地方独立行政法人大阪府立病院機構：大阪はびきの医療センター

地域において担っている役割

難治性の呼吸器疾患医療、結核医療及びアレルギー性疾患医療のセンター機能、エイズ治療拠点病院、大阪府がん診療拠点病院（肺がん）、感染症指定医療機関（結核病棟及び第２種感染症病床）、２次救急告示病院（呼吸器内科）、指定障害福祉サービス事業者（重症心身障がい児者医療型短期入所（空床利用型））、妊婦健診、乳児健診、がん検診受託、立地自治体及び周辺市町村における唯一の分娩取扱医療機関

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率：経営努力による改善に努めたことから、平成29年度は、前年度より1.5ポイント改善、経常収支比率100％を達成した。②医業収支比率：平成29年度は、費用増を上回る、診療単価の増等による医業収益増により、前年度より1.6ポイント改善した。③累積欠損金比率：平成26年度から累積欠損金が発生しているが、経年的な取り組みにより年々減少しており、平成29年度は前年度より1.4ポイント改善した。④病床利用率：平成29年度は、前年度とほぼ同等の横ばいであるが、類似病院平均値より1.9ポイント下回った。⑤入院患者１人１日当たり収益：年々増加傾向であり、平成29年度は耳鼻咽喉科の開設等により、前年度より2,323円増加した。⑥外来患者１人１日当たり収益：年々増加傾向であり、放射線治療の再開や画像生理検査の増加により前年度より419円増加したが、依然として類似病院平均値より下回って推移している。⑦職員給与費対医業収益比較：前年度と同様に医業収益の拡大に努め、平成29年度は前年度と同水準を保った。⑧材料費対医業収益比率：手術件数の増加や高額医薬品の採用により材料費は増加したが、医業収益も増加したため、平成29年度は前年度と同水準を保った。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率：平成29年度は前年度より3.8ポイント上回り、類似病院平均値より7.6ポイント上回った。老朽化が進んでおり、平成34年度中の建替えを予定している。②器械備品減価償却率：類似病院平均値より11.2ポイント下回っており、平成34年度中の建替えに向け、必要性等を考慮しながら計画的な設備投資を行う必要がある。③１床当たり有形固定資産：平成29年度は、類似病院平均を13,345千円下回っている。

全体総括

平成29年度においては、医療提供の充実のために、救急告示病院として2次救急患者の受け入れ、アレルギー疾患への対応強化のため耳鼻咽喉科の開設、複数診療科の連携によるアレルギー疾患に対する専門医療の提供体制の充実等から、経営の健全性・効率性の面で、前年度と比べ改善している。今後も良質な医療サービスを継続的に提供するために、医療ニーズの質の変化や患者動向等にも迅速に対応できるように取り組むとともに、更なる経営改善を行い、安定的な病院経営に取り組んでいく。