経営の状況について
●収益的収支比率H29:108.0%毎年度の余剰金相当額を一般会計へ繰出すものとしていることから、収益的収支比率については、100%前後で推移している。●営業収支比率H29:201.6%H29における営業収支比率は200%を超えており、単年度営業収支は黒字となっている。しかし、H26をピークに毎年比率は下がってきている。これは、燃料価格の下落に伴う売電単価の下落が原因である。H30.11月以降は、固定価格買取制度が終了するため、営業収益はさらに下がることが見込まれることから、より一層コストを意識した運営に努める必要がある。●供給原価H29:11,546.2円供給原価は、H27をピークに毎年減少している。これは、売電金額が減少していることに伴い、一般会計への繰出し金額も減少していることが原因である。また、供給原価の全国平均と比較しても、大きく下回っていることから、比較的効率的な運営ができていると思われる。●EBITDAH29:22,925千円EBITDAは、H26以降毎年上昇している。つまり、収益性はH26以降向上していることを示している。これは売電金額は年々減少しているが、総費用がそれ以上に減少したことによるものである。EBITDAは毎年上昇するべき数字であるものの、H30.11月以降の固定価格買取制度の終了に伴い、売電金額が大幅に減少することが見込まれるため、今後は運営経費の削減に努める必要がある。
経営のリスクについて
●設備利用率H29:68.8%設備利用率は、H28と比較するとわずかに減少しているものの、全国のごみ発電施設の平均値以上の数値となっている。実際の運営状況としても、設備の不具合の早期発見に努め、定期点検による発電停止以外は安定した発電を行うことができている。●修繕費比率H29:0%修繕費比率については、発電設備等の修繕を実施していないことから、0%となっている。これは、定期点検等において適切な設備点検を実施しており、発電設備等の修繕を要しなかったためである。●企業債残高対料金収入比率H29:0%企業債残高対料金収入比率については、H23に地方債の償還が全て完了したことにより、H24以降は0%となっている。●FIT収入割合H29:70.6%FIT収入割合は、過去5年間において全国のごみ発電施設の平均値を上回っており、高い数値となっている。したがって、固定価格買取制度終了後は、大幅に売電金額が下がることが見込まれるため、より効率的な発電を行う必要がある。
全体総括
●経営の状況および経営のリスクの指標において、H29末時点では比較的良好な数値となっている。しかし、施設稼働後20年が経過している設備があり、経年劣化に伴う不具合が発生する恐れがあるため、不具合を未然に防ぐための点検業務を講じながら、適正な維持管理に努め、安定した発電を行う必要がある。●固定価格買取制度がH30.11月で終了となり、それ以降は売電単価下落による大幅な収入減になることが見込まれる。今後も売電契約は入札方式にて実施し、より有利な売電をするとともに、施設運営に必要な経費を改めて見直し、無駄のない効率的な発電に努める。