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財政力指数は27年度決算では、前年度0.01ポイント低下の0.59となっている。類似団体の平均(0.67)では下回っているが、全国(0.50)及び長野県(0.39)の平均は上回っている。町土の80%以上を森林が占め、可住地面積の少ないコンパクトな地域的特性により、行政効率が高く、基準財政需要額が低めに算出されることもあるが、地方税等の自主財源確保と歳出削減を一層図ることとし、財政基盤強化に努めていく。
経常収支比率は、23年度決算から70%台を維持している。類似団体平均(84.7%)の中では上位の数値であり、全国(90.0%)及び長野県(83.5%)の平均に対しても大きく下回っている。比率改善の大きな要因としては、持続可能な健全財政構築のために策定した『行財政経営プラン』に基づく人件費の抑制、公債費の縮減が影響しているものと考えられる。今後も行財政改革への取り組みを通じ経常経費の削減に努めていく。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、全国平均で1,512円上回っているが、類似団体及び長野県の平均では下回っている。財政の硬直化を招くとされる義務的経費である人件費は、『行財政経営プラン』に基づき抑制を行ってきており、今後もプランに沿った中長期的な計画的採用を検討し、実施していく。物件費においては、23年度からも年々増加傾向となっていることから、最小の経費で最大の効果が上がるよう行財政運営に努めていく。
ラスパイレス指数は対前年度で1.4ポイントの増となっているが、類似団体平均(97.3%)、全国平均(99.1%)、全国町村平均(96.3%)の全てと比較してもまだまだ低水準であると言える。今後も適正な給与水準を維持する一方で、人事考課制度の運用による公正な職員配置を図り、更なる住民サービス向上へ結びつけていく。
人口千人当たり職員数は、類似団体平均(7.49人)、全国平均(6.96人)、長野県平均(7.85人)の全てに対し上回っている。対前年度で0.15ポイントが上昇しているが、1名の職員数の増と、人口の減少が数値が上昇した要因となっている。職員数については『行財政経営プラン』により、定員適正化計画を基に、3分の2方式を基本に取り組んできた結果、目標を達成している。今後も引き続き、世代の偏りが生じないよう年間の必要職員数を平準化して確保しつつ、住民サービスに見合った定員管理を行うことしている。
実質公債費比率(0.0%)は、前年度よりも0.4ポイント低下し、年々比率が低下してきている。類似団体平均(7.1%)、全国平均(7.4%)、長野県平均(6.4%)の全てに対し下回っており、良好な結果を表している。27年度単年度比率としては、前年比微増となり、今後は近年実施してきた大型投資的事業である赤砂崎公園整備事業、小学校改築事業、庁舎耐震改修事業などの借入金の償還が本格的に始まることから、28年度以降実質公債費比率の上昇が予想されるが、引き続き財政を圧迫することがないよう計画的な公債費管理に努めていく。
将来費負担比率(108.0%)は前年度対比で7.6ポイント減少し、類似団体平均(20.2%)、全国平均(38.9%)、長野県平均(8.7%)の全てに対し上回っている。湖周2市1町で進めているごみ処理施設の整備に係る一部事務組合への負担金の増が昨年度に比べ大幅な増となったが、控除項目である充当可能財源等に含まれる基準財政需要額算入見込額がそれ以上に増額となったことから、7.6ポイントの比率の改善につながった。本比率が他団体に比べ高くなっている主な要因である土地開発公社に係る負債については、解消計画に基づき計画的に解消を進めていくとともに、今後実施する投資的事業においても特定目的金を計画的に準備し活用していくことで起債額を抑えるなど、中長期的視点に立った「計画投資」を推進していく。
人件費にかかる経常収支比率(22.0%)は、長野県平均(20.8%)を上回っているものの、類似団体平均(22.6%)、全国平均(23.3%)を下回っている。この結果は、『行財政経営プラン』に基づく人件費の削減が図られた成果であり、引き続き、定員適正化計画等を基に、職員の定員管理に努め、人件費抑制を進めていく。
物件費に係る経常収支比率(10.6%)は、対前年で0.9ポイント低下し、類似団体平均(15.1%)、全国平均(14.3%)、長野県平均(12.9%)の全てと比較しても下回っている。物件費の中で、多額の経費を要する経常的な委託料や備品購入費においては、その年度に必要な経費を厳選して執行を行い、前年度決算額ベースに対し大きく経費が上乗せとならないように見直し等を進めていく必要がある。引き続き徹底した対応をおこない経費節減を進めていく。
扶助費にかかる経常収支比率(4.8%)は、近年横ばいで推移しており、対前年度では0.1ポイントの低下となっている。類似団体平均、全国平均、長野県平均の全てに対して下回っているが、当町の高齢化率は他市町村に比べても高く、社会福祉にかかる決算額が増額傾向にあるため、将来の扶助費増加が懸念される。国及び県の施策の動向に注視し、単独事業の見直しや経費抑制に努めていく必要がある。
その他にかかる経常収支比率(11.7%)の内訳は、維持補修にかかる経常経費(0.3%)と繰出金にかかる経常経費(11.4%)を合算した比率である。類似団体平均(13.7%)、全国平均(13.2%)、長野県平均(12.9%)の全てとの比較で下回っている。低下となった要因としては、分母となる経常一般財源の増(地方交付税等の増)に伴うものであり、操出金自体の額としては昨年度より6.9%上昇している。今後も国民健康保険特別会計や後期高齢者医療広域連合への負担金は増えていくことが予測されるが、医療費抑制の啓発等の実施や、保険税等の見直しも検討しながら、引き続き適切な経費削減に努めていく。
補助費にかかる経常収支比率(12.0%)は対前年度で1.0ポイント上昇したことにより、全国平均(10.0%)は上回ったものの、類似団体平均(12.9%)や長野県平均(13.6%)と比較すると引き続き下回っている。比率上昇の要因としては、平成27年4月からの広域消防一元化に伴う負担金の皆増、2市1町によるごみ処理施設の整備に伴う一部事務組合への負担金の増によるものである。当初予算編成時に毎年行っている補助金・負担金の見直しは、今後も引き続き取り組むこととしており、適正、公平な補助金負担金の交付に努めていく。
公債費にかかる経常収支比率(12.7%)は対前年度で0.9ポイント減少しており、類似団体平均(13.2%)、全国平均(17.4%)、長野県平均(16.2%)の全てに対して下回っている。平成28年度以降については、近年実施してきた大型投資的事業での借入金の償還が本格的に始まることから、公債費が増となっていく見込みである。起債の目的を最大限に生かし、将来に偏った負担を残さないよう、繰上償還の活用の検討や年度ごとの元金償還額を超える新規借入を抑制するなど、起債残高と公債費の平準化に努める。
公債費以外にかかる経常収支比率(61.1%)は類似団体平均(71.5%)、全国平均(72.6%)、長野県平均(67.3%)の全てとの比較で大きく下回っていることから、公債費が大きく影響していることが分かる。財政硬直化の主要因となる「人件費」については、経常経費決算額も多額となるため、常に弾力的な見直しを含めて対応することで、自主財源の確保に努めていく。
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