村が人口が低く推移していることに加え、面積が広大であることにより人員が必要であることに起因していると考える。扶助費については、令和3年度は子育て世帯や非課税世帯に対する臨時特別給付金事業があり増加しているが恒常的なものではないので、翌年度翌々年度は減少すると考えられる。積立金については、消防署が奈良県全域の広域消防組合になったことにより、五條区分消防職員退職手当負担金基金積立金が3年度から無くなったことにより減少している。貸付金については、森林組合に対する貸付事業があるため、類似団体平均と比べて大きくなっている。それ以外の経費も、補助費等、災害復旧事業費、積立金、投資及び出資金を除く経費において類似団体平均を上回るなど、一人当たりのコストが高い。今後、公共施設等統合管理計画や、橋梁の長寿命化計画などに基づき、経費縮減に向けた取り組みを進めるとともに、適正な歳出を心がけていきたい。

実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)

分析欄

平成28年度以降財政調整基金の取り崩しによる財政運営が続いたが、今年度は地方交付税の増加があり、取り崩しを回避できた。取り崩しは回避したが、標準財政規模が若干増加したため、基金の標準財政規模比は減少している。実質単年度収支は6年連続マイナスとなっていたが、交付税の増額などによりプラスに転じている。自主財源については歳入の大幅な改善は見込めないことから、事業見直しなど歳出の削減を進め、健全な行財政運営に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)

分析欄

連結実質赤字比率は全会計において黒字であるため赤字額は計上されていない。しかしながら診療所事業特別会計、簡易水道事業特別会計、十津川温泉事業特別会計、湯泉地温泉特別会計は、人件費、公債費などの支出を利用料などの収入では賄えず、一般会計からの繰出金により黒字となっているものであり、各会計において事業や料金体制の見直しなども含めた検討が必要となっている。介護保険特別会計の黒字が増えているが、国庫・県費が需要より多くなったもので次年度精算するため、実際に黒字が大幅に増えたわけではない。

実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

元利償還金は今年度から小学校建設に係る地方債の元金償還が始まることで増加している。簡易水道事業特別会計の元利償還金に対する繰入金は借入が続いており、年々増加しているため、実質公債費比率(分子)は増加を続けている。組合に対する負担金等は償還終了した債務があり、今年度は減少した。本村は過疎対策事業債、臨時財政対策債など算入率が高い地方債の借入が主であるため、普通交付税に算入される公債費の金額も大きいが、償還金総額の増加に伴い、償還金と算入額との差額も増加しており、負担は大きくなっている。

将来負担比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

平成27~28年度の小学校建設に係る地方債の増加に加えて、平成28年度からは基金の取り崩しが増えたことで、将来負担比率がプラスとなっていた。それ以降、地方債の発行を抑制してきたことで2年度にはマイナスとなった。3年度は少し後退したがマイナスは維持している。今後も地方債の発行を伴う事業の見直しを中心とする行財政改革を進め、財政の健全化に努める。

基金残高に係る経年分析(2021年度)

基金全体

(増減理由)「財政調整基金」、「減債基金」はともに、わずかな額ではあるが積み立てすることができた。しかし、「旧貯木場運営基金」約1億7千5百万円などを取り崩したこと等により、基金全体としては103百万円の減となった。(今後の方針)各基金は年々減少傾向であり、特に財政調整基金は一般会計60億円に対し、13億円の残高では不安がある。災害への備え等のため、過去の実績等を踏まえ、これ以上の取り崩しを抑制するよう努めたい。

財政調整基金

(増減理由)今年度は取り崩しが無く、わずかながら基金の運用益を積み立てすることができた。(今後の方針)災害への備え等のため、過去の実績等を踏まえ、取り崩しを抑制するよう努めたい。

減債基金

(増減理由)今年度は取り崩しが無く、わずかながら基金の運用益を積み立てすることができた。(今後の方針)今後の借入を考慮すると令和5年度に地方債償還のピークを迎えるため、それに備えて毎年度計画的に積み立てと、新たな借入の抑制を行っていく。

その他特定目的基金

(基金の使途)旧貯木場運営基金:木材の生産、流通販売及び加工等々に必要な土地の購入、施設の設置、運営に要する経費公共施設整備基金:公共施設の整備事業(増減理由)旧貯木場運営基金:木材の生産のための事業費として1億7千5百万円を取り崩し、年度末に5千6百万円を積み立てたことで減少している。林業振興基金:積立金1千8百万円に対し、森林整備の補助事業に4.3百万円充てたことで増加している。(今後の方針)旧貯木場運営基金:林業の活性化に向けた事業に向けて積み立て予定。公共施設整備基金:今後予定される施設整備計画に向けて積み立て予定。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

類似団体平均と比べて8.3%高くなっているが、本村の有形固定資産のうち、78.9%が道路及び橋梁・トンネルなどのインフラ資産であり、その償却済資産の割合が高いことによる。これらの資産を安全かつ低コストで維持管理していくため、平成28年度に橋梁の長寿命化計画を更新した。また、平成30年度にトンネル及びシェッド長寿命化計画を策定しており、効果的かつ効率的なインフラ資産の運用をすべく計画に基づいて老朽化対策をしていく。

債務償還比率の分析欄

平成28年度~令和2年度の、地方債残高の減少に伴い、将来負担額も減少傾向にある。令和3年度は地方債残高が増加したため、比率の減少は緩やかになった。今後も将来負担額は減少していくことが見込まれるが、経常経費充当財源等は増加傾向にあることため、更なる地方債の新規発行の抑制と、経常経費の圧縮に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和3年度は地方債の残高が若干増加したが、将来負担比率はマイナスとなった。その一方で、有形固定資産減価償却率は類似団体よりも8ポイント以上高く、上昇傾向にある。主な要因としては、有形固定資産の約8割を占めるインフラ資産の有形固定資産減価償却率が高く、老朽化が進んでいる事が挙げられる。長寿命化計画等に基づき、今後、老朽化対策に積極的に取り組んでいく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は類似団体と同等となっているが、実質公債費比率は1.3ポイント高い。平成30年度から令和2年度は、新規の地方債の発行を抑制できたことにより将来負担比率は減少したものの、令和3年度からは、庁舎耐震補強事業、災害対策本部拠点新築事業などで、地方債の発行が増えている、今後地方債の元金償還が始まることによる実質公債費比率の増加が見込まれることから、これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して、道路、橋梁・トンネル、公民館の減価償却率が高く、公営住宅、認定子ども園・幼稚園・保育所、学校施設の減価償却率が低い。道路、橋りょう・トンネルに関して、本村の面積が広いことで、一人当たりの延長は類似団体平均の2倍以上あり、また山が連なる狭隘な地勢であるため、一人当たりの橋りょう、トンネルの資産が類似団体平均の4倍以上となっている。今後、長寿命化計画に基き、安全・安心の確保と経費の縮減を図っていきたい。学校に関して、平成28年度には減価償却率が類似団体平均を上回っていたが、平成29年度に小学校統合による新校舎が完成したことで大きく減少した。公営住宅に関して、戸数が少ないため、一人当たりの面積では類似団体平均を大幅に下回っているが、減価償却率については、平成26~28年度で復興住宅、高齢者向け住宅を建設したことにより、類似団体平均を大きく下回ることとなった。今後も適正な住宅戸数の供給と、適正な維持管理をしていきたい。

施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して、体育館・プール、市民会館の減価償却率が高く、福祉施設、消防施設の減価償却率が低い。庁舎に関して、昭和51年に建設された建築物であるため、現在の耐震基準を満たしていない事から、今後の方向性を検討してきた。その結果、現在の庁舎を耐震補強し、敷地内に別途、災害対策拠点施設を建設することとした。耐震補強工事が終了し、指標が40ポイント近く改善された。消防施設に関して、平成29年度からは奈良県広域消防組合(五條)の資産を併せて計上したことにより、類似団体の数値を大きく下回ることとなっていたが、3年度は奈良県全体統合があり、資産の按分が変化した結果、類似団体と近い値となった。

財務書類に関する情報①(2021年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等において、資産総額は45,596百万円(前年度比△213百万円)となった。金額の変動が大きいものはインフラ資産である。インフラ資産の減少は、減価償却のマイナスが新規増加分を大きく上回ったため減少となった。一般会計等において、負債について、前年度と比較すると総額で29百万円増加しており、内訳は固定負債4百万円、流動負債25百万円の増加となっている。増加の要因としては、退職手当引当金が76百万円減少したのに対し、地方債が固定負債、流動負債合わせて110百万円増加したことが挙げられる。固定負債に対する固定資産の割合は一般会計で598%、全体で537%、連結で515%といずれも100%を大きく上回っている。同じく流動負債に対する流動資産は一般会計で314%、全体で261%、連結で255%といずれも100%を大きく上回っていることから、短期・長期いずれの観点からも財政状態は健全といえる。しかしながら、令和3年度以降も固定資産の償却による資産額の減少等が見込まれる。今後は、十津川村公共施設等総合管理計画等に基づき、資産の適正管理に努めたい。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において、経常費用は5,640百万円(前年度比△241百万円)となった。その主な内訳は物件費等が3,021百万円、人件費が905百万円、補助金等が999百万円で、とりわけ物件費等のうち減価償却費が1,403百万円(前年度比+2百万円)で最も多く、村のインフラ資産である道路関連の資産の減価償却費が多くを占めている。また、経常収益は、617百万円(前年度比△26百万円)であり、その主な内容は土地貸付料となっている。前年度との比較では、経常費用のうち、補助金等が減少したことなどにより、純行政コストが211百万円減少した。全体、連結においても経常費用の中では物件費等が最も高く、全体で3,358百万円、連結で3,526百万円となっている。今後は、公共施設の集約化を含めた経費の縮減に努めたい。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、財源は4,791百万円(前年度比△294百万円)で純行政コストの5,046百万円(前年度比△211百万円)を下回っており、本年度差額は△254百万円となり、本年度純資産変動額は242百万円の減少となった。R2年度は資産の見直しがあり、数字のうえでは純資産が増加したが、今後、財源の増加があまり見込めない中で純資産残高を減らさないためには純行政コストの圧縮が必要となっている。同様に全体では207百万円、連結では289百万円と本年度純資産変動額がマイナスとなっており、純資産残高が減少している。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等において、業務活動収支が933百万円(前年度比59百万円)と増加し、投資活動収支についても公共施設等整備費支出、主に庁舎耐震補強工事が大きく△663百万円であったが前年度比39百万円の増となった。これにより、フリーキャッシュフロー(業務活動収支+投資活動収支)が270百万円となり、前年度の172百万円から増加した。財務活動収支については、地方債の発行が償還を上回ったことから、107百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から376百万円増加し564百万円となった。同様に全体では578百万円(382百万円増)、連結では737百万円(353百万円増)と本年度資産残高が増加している。

財務書類に関する情報②(2021年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

を進めている。①住民一人当たりの資産額については、上記理由により有形固定資産が多いことによるもので、類似団体平均値から690.1万円高くなっている。前年度との比較で43万円増加した理由は、人口が約3.3%減少したことによる。②歳入額対資産比率についても同様に、資産が多いため類似団体平均値と比べて2.53ポイント高くなっている。前年度との比較においては、資産合計、歳入共に減少したことで、0.06ポイント減少と横ばいであった。③有形固定資産減価償却率については、所有するインフラ資産が設置から年数が経過しているため、類似団体と比較して8ポイント高くなっている。前年度との比較においても、0.5ポイント増加しており、固定資産の老朽化が進んでいる。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

④純資産比率については、純資産中の有形固定資産額が高いことにより、類似団体と比較して2.4ポイント高くなっている。前年度との比較においては、純資産、資産合計がともに減少し、0.1ポイント減少となった。⑤将来世代負担比率については、④と同様に有形固定資産額が高いことにより、類似団体と比較して5.7ポイント低くなっている。前年度との比較は、資産合計が減少、地方債が増加したことにより、0.6ポイントの増加となった。今後、公共施設の集約化等を進めるとともに、地方債の発行を抑制し、純資産比率及び将来世代負担比率の適正化を目指す。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

⑥住民一人当たり行政コストについては、本村が、償却資産が多いことで、減価償却費も高くなることから、類似団体平均値と比較して40.5万円高くなっている。前年度との比較は、コスト、人口共に減少し、△1.2万円とわずかに減少した。本村は、年々人口が減少していることから、今後は公共施設の統廃合などを含めたコスト削減に努めていきたい。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

⑦住民一人当たり負債額については、平成28年度までの学校建設、令和2年度から始まった庁舎耐震補強工事に伴う地方債の発行と人口の減少により、類似団体平均値と比べて103.3万円も高くなっている。前年度との比較においては、負債合計額が増加し、人口も減少したため、9.8万円増となった。今後は地方債発行を伴う投資的経費を抑制していく必要がある。⑧基礎的財政収支については、基金積立支出及び基金取崩収入を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を下回ったため、177百万円となっている。類似団体平均と比較して80.9百万円下回っている。前年度との比較においてはコロナ特別給付金の支出が少なかったことなどにより業務活動収支が増加したことで36百万円改善している。今後も、収支の改善に努めていきたい。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

⑨受益者負担比率については、経常費用が高いものの、所有する土地の貸付料による経常収益があるため、類似団体平均値と比較して4.2ポイント高くなっている。前年度との比較においては、経常収益、経常費用ともに増加したことにより、前年と同水準となった。今後、使用料の見直しなど経常収益の改善と、公共施設の集約化など経常費用の削減に努めたい。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,