地方独立行政法人北松中央病院：地方独立行政法人北松中央病院

地域において担っている役割

○急性期医療を担う地域における中核病院○救急告示病院○地域災害拠点病院○第2種感染症指定病院

経営の健全性・効率性について

①～③令和３年度は新型コロナの影響による病床確保や外来の受診抑制などで、入院、外来収益は前年度から更に減少したものの、コロナ対応の空床補てんの補助金収入により収支が黒字となり、特に経常収支比率は大きく上昇した。④休床病床が45床あることに加え、新型コロナ対応のための病床確保などにより、全国平均を大きく下回っている。⑤外科的手術件数が少ないことなどから、全国平均を大きく下回っている。⑥単価の高い透析患者が多いことなどから全国平均を超えている。⑦全国平均を下回っているが、これは独法化以前が公設民営であったことから、公営企業と比較すると低い水準になっていると推察される。⑧コロナ禍による患者減少で材料費は減少したものの、入院、外来収益に代わり補助金収入があったことから、見かけ上、材料費比率が減少している。

老朽化の状況について

①建物については一部を除き昭和60～61年に建設され、以降30年超が経過し、老朽化も目立ってきており有形固定資産減価償却率は全国平均より高くなっている。②医療機器等診療に要する資産については、安全で質の高い医療を優先しつつも費用削減のため、できるだけ長期の使用を心掛けていることなどから、器械備品減価償却率が全国平均より高くなっている。③全国平均より下回っているが、これは休床病床（45床）の影響もあると考えられるため、引き続き過剰投資とならないよう配慮して、施設設備等の整備を行っていく必要がある。

全体総括

令和３年度決算は、新型コロナウイルスの影響で、患者数が前年度から更に減少し入院、外来ともに収入が大きく減少したが、空床補てんの補助金により収支は黒字であった。しかしながら、今後は新型コロナの収束に伴い、補助金収入がなくなる一方で、受診患者数の急激な回復が見込めない状況であることなどから、今のうちに経営上の体質強化を図っておく必要がある。施設の老朽化については、建物本体が建設から３０年以上を経過し耐用年数も間近であることなどから、必要な改修等を効果的なタイミングで行い、施設の長寿命化を図るなど将来を見据えた投資計画に基づき順次投資していく必要がある。