経営の状況について
・経常収支比率料金収入等の収益や人件費・修繕費等の費用の増減により、年度によって変動があるが、単年度の収支が黒字であることを示す100%を超えて推移しており、経営の健全性は確保できている。・営業収支比率経常収支同様に100%を超えて推移しており、料金収入の範囲内で費用を賄えており、営業収支の不足はない。更なる費用削減に努めていく。・流動比率年度によって未払金等の増減により比率に変動があるが、100%を大きく上回っており、短期的な支払能力を十分に確保できている。・供給原価販売電力量1MWhあたりの費用については、水車発電機の大規模なメンテナンスがあり、修繕費等の費用が多くかかる年は増加することになるが、長期的な修繕計画を立て計画的に支出している。・EBITDA直近の本業の利益は、安定して推移している。今後も安定した状態を維持し、さらには収益性を高められるよう、費用削減等経営改善に努めていく。
経営のリスクについて
[水力発電]・設備利用率降雨の影響により自然流量の少ない年度や、水車発電機の大規模なメンテナンスにより発電機の停止期間が長くなる年度は、設備利用率が低くなる傾向があるものの、類似団体を上回る効率的な発電施設の運用をおこなっている。・修繕費比率水車発電機の大規模なメンテナンスが必要な年度は比率が高くなっている。令和3年度も大規模なメンテナンスがあったため修繕費を多く支出した。また、近年は労務費の上昇の影響も見られる。・企業債残高対料金収入比率企業債償還は平成21年度末に終了しており、現在は該当がない。・有形固定資産減価償却率水力発電所の稼働が早かったため、施設の老朽化が進んでいて全国平均を上回っているが、長期的な計画に基づいて施設の改良工事等をおこなっており、安定経営に努めている。・FIT収入割合該当施設はない。[太陽光発電]・設備利用率天候の影響等を受けやすいが、概ね本来備えている発電能力を活用できていて、類似団体を上回る利用率で運用できている。・修繕費比率類似団体を上回る修繕費比率となっているが、修繕費以外の費用が比較的少なく、比率が上がっている状況である。今後も引き続き効率的な修繕方法等の検討に努める。・企業債残高対料金収入比率該当はない。・有形固定資産減価償却率太陽光発電所は平成25年度から稼働し、年数が経過するにつれて、減価償却率が伸びている状況である。・FIT収入割合太陽光発電は全てFIT収入となるが、電気事業全体ではFIT収入だけに大きく依存しない経営をしている。太陽光発電のFIT期間満了後の事業継続については安定的に経営できるかを見極めながら判断していく。
全体総括
電気事業の経営については、これまで比較的堅調に推移しており、健全性を確保できている。太陽光発電は全てFIT収入となるが、FIT期間満了後の事業継続については安定的に経営できるかを見極めながら判断していく。今後の経営にあたっては、令和3年度改定の経営戦略(平成29年度~令和8年度)に基づき、周到な資金準備の下に、施設・設備の改良・修繕と耐震化等を計画的に推進し、電力の安定供給を図ることはもとより、経費の節減の徹底、資金のより効率的な運用等により、更なる安定的な経営が確保できるよう努めていく。また、脱炭素社会の実現に向けたGXの推進、先端技術を積極的に活用したDXの実装など新たな視点を加え、県民生活の向上と地域社会への貢献に取り組む。