経営の健全性・効率性について
【経常損益】経常収支比率は、100%を大きく下回っている。類似団体平均値も下回っている状況であるため収支改善を図る。【累積欠損】事業規模が小さく、累積欠損金が発生している。数値が悪化しないよう収支の改善を図る。【支払能力】一般会計からの繰入を現金収支ベースで行っているため、内部留保がなく流動比率は低い数値となっている。【債務残高】企業債残高対事業規模比率は、類似団体平均値及び全国平均値を下回っている。今後も大きな投資は予定していないため、数値の大きな悪化はない見込みである。【料金水準の適切性】経費回収率は、類似団体平均値及び全国平均値を下回っており、低い水準であるため改善を図る。【費用の効率性】汚水処理原価は、類似団体平均値及び全国平均値を上回っているため、当該数値の上昇を抑えるため今以上の経費削減に努める。【施設の効率性】施設利用率は、15%を割る状況である。当該事業は人口減少による利用率低下が著しい区域を対象としており、今後も数値の低下が懸念される。
老朽化の状況について
【施設全体の減価償却の状況】地方公営企業法適用時に償却対象資産の帳簿原価を減価償却後の数値としたため、有形固定資産減価償却率は低い数値となっている。【管渠の経年化の状況】【管路の更新投資・老朽化対策の実施状況】平成12~13年にかけて供用開始された事業であり、供用開始後19年が経過したところで、比較的老朽化は進行していない。現時点では適切な維持管理を行うことで施設の延命化に努めながら、施設更新に向けて検討し、計画的な更新を実施していく。
全体総括
本事業は、平成12~13年度に供用開始し、整備率及び水洗化率はともに100%となっている。経営状況は、施設利用率が低く効率的な施設運営の観点で問題がある状況である。しかしながら、当該事業区域は地理的に過疎化が一層進んでいる地域であり大きく好転させることは困難である。平成29年4月に地方公営企業法を適用し、企業会計方式に移行した。今後は、事業の計画性や透明性の確保、財政状況及び経営状況の透明化・明確化を図り、平成28年度に策定した中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」に沿って計画的で合理的な事業運営を図り、経営改善に努める。