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地方財政ダッシュボード

新潟県魚沼市の財政状況(2018年度)

🏠魚沼市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

市税収入については、人口減少による納税義務者数の減少というマイナス要因があるものの、徴収率は上昇傾向にあり、基準財政収入額は横ばいで推移しています。一方、平成24年度から実施した複数の大型建設事業により、地方債の償還額が増加しているため、基準財政需要額は増加傾向にあり、財政力指数は、類似団体内平均値0.39を大きく下回る0.29となっています。複雑・多様化する住民サービスや人口減少問題対策をはじめとして新たに発生する行政需要に適切に対応していくため、効果的・効率的な行政サービスを構築し、引き続き行財政改革の取組を強化していく必要があります。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は、分子である経常経費充当一般財源が減少(-1億円)したものの、普通交付税の減額(1.9億円)の影響により、分母である経常一般財源等も減少(-1.8億円)しており、平成30年度より0.3ポイント悪化しました。現在は、類似団体や全国の平均値を下回っていますが、今後数年は、令和元年度に完了する新庁舎建設により、公債費が高止まりするなどのマイナス要因があります。事務事業の効率化を図り、経常経費の削減に取り組むとともに、地域経済活性化による地方税収の増加を図っていく必要があります。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費は横ばいであり、大雪であった平成29年度から比較すると除雪経費の減額により維持補修費は減額(-4億円)となりましたが、ふるさと納税の増加に伴い、その申込サイト運営業務委託料の増加(1.5億円)、不用となった公共施設等の解体撤去経費の増加(3億円)などの影響により物件費が大幅な増加(5.3億円)となったことにより、1人当たり決算額は8,585円の増額となっています。町村合併により、多くの公共施設を有しており、既存施設の維持補修費が増加することが見込まれます。公共施設等総合管理計画に基づき、類似施設の統廃合を推進する必要があります。

ラスパイレス指数の分析欄

平成16年の合併時における在職者調整を低い方の給与水準に合わせたことなどから、全国平均、類似団体平均を大きく下回っています。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

定員適正化計画に基づき、採用の抑制や業務委託の推進など、毎年確実に縮減できるよう進めていますが、合併に伴う広大な行政区域での行政運営や分庁舎方式による職員の分散配置、各地域における行政サービスの維持のため市民センターを設置していることなどに起因して、類似団体平均と比較すると依然として高い状況にあります。令和元年度の新庁舎完成に伴い、令和2年度より分庁舎方式が解消となることから、事務事業や職員配置を見直し、今後も定員適正化計画に基づいた人員削減を図っていきます。

実質公債費比率の分析欄

普通交付税及び臨時財政対策債の減額による標準財政規模の減少(-2.1億円)があったものの、一般会計の地方債返済額の減少(-0.6億円)、元利償還金等のうち、基準財政需要額に算入された額の増加(0.3億円)もあり、実質公債費比率は更に改善しました。ただし、令和元年度以降は、普通交付税が及び臨時財政対策債が更に減額となる見込みであり、標準財政規模が減少することにより、しばらくは実質公債費比率の上昇傾向が続く見通しですが、既存事業の見直しや真に必要な新規事業の選択、交付税措置が有利な地方債の活用などにより、財政の健全化に努めます。

将来負担比率の分析欄

普通会計の既発債の償還進捗による地方債現在高の減少(-1.1億円)、公営企業会計の既発債の償還進捗による地方債元利償還金に対する繰入見込額の減少(-5.8億円)、交付税措置の有利な地方債の活用による基準財政需要額算入見込額が大きく増加(7.8億円)したことの影響が大きく、将来負担比率は前年度よりも7.2ポイント改善しました。平成30年度に着手した新庁舎建設により、地方債現在高が増加するため、今後数年は悪化する見込みですが、既存事業の見直しや真に必要な新規事業の選択などにより、財政の健全化に努めます。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は、前年度と同率の21.6%であり、全国平均、類似団体平均を下回っています。これは、平成16年の合併時における在職者調整を低い方の給与水準に合わせたことなどが要因です。今後も同程度で推移していく見込みです。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は、前年度と比較して0.9ポイント上昇しました。その大きな要因は、不用となった公共施設等の解体撤去経費の増加(3億円)と、ふるさと納税の増加に伴い、その申込サイトの運営業務委託料の増加(1.5億円)が挙げられます。ふるさと納税の増加により物件費も上昇してしまいますが、平成30年度は8億円に迫る寄附金収入があり、普通交付税や臨時財政対策債などの減少が続く中、貴重な財源となっています。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は、前年度と比較して0.1ポイント上昇し、6.4%となりましたが、全国平均、類似団体平均を下回っています。この要因として、少子化により児童手当や子ども医療費助成などが、他と比較して少ないことが考えられます。その反面、高齢化の影響により、医療費を含んだ生活保護事業費の増加が考えられることから、今後更なる適正な資格審査が求められます。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は、前年度と比較して0.1ポイント減少しました。類似団体平均は下回っているものの、全国平均を上回っています。全国でも有数の豪雪地であることから、除雪に要する費用(維持補修費)が多くなるためだと考えられます。公共施設等は、建設から相当の年数を経過したものが多くなっていることから、計画的な修繕を行うとともに、公共施設等総合管理計画に基づき、類似施設の統廃合を推進する必要があります。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、前年度と比較して0.4ポイント減少し、11.5%となりましたが、依然として全国平均、類似団体平均を上回っています。その大きな要因は、病院事業会計への多額の補助金が必要であることが挙げられます。民間の医療機関が少ないことから、病院事業は必要でありますが、一般会計からの補助金を減額できるよう、市立病院の経営状況改善を求めていく必要があります。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は、前年度と比較して0.2ポイント減少し、19.2%となりました。類似団体平均とは同率であるものの、全国平均を上回っている状況です。この要因は、平成24年度から開始した複数の大型建設事業の地方債の償還が始まったことによるものです。今後は、平成30年度から建設に着手した新庁舎建設により、公債費がさらに上昇する見込みです。地域経済活性化とのバランスを取りながら、新規借入を伴う事業の選択が必要です。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係る経常収支比率は、前年度と比較して0.5ポイント上昇しました。物件費が前年度と比較して上昇した結果です。現行制度では、ふるさと納税は高水準で推移すると考えられ、公共施設の統廃合により、解体撤去経費も増加するため、今後は上昇傾向になると考えられます。類似施設の統廃合は、将来負担を減らすために必要不可欠であることから、公共施設等総合管理計画に基づき進めることが重要です。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

市民一人当たりの経費で、特に大きく増加しているものは総務費であり、前年度よりも4,869円増の123,094円と、類似団体平均89,336円を大きく上回り、全国平均53,273円の2倍以上となっています。これは、新庁舎建設事業の進捗により、庁舎再編整備事業が前年度よりも、8.7億円増加していることが大きな要因です。新庁舎建設事業は、引き続き令和元年度にも取り組むため、総務費の高止まりは継続します。一方、前年度よりも大きく減少しているものは、土木費が前年度よりも8,843円減の120,897円、商工費が前年度よりも6,827円減の30,931円となっています。土木費については、平成29年度の大雪により大幅に増加した道路機械除雪経費が、平成30年度には平年並みに戻ったことが大きな要因です。とはいえ、全国平均50,970円の2.3倍となっていることは、日本有数の豪雪地である本市の特徴を表しているといえます。また、商工費については、水の郷工業団地の第2期造成事業の関連工事が平成29年度に完了したことにより、工業団地造成事業特別会計貸付金が1.5億円減額となったことが大きな要因です。類似団体平均及び全国平均を大きく上回っているものに、衛生費と公債費があります。衛生費については、新潟県から経営を引き継いだ魚沼市立小出病院に係る病院事業会計に対し、多額の繰出金が必要となっていることが要因です。地域に民間の医療機関が少ないことから、市立病院として維持していく必要があり、削減することが難しい状況です。公債費については、6町村が合併したことにより広大な面積を有する当市では、市税など自主財源が乏しいことに加え、道路や橋梁、消防・防災無線設備、小・中学校等教育施設などの、更新又は長寿命化のための大規模改修などに多額の経費が必要であり、地方債に頼らざるを得ない状況です。そのため、公債費が多額となっています。ただし、地方債の元利償還金に対する交付税措置が有利な過疎債や合併特例債などを中心に借り入れているため、実質公債費比率や将来負担比率については、全国平均と同程度の比率となっています。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

市民一人当たりの歳出決算総額は、前年度よりも10,406円減少し、734,392円となっています。特に大きく減少しているものは積立金であり、前年度よりも19,106円減の32,582円となっています。これは、ふるさと納税による寄附金額が増加したことに伴い、ふるさと結基金積立金が2.7億円増加した一方、歳計剰余金の大幅な減少による財政調整基金積立金が3.9億円の減、公共施設整備等基金積立金が6億円の減となり、積立金全体で7.2億円減少したことが大きな要因です。また、維持補修費が前年度よりも9,924円減の60,813円となっています。これは、大雪であった平成29年度の道路機械除雪経費が、平成30年度は平年並みに戻ったことにより4.1億円の減少となるなど、維持補修費全体で4億円減少したことによります。財政調整基金や公共施設整備等基金への積立額は、決算の状況に応じて積立額に上下動がありますし、維持補修費についても降積雪状況により大きな変動がある項目です。反対に、大きく増加している項目として、物件費と普通建設事業費が挙げられます。物件費は、前年度よりも16,304円増加し、118,825円となっています。不用となった公共施設等の解体撤去経費が3億円増加したことに加え、ふるさと納税の増加に伴い、その申込サイトの運営業務委託料が1.5億円増加したことによります。物件費については、今後しばらく、この高水準が継続すると見込まれます。普通建設事業費は、前年度よりも7,594円増加し、97,166円となっています。その要因は、新庁舎建設事業の進捗などにより、普通建設事業費が2.2億円増加したことによります。令和元年度も引き続き新庁舎建設事業に取り組むとともに、内水対策事業にも着手するため、増加傾向となる見込みです。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

平成28,29年度は、財政調整基金の積み増しがあっても、単年度収支が赤字であったため、実質単年度収支が赤字となっていました。平成30年度は、単年度収支は1.6億円の黒字となりましたが、財政調整基金の積立よりも取崩しの方が2.9億円多かったため、実質単年度収支は1.2億円の赤字となっなっています。今後、普通交付税や臨時財政対策債などの減額に伴い、財政調整基金の取崩しにより財源不足を補う必要性が高まることが予想されます。財政調整基金の急激な減少や枯渇を招かないために、実施事業の精査と適切な財源確保に努める必要があります。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

一般会計、企業会計及び特別会計等を加えた連結実質赤字比率は、別々の会計の黒字・赤字の状況を合算することによって、魚沼市全体の財政運営の現状を分かりやすく示すものです。水道事業会計、工業団地造成事業特別会計及び国民健康保険特別会計事業勘定の3会計においては、前年度よりも黒字額が減少していますが、下水道事業会計、一般会計、ガス事業会計、病院事業会計、介護保険特別会計及びその他会計の6会計においては、前年度よりも黒字額が増加しています。全体としては、前年度よりも1.8億円の黒字額増加となっています。全会計とも黒字となっており、現状においては健全な財政状況といえます。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

元利償還金は、減少傾向が続いていましたが、平成24年度からの大型建設事業の影響で、平成29年度に増加に転じ、平成30年度は横ばいとなりました。ただし、交付税措置が有利な地方債の借り入れがほとんどであるため、普通交付税に算入される公債費も増加しています。その結果、実質公債費比率の分子は、それ程大きくなっていません。今後しばらくは、分子が大きくなる傾向であるため、実質公債費比率も高止まりする見込みですが、起債について県知事の許可が必要となる18%に達することはない見込みです。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

平成26年度までは、公営企業債を含め地方債の残高が減少していることや基準財政需要額算入見込額の増加により、将来負担比率の分子は順調に減少していましたが、平成27,28年度は増加に転じ、平成29,30年度は減少となっています。これは、複数の大型建設事業を実施したことによる地方債残高の増加や、病院建設による公営企業債等繰入見込額が増加したことにより、一時的に増加しましたが、平成29,30年度には、地方債の借入額が落ち着いたことにより減少となったことが主な要因です。令和元年度には、新庁舎建設事業により多額の借入を予定しており、地方債現在高は再度上昇しますが、それに比例して、基準財政需要額算入見込額も増加するため、分子は急激に大きくならない見込みです。今後も、地方債の新規借入を伴う事業を選択するとともに、交付税措置の有利な地方債の借入をしていく必要があります。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)財源不足を補うために財政調整基金を2億8,800万円取り崩すとともに、それぞれの目的に合わせ、公共施設整備等基金を8,100万円、新庁舎整備基金を2,200万円取り崩しました。過疎地域支援基金には、令和2年度まで1億円ずつ積み増しする計画のため、1億円を積み増ししました。ふるさと結基金については、平成30年度の事業に充てるため、5億6,500万円を取り崩すとともに、平成30年度の寄附金収入7億9,642万円を積み立てました。(今後の方針)ふるさと結基金については、ふるさと寄附金の動向によるため長期的な見通しは困難ですが、その他の基金については、長期的には減少傾向となる見込みです。

財政調整基金

(増減理由)平成24年度から複数の大型建設事業を実施していますが、その財源として、国庫支出金の他、合併特例債や過疎債を充当しています。また、老朽化した施設等の大規模改修についても、同様に合併特例債や過疎債を主要な財源としています。その他の事業についても、年度間の増減はありますが、大きく財政調整基金を取り崩すには至っていないため、基金残高は、ほぼ横ばいで推移しています。(今後の方針)今後も、有利な地方債の活用を図っていきますが、人口減少による市税や普通交付税の減少が予想されるため、財政調整基金の取り崩しは避けられません。しかし、経済事情の著しい変動等により財源が著しく不足する場合や、災害復旧に対応するための財源として、一定額は確保する必要があります。

減債基金

(増減理由)平成30年度地方債残高の構成比率は、臨時財政対策債36.7%、合併特例債36.3%、過疎債14.8%、3事業合わせて87.8%となっています。いずれも交付税措置が有利な地方債であり、多くが公的資金からの借り入れであるため、繰上償還をすることは考えていません。また、満期一括償還地方債の発行がないため、減債基金を積み増しする必要もありません。そのため、基金残高は、横ばいで推移しています。(今後の方針)今後も、今までと同様の方法とします。

その他特定目的基金

(基金の使途)地域振興基金:市民連携の強化及び地域振興公共施設整備等基金:公共施設の整備及び大規模改修新庁舎建設基金:市役所新庁舎の建設過疎地域支援基金:過疎集落の維持及び活性化ふるさと結基金:将来にわたった寄附金の活用(増減理由)地域振興基金:果実運用型基金のため、増減なし公共施設整備等基金:防犯灯LED化事業、施設大規模改修事業等に充当するため、8,200万円取り崩し新庁舎建設基金:新庁舎建設事業に充当するため、2,200万円取り崩し過疎地域支援基金:将来の過疎集落における事業実施に備え、1億円積み増しふるさと結基金:当該年度のふるさと寄附金収入を全額積み立て、次年度に全額取り崩し(今後の方針)地域振興基金:現在は果実運用型基金としての活用、将来の財源不足に対応するため、処分についても検討予定公共施設整備等基金:地方債を充当できない公共施設の大規模改修に活用予定新庁舎建設基金:市役所新庁舎の建設に活用。残金は、新庁舎建設で借り入れた地方債の元利償還金に充当予定過疎地域支援基金:令和2年度までは、1億円ずつ積み増し。その後は、過疎集落の維持及び活性化事業に活用予定ふるさと結基金:今までと同様

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は緩やかに上昇傾向にあり、類似団体と比べてやや高水準にあるが、平成16年の市町村合併により、数多の類似施設を引き継いだことが大きな要因といえる。平成27年度に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設等の維持更新費用を概ね30%縮減するという目標を掲げている。今後、老朽化した施設の集約化や整理統合、除却、長寿命化などに取り組んでいくことで、一つの指標となる有形固定資産減価償却率の急激な上昇は抑制できるものと考えられる。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は類似団体平均値を下回っており、主な要因としては、既発債の償還進捗により地方債残高を前年度から約12億7千万円減少させたこと、合併直後の平成17年度に策定した定員適正化計画の進捗により、目標とした平成27年4月には職員数を26.3%削減し、人件費の圧縮を図ったことによるものと考えられる。ただ、平成30年度に着工した新庁舎建設に伴い地方債残高が増加し、後年度の将来負担は悪化する見込みであるため、これまで以上に財政の健全化に向けた取組を強化していく。債務償還比率は、類似団体平均値をやや下回っており、主な要因としては、既発債の償還進捗により、地方債残高を7億円減少させたことによるものと考えられる。ただ今後は、平成30年度に着工した新庁舎建設に伴い地方債残高が増加し、後年度の将来負担は悪化する見込みであるため、これまで以上に定員適正化、時間外勤務の縮減など人件費の抑制に努め、引き続き財政の健全化に向けた取組を強化していく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

有形固定資産減価償却率は緩やかに上昇傾向にあり、類似団体と比べてやや高水準にある一方で、直近2か年の将来負担比率は類似団体よりも低水準で推移している。これは、普通会計の既発債の償還進捗による地方債現在高の減少及び、公営企業会計の既発債の償還進捗による地方債元利償還金に対する繰入見込額の減少が大きく起因しているもので、将来負担比率は前年度に比べ7.2ポイント改善した。平成27年度に策定した公共施設等総合管理計画で、目標に掲げた公共施設等維持更新費用の概ね30%縮減を今後具体化していく中で、老朽化した施設の集約化や整理統合、除却等に伴い、一時的には将来負担比率に影響が及ぶものと考えるが、将来的な公共施設等の維持管理経費は減少していくことが見込まれる。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は近年減少傾向にあり、将来負担比率とともに類似団体と比べて低い水準にある。平成30年度に着工した新庁舎建設など、庁舎再編整備事業に約35億1千万円の地方債を発行予定であり、これに加え平成24年度から平成29年度にかけて行った市立小学校建設事業、これらの地方債の償還ピークが令和3年度から始まる見込みである。そのほか、合併算定替終了による普通交付税の減額に伴い標準財政規模が縮小し、今後は将来負担比率、実質公債費比率のいずれも上昇していくことが想定されることから、これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいくことが必要である。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高い施設は、道路、公民館であり、特に低くなっている施設は、認定こども園・幼稚園・保育所、児童館である。道路については、地元要望等を踏まえ年次計画に基づき新設・改良を行ってきており、公民館については、公共施設等の再編に伴い空いた行政庁舎の一部を利活用するなど、既存施設を代用した老朽化対策にも順次取り組んでいる。認定こども園・幼稚園・保育所、児童館の有形固定資産減価償却率が低下した要因は、平成28年度に市立幼稚園と市立保育園を統合し、保育・教育の拠点として新たに認定こども園を設置したためである。児童館については、設置する4施設のすべてが築年数20年未満と比較的新しいため、有形固定資産減価償却率は低くなっており、学童保育との共用により一人当たり面積についても近年は横ばいの傾向にあり、当面の維持補修費用の抑制を見込んでいる。公営住宅の有形固定資産減価償却率は類似団体と比べても同水準にあり、緩やかな伸びとなっているものの、平成22年度に策定した公営住宅等長寿命化計画等に基づく大規模改修や長寿命化、老朽化した住宅の解体撤去など、これまでの取組の効果が表れていると考えられる。なお、橋りょう・トンネルについては、平成27年度以前まで資産計上を見送っていたために、現時点で他の項目と同様に比較分析を行うのは適当ではなく、今後の推移を注視しながら施設の長寿命化対策等に取り組んでいくこととする。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

ほとんどの類型において、有形固定資産減価償却率は類似団体の平均値を上回っているが、図書館と保健センター・保健所については、類似団体平均を下回っている。体育館・プール、市民会館、一般廃棄物処理施設については、類似団体の平均値をやや大きく上回っている。体育館の多くは、廃校となった学校の体育館を残した施設であり、そのほとんどが建築後30年以上経過し、一部の施設は耐用年数を経過するなど全体的に老朽化が顕著であるため、解体、譲渡、指定管理者制度への移行等、今後の方向性を取捨選択していく必要がある。プールについても同様で、老朽化により使用に際し一部支障をきたしていることから、用途廃止が適当な施設については解体撤去を検討するとともに、民間資源の活用など代替機能の確保に取り組んでいく。市民会館については、文化施設、市民活動の拠点施設が含まれていることから、今後も継続的な維持管理に努めるとともに、利用状況や必要規模を考慮しつつ、機能移転、集約化・複合化を検討していくこととする。一般廃棄物処理施設については、近隣2市1町で共同の新施設建設の準備を進めているものの、供用開始までは今後10年程度を要する見込みのため、現在稼働中の施設においても運営経費や維持管理経費の節減に努めていかなければならない。庁舎については、有形固定資産減価償却率、一人当たり面積共に類似団体平均値を上回っている。これは、主に昭和50年代から60年代に建てられた合併前の旧町村庁舎に現在も行政機能を持たせているためである。なお、平成30年度から新庁舎の建設工事に着手し、庁舎機能の一本化に向けた取組を進めていることから、新庁舎完成後の令和2年度以降については、有形固定資産減価償却率は低下していくものと考えられる。図書館については、平成30年度が施設購入初年度で減価償却費を計上していないことから、今後の維持管理経費の増加に留意しつつ、生涯学習環境の整備に取り組んでいく。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から987百万円の減少(-0.9%)となった。有形固定資産のインフラ資産工作物において、減価償却額が取得額を大きく上回ったことが主な減少要因である。資産総額のうち有形固定資産の割合が75%を占めており、これらの資産は維持管理費等に係る将来の支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に基づき、広範囲に点在し老朽化が進む公共施設やインフラ資産の整理・統廃合に努める。また、財源不足を補うために財政調整基金を取り崩したことにより、基金(流動資産)が288百万円減少した。一般会計等の負債総額は、前年度から16百万円の増額(+0.04%)とほぼ横ばいとなった。金額の変動が大きい地方債(固定負債)は、平成24年度から28年度にかけて実施した斎場建設、平成26年度から27年度にかけて実施した小学校調理場整備等に係る地方債の償還が始まったことなどから、地方債償還額が発行額を上回り、116百万円減少した。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は22,667百万円となり、前年度比967百万円の減少(-4.1%)となった。このうち、補助金や社会保障給付等の移転費用7,398百万円に対し、人件費や物件費等の業務費用は15,269百万円と約2倍となっている。業務費用のうち、最も金額が大きいのは物件費(6,680百万円、前年度比一3.4%)、次いで減価償却費(3,973百万円、前年度比+1.5%)であり、維持補修費を含む物件費等(11,326百万円、前年度比+0.1%)が純行政コストの51%を占めている。今後は、一段落した大型建設事業の減価償却が開始され更なる業務費用の増加が見込まれることに加え、高齢化の進展などにより社会保障給付費等の移転費用の増加も想定されることから、公共施設等の適正管理や事業の見直しに着手するなど、経費の抑制に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(21,111百万円)が純行政コスト(22,343百万円)を下回っており、本年度差額は1,232百万円となり、純資産残高は1,003百万円の減少となった。純行政コストが減少(前年度比-670百万円)した要因として、少雪に伴う道路機械除雪委託料の減少(前年度比-410百万円)、施設建設維持管理負担金の減少(前年度比-233百万円)などが影響した。財源については、今後更に普通交付税の段階的逓減による財源の減少が見込まれる一方で、ふるさと納税が順調に伸びており(前年度比+26,669件、+293百万円)、貴重な自主財源となっている。また、市税(現年課税分)の徴収率が5年連続向上し、徴税対策の成果が表れてきているため、引き続き関係機関と連携しながら徴収率の向上を図り、税収等の自主財源の確保に努める。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は2,787百万円であったが、投資活動収支については、新庁舎建設、観光施設改修等の大型建設事業を行ったことから、2,668百万円となった。財務活動収支については、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、138百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から18百万円減少し、871百万円となった。順調なふるさと納税の伸び等により自主財源の確保は進んでいるものの、行政活動に必要な資金は、基金の取り崩しと地方債の発行収入に頼らざるをえない状況は変わらないため、これらの財源に過度に依存することのないよう収支の均衡を図っていくことが必要である。

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

資産合計は前年度に比べ987百万円減少している一方で、住民一人当たり資産額は増加し、類似団体平均値を上回っている。これは、合併前に旧町村ごとに整備した公共施設が多数存在することが主因であるほか、類似団体と比較して人口の減少幅が大きいことが、住民一人当たり資産額を押し上げている一因ともいえる。また、有形固定資産減価償却率も類似団体平均値を上回っていることから、保有施設やインフラの老朽化が進んでいることが分かる。公共施設が多いことは、住民福祉の増進や地域振興に寄与するが、その反面維持補修費等のコスト発生が不可避となる。全国的に高度経済成長期時代に大量に整備された資産の老朽化が課題となっているが、本市においても魚沼市公共施設等総合管理計画に基づき、維持更新に必要な金額を20年間で概ね30%縮減することを目標に施設再編整備を進める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均値を下回り、将来世代負担比率も類似団体平均値を上回っている。地方債(翌年度償還分含む。)が負債総額の9割弱を占めていることから、将来に渡って使用する有形固定資産等の資産形成に当たっては、地方債の借り入れにより財源を賄っていることが分かる。将来負担を過重にしないためにも、適切な資産形成と地方債発行に努めていく必要がある。なお、地方債残高の36%は、地方交付税の不足を補うために特例的に発行している臨時財政対策債である。臨時財政対策債の元利償還金相当額は、その全額が後年度地方交付税の基準財政需要額に算入されるため、仮に臨時財政対策債の残高を負債額から除いた場合、純資産比率は77%となる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは前年度に比べ減少(-0.9万円)したが、依然として類似団体平均値を上回っている。特に、純行政コストのうち約5割を占める物件費等が、類似団体と比べて住民一人当たりの行政コストを押し上げている要因になっているものと考えられる。降雪量により増減する道路機械除雪委託料など地域特有の事情もあるほか、近年順調に伸びているふるさと納税に係る業務委託料が物件費を底上げしているため、減価償却費等のコストを極力抑制し、類似団体平均値並みの水準となるよう努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均値を大きく上回っており、また、前年度に比べても増加している。負債総額は前年度から16百万円の増額とほぼ横ばいであるが、類似団体と比較して人口の減少幅が大きく、住民一人当たり負債額を上昇させているひとつの要因といえる。基礎的財政収支は、業務活動収支の黒字分が基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分を上回ったため、196百万円の黒字となった。前年度から黒字幅が減少した要因としては、地方債を発行して、新庁舎建設等の大型投資を行ったことにより投資活動収支の赤字が増加したためである。ただ、単年度のみの数値に憂慮せず、経年変化に注視していく必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均値と同程度であるが、前年度から経常収益が11百万円増加、経常費用が967百万円減少したことから、0.3ポイント上昇した。公共施設等の使用料や公共サービスに対する受益者負担の適正化に努めるとともに、人口減少が進む中、持続可能な行政運営を維持していくためにも、老朽化した公共施設等の集約化・統廃合を加速させ、経常費用の圧縮に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,