上里町
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2013年度
2012年度
2011年度
2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2021年度)
財政力
財政力指数の分析欄
前年度に対し0.3ポイント減少しているが、類似団体中高い順位を維持している。社会保障費や公共施設の維持補修費の増加などにより、基準財政需要額は上昇傾向にあり、基準財政収入額である町税などの減により財政力指数は減少となったが、比較的安定した数値となっている。人口減少が見込まれる中、町税の確保や、上昇する社会保障費への対応が課題となっている。引き続き、行政評価等による事務事業の見直しや、指定管理者制度の実施などにより行政の効率化に努め財政の健全化を図る。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
県内各自治体の経常収支比率と比較すると、上里町の数値は84.2%と比較的、弾力性が保たれていると考える。上昇傾向にあったが、普通交付税の増額などにより減少となった。今後の見通しとしては、職員の定期昇給に加え、会計年度任用職員制度の導入による人件費の増加や、扶助費の増加に加え、公共施設の集約化などに伴う大きな起債事業が予定されていることから、比率は悪化していくものと考えられる。減債基金の活用など、財政的リスクを最小限に抑制し、安定した財政運営を行う。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人口一人当たりの決算額は、類似団体内では1位である。人件費については、他の団体と比べ職員数が少ないことや、ゴミ処理、消防、学校給食業務等を一部事務組合で行っている事と、物件費については、行財政改革による物件費抑制の状況を維持していることから、それぞれ低水準を維持してきた。今後、退職者の減少や会計年度任用職員制度の導入に伴う、人件費の増額の懸念がある。今後も適正な職員の定員管理等による人件費の抑制を行うとともに、一部事務組合への負担金なども含めた経費の抑制に努める。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
退職職員数の減小や昇給昇格等、職員構成の変動などにより、人件費は増加傾向にある。退職職員の減少による上昇分が影響し、全国町村平均を上回るものとなっている。また、少ない職員数の中、一人一人に求めれる能力が高水準であり、職員の能力向上を図る上でも高い指数が維持されている側面もある。職員の新採用を行うことにより給与水準が引き下げられ、減少傾向にある。今後とも、職員の能力向上を図る一方で、給与水準の適性化に努める。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
職員定員管理計画に基づき、定年退職者の不補充を行ってきたことにより、類似団体内順位は上位となっているが、退職者の減少、業務増加による職員採用などにより、指数は上昇傾向となっている。今後は、職員不足による時間外労働の増加や、会計年度任用職員への依存とならないよう、事務の効率化など行財政改革の推進に努めるとともに、本町にとって適切な定員管理を行う。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
前年度に対し0.1ポイント上昇している。元利償還金の額が、14,746千円増加したことが主な要因。これは、防災行政無線デジタル化整備事業に係る災害対策事業債の償還額増加によるもの。総合文化センター運営事業債、小学校管理運営事業債などの償還と、公共施設の改修工事等に伴う地方債発行が見込まれる影響で、実質公債費比率の上昇は避けて通れない見通しであるが、減債基金の活用や計画的な地方債発行により償還額の平準化と経常経費の確保を図る。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
前年度に続き改善している。組合や退職手当の負担等見込額は減となったが、地方債の現在高が169,850千円の増などにより、将来負担額は103,446千円の増額となった。公共施設の更新等への備えとして、基金の積立てを積極的に行ったことにより、充当可能財源等が増加したことで、指標なしという結果となった。しかしながら、教育施設整備基金などの特定目的基金は、学校施設の更新など、将来に発生する財政需要への充当が見込まれるため、令和3年度決算における将来負担額への備えと言えない側面もあり、注意が必要である。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)
人件費
人件費の分析欄
昇給・昇格や、職員・会計年度任用職員の採用に伴う、職員給全体の底上げにより46,430千円の増となったが、比率は人件費の増を経常一般財源の増が上回ったため、1.4ポイントの減となった。類似団体に対し、人件費の割合は低く推移しているのは、職員数が少ないことに加え、消防、学校給食業務を一部事務組合で行っていることが挙げられる。人件費は上昇傾向であることから、本町にとって適正な職員給与のあり方の検討に取り組む。
物件費
物件費の分析欄
類似団体平均と比較すると低く推移しており、物件費に係る経常的支出は1.5ポイントの減となった。休館に伴う老人福祉センター指定管理委託料の皆減や、道路維持管理業務委託料、地域子育て支援拠点事業委託料などの減額が要因。限られた職員数の中、多様化する業務への対応により、委託料が増加傾向にあるが、委託仕様の見直しや効率化により、経常的支出の抑制に努める。
扶助費
扶助費の分析欄
障害児通所給付費、障害児通所給付費、こども医療費が増となったことなどにより47,110千円の増となったが、比率は扶助費の増を経常一般財源の増が上回ったため、0.6ポイントの減となった。子育て、高齢者、障害者支援は町の重点施策であるが、国県の適切な役割分担のもと、単独事業の見直しなどにより、扶助費の上昇の抑制に努める。
その他
その他の分析欄
その他の経常収支比率は、類似団体平均を下回っているが、前年度から0.3ポイント上昇している。これは、国民健康保険特別会計をはじめ、すべての特別会計繰出金が増額となった事などが影響している。高齢化率の上昇より社会保障費は増加傾向にあり、各保険事業への繰出に関しては、加入者数の状況と保険料のバランスについて検討を行い、経費節減と適正な事業促進に努める。
補助費等
補助費等の分析欄
コミュニティ助成事業助成金や、上里土地改良区補助金が増額となったが、分子の増を上回る分母の増となったため、1.5ポイントの減となった。しかし、引き続き高い指数を維持している。これは、ごみ処理、消防、学校給食に係る事業を、一部事務組合で担っていることが大きな要因となっている。今後、一部事務組合所有資産の老朽化対策等が予定されているため、補助費の増加が懸念される。
公債費
公債費の分析欄
公債費は「防災行政無線デジタル改修化事業」や、令和2借入分の「臨時財政対策債」などの償還開始により22,817千円の増となった。比率は公債費の増を経常一般財源の増が上回ったため、1.2ポイントの減となった。現在、償還ピークを迎えており、各種計画に基づく改修工事など、地方債発行を伴う大規模な起債事業も予定していることから、さらなる公債費の上昇が見込まれている。今後、減債基金の適切な運用などにより、償還財源の確保を図る。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費以外については、その他以外の項目で減となったことから、前年度比4.7ポイント減少し、類似団体平均を下回っている。今後、会計年度任用職員制度の導入による人件費の増加や、高齢化率の上昇による扶助費の増加、一部事務組合等への補助費の増加などが見込まれ、さらなる財政の硬直化が懸念されることから、全体のバランスに考慮し、計画的な基金への積立てや事業選択により、経常経費の抑制に努める。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)
目的別歳出の分析欄
令和3年度の大きな特徴としては、子育て世帯への臨時特別給付金事業の増などにより、民生費が前年度に対し23.6%の増額。新型コロナワクチンン接種関連事業の皆増などにより、衛生費が前年度に対し39.5%の増額。小学校管理運営事業工事費の皆増などにより、教育費が前年度に対し21.5%の増額となった。減額となった主なものは、特別定額給付金事業の皆減により、総務費が前年度に対し64.0%の減額。プレミアム付商品券発行事業補助金の皆減などより、商工費が前年度に対し23.9%の減額。防災行政無線同報系デジタル改修工事費の皆減などにより、消防費が前年度に対し18.8%の減額となった。目的別歳出においては、臨時的支出の大小が主な増減要因であり、それぞれ財源を伴うものが多く、義務的経費の確保に大きな支障とならず、また事業終了後は平準化すると考えられる。そのような中、注視しなければならないのは、民生費、公債費の額である。民生費は、令和1に公立保育所の新築により大幅な上昇となり、高齢化率の上昇に伴う医療・介護に対する繰出金の増や、障害者福祉制度の充実や普及により、経常的支出についても増加傾向となっている。公債費は今後も上昇し、9億円を超える償還ピークが続くと見込んでいる。建設事業に関しては国県補助はもとより、交付税措置のある地方債を活用していることからも、減債基金の適切な運用など、公債費の上昇への備えが必要である。また、ほぼすべての項目について、類似団体の平均値を下回る結果は、上里町の人口に対する財政規模がコンパクトであり、効率の良い行財政運営を示すものとなっている。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)
性質別歳出の分析欄
本町の特徴として、ごみ処理、消防、学校給食業務を一部事務組合で行っていることや、人口に対する職員数が少ないことにより、人件費や物件費は類似団体平均を大きく下回っている。他の性質別歳出においても概ね平均を下回るものとなっており、人口に対するコストが低いとことを示している。補助費等の減は、令和2に特別定額給付金事業が実施された臨時的要因によるものであり、令和1以前の水準に戻ったものである。扶助費は、子育て世帯への臨時特別給付金や、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金の増などの影響で増額となった。新型コロナウイルス感染症に伴う受診控えの減から、こども医療費なども増加傾向にあり、経常的支出は増加している。普通建設事業費は、長幡小学校校舎棟・特別教室棟事業や、神流リバーサイドロード事業などの増により増額となった。アセットマネジメントに基づく公共施設の更新や、駅北まちづくり事業など新たなまちづくりに向けた都市整備への備えが必要となっている。公債費は「防災行政無線デジタル改修化事業」や、令和2借入分の「臨時財政対策債」などの償還開始により増となっている。今後も償還ピークが継続する見込み。繰出金は国民健康保険特別会計、介護保険特別会計、後期高齢者医療事業特別会計、農業集落排水特別会と、すべての特別会計に対して増額となった。積立金は、財政調整基金積立金110,535千円、公共施設等用地取得及び施設整備基金229,797千円、教育施設整備基金積立金100,028千円、当初取崩しの回復と交付税再算定における起債償還分として減債基金積立金312,758千円を中心に積立を行った。
実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)
分析欄財政調整基金は、総合振興計画により「標準財政規模比20%を目標とする」としている。令和3においては45,083千円の取崩しと、110,535千円の積立てを行った。実質収支額は増となっているが、町税、地方消費税交付金、地方交付税の増や、繰越事業に伴う不要額の増が影響している。実質単年度収支は、前年度と同額程度となっている。引き続き、実質収支額が過大とならないよう、具体性のある予算編成に努める。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)
分析欄全会計を合わせた標準財政規模に対する連結実質赤字比率は21.72%の黒字となり、昨年度から5.86ポイント上昇している。一般会計については、予算編成の時点で、町税等歳入予算の増額や歳出予算の抑制など全体的なバランスを見直し、実質収支額の圧縮に努めた。国民健康保険特別会計については、社会保険加入促進や後期高齢への移行などにより、給付が抑制されたものと考えられる。介護保険特別会計はサービス利用者の増加に伴い保険給付は増となっているが、介護予防事業などの効果もあり、収支は良好な状況を維持している。水道事業会計については、大口使用者の使用水量減少による減収の影響などにより、経営計画の変革期を迎えている。現在、管路を含めた水道施設の老朽化対策や、営業収益の減少を見据え、長期的視点による経営健全化計画を検討している。下水道事業会計についても、町からの補助や出資が必須となっている状況から、水道事業同様に経営健全化に向け事業計画の見直しを行うこととなっている。その他の特別会計等については、概ね例年並みの比率となっている。
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実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)
分析欄元利償還金の上昇は、大規模起債事業や、令和2借入分の「臨時財政対策債」の償還開始によるもの。元利償還金の増に合わせ、地方債残高も増加している。令和3における公債費は、前年度に対し14,746千円の増加。今後、9億円前後のピークが数年間継続し、その後は落ち着きを見せるものと予測しているが、各種計画に基づく改修工事等、大きな地方債発行により、償還ピークはさらに延長される見込みである。町債の発行には、基準財政需要額への算入割合など、より有利な財源を厳選し、後年度の財政負担の軽減を図る。
分析欄:減債基金満期一括償還に係る積立なし。
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将来負担比率(分子)の構造(2021年度)
分析欄新たな地方債の借入などにより、地方債現在高が前年度に対し169,850千円の増となり、他の数値は同程度か減少したが、将来負担額は総額で103,446千円の増額となった。さらに、充当可能基金が364,162千円の増となるなど、充当可能財源等についても前年度に対し、総額で364,162千円の増額となったため、将来負担比率は大きく改善した。しかしながら、充当可能基金の多くは特定目的基金として今後発生する財政需要財源であって、現在の債務への充当財源ではない。将来負担比率の分子がマイナスとなった状況にあっても、財政健全化の取組みを継続し、持続可能な行政運営にむけ、基準財政需要額の確保と地方債の適切な管理運用に努める。
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基金残高に係る経年分析(2021年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)健全な財政状況を反映し、基金総額は増加傾向にある。各事業への充当額に対し、積立額が上回ったことにより、基金残高は364,671千円の増額となった。(今後の方針)財政調整基金や減債基金については、財源調整や公債費の上昇にあわせ、一定程度の残高を維持する必要がある。また、特定目的基金は公共施設再配置・維持保全計画に基づく公共施設等の維持更新を見据え、計画的な積立てを行う。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)令和3年度においては、当初予算の財源不足などによる45,083千円の取崩しと、第5次上里町総合振興計画に掲げる目標値に向け、決算見込による余剰分として110,535千円の積立てにより、年度末残高は1,503,569千円となっている。(今後の方針)財政調整基金は令和3決算後、過去最高額の1,503,569千円となった。これは、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮した一時的な増額である。上里町総合振興計画により「標準財政規模費20%を目標とする」としているため、12億円程度の積立てが目標額となるが、その残高が問題視される側面もあるため、当面は、具体性を持った特定目的基金の活用を重視していく。
減債基金
減債基金
(増減理由)令和3年度においては、防災行政無線デジタル化改修事業などの起債償還財源として150,000千円の取崩しに対し、今後の公債費の増額への備えとして312,758千円の積立てを行った。(今後の方針)減債基金は、令和2からの公共施設等適正管理推進事業債や、災害対策事業債の償還開始によりピークを迎えていることから、令和3年度は前年度に引き続き150,000千円の取り崩しを行った。災害対策事業や中学校管理運営事業など、規模の大きな事業については、交付税算入の見込める有利な地方債を活用していることや、臨時財政対策債の重層的な償還が見込まれることから、減債基金の重要性が高まっている。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)「公共施設等用地取得及び施設整備基金」道路事業や庁舎など公共施設全般の新規取得、更新、維持管理に充当する。「いきいき福祉基金」保育所や保健センターの整備など、福祉の増進や健康づくり・生きがいづくりの推進を図るために実施する事業に充当する。「教育施設整備基金」小中学校や体育館、公民館整備事業等に充当する。(増減理由)公共施設等用地取得及び施設整備基金は、リバーサイドロード事業や、図書館常設展示室改修工事などの費用として162,605千円を取り崩し、今後の用地取得費用や公共施設の再配置や維持管理の財源として229,797千円の積立てを行った。また、町営上里ゴルフ場用地取得費用として、21,167千円の積立てを行い、取崩しは行わなかった。教育施設整備基金は、長幡小学校校舎棟改修工事や、上里東小学校体育館トイレ改修工事などの財源として30,772千円の取崩しを行い、小中学校の長寿命化や大規模改修を見据え、100,028千円の積立てを行った。いきいき福祉基金は、運用利子113千円の積立てを行い、取崩しは行わなかった。(今後の方針)特定目的基金は公共施設の維持更新や老朽化対策の財源とするものであり、令和2年3月策定の「上里町公共施設再配置・維持保全計画」に基づき、更新等に係る事業計画が開始されている。平成29年3月の「公共施設維持管理等調整プロジェクトチーム」の報告によると「公共施設の多くは設置後40年を経過しているものが多く、今後9年以内に修繕が必要な施設が97.07%、総額は78億6千万円」と試算されている。安定的な行財政運営のためには、各公共施設の適切な維持補修により更新計画の長期化を行い、単年度財政需要の減少と平準化を図るとともに、財源については補助事業を最大限に活用することを基本とし、併せて地方債や基金の有効活用により、一般財源の充当を出来るだけ抑制する必要がある。このような背景から、特定目的基金の積立てを強化していく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
前年に引き続き上昇し、類似団体平均と比べ1.4ポイント下回る償却率となっている。令和3年度中には上里町総合文化センターの安全改修工事により市民会館が減少となったものの、他の各施設の減価償却が進んだことにより全体では0.7ポイントの上昇となった。保育所が9.2%、消防施設が27.3%と低い償却率となっている一方で、他の施設は概ね50%を超える償却率となっている。特に学校施設が72.9%、体育館が78.6%と高い償却率となっており、教育施設を中心に公共施設の老朽化が進んでいることを示している。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
小中学校管理運営事業や臨時財政対策債の発行に伴う地方債現在高の増などにより、将来負担額は総額で103,446千円の増額となった一方で、充当可能財源については、充当可能基金の増により前年度に対し364,162千円の増額となり、分子全体では260,716千円の減額となった。分母については、臨時財政対策債発行可能額の増などに伴い経常一般財源等(歳入)等が655,756千円の増となったことが影響し、全体では462,906千円の増となった。結果、債務償還比率は減少となった。充当可能基金の多くは特定目的基金として今後発生する財政需要財源であって、現在の債務への充当財源ではないことや、今後も神流リバーサイドロード事業や公共施設の維持保全に係る改修工事などの大規模起債事業が予定されており、将来負担額の増加が見込まれることからも、財政健全化の取組みを継続し、持続可能な行政運営にむけ、基準財政需要額の確保と地方債の適切な管理運用に努める。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担比率は昨年度に続き算定無しとなったが、これは退職手当負担見込額の減などにより、将来負担額が5,073万5千円の減、また、財政調整基金や減債基金への積立てを強化したことから、充当可能財源等が前年度に対し3億308万3千円の増となったためである。公共施設等総合管理計画や公共施設再配置・維持保全計画(令和元年度策定)に基づき、今後、計画的に公共施設の改修等が予定されている。その財源として、新たな地方債の発行や、充当可能基金の取崩しが見込まれており、これにより将来負担比率が増加するとともに、有形固定資産減価償却率の減少が想定される。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率は平成24年度をピークに減少し、平成30年度より算定無しとなっている。実質公債費比率も平成25年度をピークに大きく改善をしているが、平成28年度決算における実質公債費比率の改善は平成25年度に大きく上昇した単年度公債費比率16.7%の影響を受けなくなったことが要因となっていて、上里中学校(屋内運動場)改築事業債の償還が開始されるなど、単年度公債費比率は上昇傾向にある。充当可能基金の積立て強化により将来負担比率は減少しているが、令和元年度においては、水道事業において操出基準の見直しを行った事と、下水道事業においてH25企業債の償還が開始された事による公営企業会計へ繰出す準元利償還金の増加により実質公債費比率は上昇となり、令和2年度においては、防災行政無線デジタル化事業(122.5百万円)や公立保育所整備事業(425.9百万円)などの償還開始により、実質公債費比率は上昇している。令和3年度については、災害対策事業など令和3年度に償還開始となった額が、令和2年度に償還終了となった額を上回った事により、0.1ポイントの増となった。令和4年度以降も公共施設の維持保全などに係る地方債の発行により公債費は高い水準で推移することが見込まれる中、引き続き減債基金の適正な運用などにより健全な財政運営を図る必要がある。
施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)
施設情報の分析欄
認定こども園・幼稚園・保育所については、保育所新園舎整備により令和2年度に償却率は大きく減少し、令和3年度についても類似団体中最小値と低い数値となっている。そのほか、学校施設の有形固定資産減価償却率が72.9%、公民館も71.7%と比較的高い数値となっている。町内の小中学校や地区公民館は昭和48~59年にかけて建築されたものが多く、更新時期を迎えている。公共施設総合管理計画や劣化状況調査などを経て、先行的に、老朽化や劣化の著しい神保原小学校と上里北中学校については令和元年度に改修を行った。上里町においても公共施設の老朽化対策が大きな課題となっている中、今後、公共施設再配置・維持保全計画(令和元年度策定)に基づき、計画的な更新を行っていく必要がある。また、認定こども園等の一人当たり面積が低くなっているが、これは、公立保育所が1園、民間保育所等が6園と、民間の比率が高いことによるもの。また、児童館の一人当たり面積が多くなっているのは、町内五つの小学校区すべてに公立の児童館が配置されていることによるもの。
施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)
施設情報の分析欄
消防施設の減価償却率が27.3%と低い数値となっているのは、平成27年度、平成28年度と消防庁舎の更新を行ったことが影響している。また、一般廃棄物処理施設の一人当たり有形固定資産額が他の団体と比較し高い数値となっている。これは小山川クリーンセンター(ごみ)と利根グリーンセンター(し尿)の固定資産額に対し、分母となる人口が少ないことが要因となっている。消防施設や一般廃棄物処理施設は一部事務組合「児玉郡市広域市町村圏組合」で事業を行っており、構成市町で按分により事業費等の負担を行っている。市民会館の減価償却率が50.2%と前年と比較し10.3ポイント減少しているが、これは上里町総合文化センターにおいて、安全改修工事を行ったためである。その他、保健センター71.2%や、福祉施設(老人センター)68.0%など、医療・福祉関連の施設について比較的償却率が高くなっており、これらの施設については公共施設再配置・維持保全計画(令和元年度策定)において、機能を統合し、集約・複合化建替が予定されている。また、体育館・プールの償却率が78.6%と高い数値となっている。昭和62年度建築の町民体育館の老朽化が主な要因である。
財務書類に関する情報①(2021年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等については資産総額が前年度に比べ219百万円、0.52%の減となった。追加交付に伴う普通交付税の増により現金預金が361百万円、令和3年度発行分の臨時財政対策債償還に備えた減債基金の積み増しにより基金(流動資産)総額が228百万円の増となったものの、各資産の減価償却が進んだため減となっている。有形固定資産については将来に向けた維持管理や更新により支出が見込まれるものであるため、公共施設等総合管理計画等に基づき施設の集約化・複合化を進め、公共施設等の適正な管理運営に努める。負債については前年度に比べ123百万円、1.32%の増となった。変動の大きいものは地方債(固定負債)で、臨時財政対策債などの地方債借入額が償還額を上回ったことにより113百万円の増となった。水道事業、下水道事業会計を加えた全体では、資産総額は前年度に比べ230百万円、0.45%の減、負債総額は前年度に比べ72百万円、0.47%の減となった。資産総額は上水道管、下水道管等のインフラ資産を計上していることにより、一般会計等に比べ8,976百万円の増となった。負債総額についても施設整備や更新に係る借入の計上により、6,083百万円の増となった。土地開発公社、社会福祉協議会などを加えた連結では資産総額は前年度に比べ444百万円、0.77%の減、負債総額は前年度に比べ93百万円、0.57%の減となった。土地開発公社の保有する現金預金や児玉郡市広域市町村圏組合、本庄上里学校給食組合などの一部事務組合の資産を計上したことにより、一般会計等に比べ資産総額は15,315百万円の増、負債総額についても一部事務組合の借入金等により6,905百万円の増となった。
2.行政コストの状況
一般会計等については経常費用が9,778百万円となった。人件費等の業務費用は4,956百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は4,823百万円であり、移転費用は前年度と比較し2,411百万円の減となっている。これは特別定額給付金の減が影響しており、移転費用の内、補助金等が前年度と比較し3,225千円の減となっている。また、業務費用については最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等の3,314百万円である。公共施設の集約化・複合化を見据え、施設の適正管理により経費の圧縮に努める。全体では、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため一般会計等に比べ経常収益が581百万円の増となったが、国民健康保険特別会計などの負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が4,376百万円の増となり純行政コストは4,707百万円の増となった。連結では、連結対象企業との事業収益を計上しているため、一般会計等に比べ経常収益が848百万円の増となった。人件費や移転費用などにより経常費用が9,017百万円の増となり、純行政コストは8,169百万円の増となった。
3.純資産変動の状況
一般会計等については税収等の財源9,732百万円が純行政コスト9,604百万円を上回ったため、本年度差額は128百万円となったものの、上水道事業会計及び下水道事業会計出資金の計上区分の見直しにより、本年度純資産残高は342百万円の減となった。純行政コストや財源等のうち国県等補助金は前年度と比較し大きく減少しているが、これは特別定額給付金の減が影響したものである。補助費や社会保障経費等の経常経費は引き続き増加傾向であり、地方税の徴収業務の強化にも継続して取り組み、自主財源の確保に努める。全体では、国民健康保険などの特別会計の税収や保険料が含まれることから、一般会計等に比べ財源が4,884百万円の増となり本年度差額は176百万円の増、純資産残高は1,830百万円の増となった。連結では後期高齢者医療広域連合の国県等補助金が財源に含まれることから、一般会計等に比べ財源が8,148百万円の増となったものの、純行政コストが8,169百万円の増となったことが影響し本年度差額は22百万円の減、純資産残高については7,347万円の増となった。
4.資金収支の状況
一般会計等については、業務活動収支は1,241百万円であったが、投資活動収支については令和3年度発行分の臨時財政対策債償還に備えた減債基金への積立てや公共施設等の維持管理、更新に係る公共施設等用地及び施設整備基金への積立てといった基金積立金などへの支出により△1,049百万円となった。財務活動収支については地方債の発行額が償還額を上回ったため170百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から557百万円増加し、918百万円となった。全体では、国民健康保険などの特別会計の税収や保険料、水道料金等の使用料などが含まれるため業務活動収支は一般会計等と比べ338百万円の増となり1,579百万円となった。投資活動収支については水道管や下水道管の更新などにより△1,124百万円となっている。財務活動収支については、地方債の発行額が償還額を上回ったため44百万円となった。連結では、後期高齢者医療広域連合などにより業務活動収支は一般会計等と比べ332百万円の増となり1,573百万円となった。投資活動収支では児玉郡市広域市町村圏組合の施設整備などの支出により△1,124百万円となった。財務活動収支は地方債の償還額が発行額を上回ったため14百万円となった。
財務書類に関する情報②(2021年度)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額が類似団体を大きく下回っているが、公共施設等の維持管理に係る基金の積立を行っているものの、減価償却が進んでいることに加え、取得価格が不明な小中学校の設備や防火水槽などの工作物を備忘価額1円で評価していことによるものである。歳入額対資産比率については類似団体を0.14年上回り、有形固定資産減価償却率が類似団体を1.4%下回っているが、概ね近い数値となっている。老朽化した公共施設の複合化や長寿命化を検討し、適正管理に努める。なお、歳入額対資産比率が大きく増加しているのは分母となる歳入総額が特別定額給付金の減により減少したためである。
2.資産と負債の比率
純資産比率については類似団体を1.7%上回っている。純資産については令和3年度発行分の臨時財政対策債償還に備えた減債基金の積み増しにより基金(流動資産)総額が228百万円の増となったものの、各資産の減価償却が進み資産合計が219百万円減少したことから、純資産比率は前年度から0.4%減少している。将来世代負担比率は類似団体平均を4.6%下回っている。今後見込まれる公共施設の改修や更新については、対象となる地方債を厳選した上で積極的に基金を活用し、将来世代の負担の減少に努めていく。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは類似団体を8.9万円下回っている。特に、純行政コストのうち、社会保障経費が増加していく一方で、行政コスト全体額に対する人件費の割合が小さいことが影響し類似団体と比べ住民一人当たり行政コストが低くなる要因と考えられる。しかしながら今後、新採用職員が増加していくことが見込まれるため、人件費の上昇や児玉郡市広域市町村圏組合での施設の更新に係る補助金の増加などにも注視していく必要がある。なお、当該値が大幅に減少しているのは分子となる純行政コストが特別定額給付金の減により減少したためである。
4.負債の状況
住民一人あたり負債額は類似団体を10.6万円下回っている。前年度との比較では0.6万円増加しているが、これは令和3年度の借入額が償還額を上回り、負債合計が1億2,276万円増加したためである。基礎的財政収支については、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を下回ったため583百万円となり、類似団体を上回っている。投資活動収支が赤字であるのは、国県等補助金収入187百万円に対し、長幡小学校などの大規模改修工事や道路新設改修工事の推進などにより公共施設等整備費支出が850百万円であることが要因となっている。
5.受益者負担の状況
類似団体との比較では1.1%下回っているが、物件費や維持補修費などの経常費用の削減に努め、受益者負担比率の引き上げに努める。特に維持補修費については今後、老朽化した施設の集約化や長寿命化により、費用の削減を行う。
類似団体【Ⅴ-1】
加美町
高畠町
庄内町
西郷村
境町
上三川町
益子町
高根沢町
那須町
大泉町
邑楽町
上里町
横芝光町
愛川町
立山町
入善町
越前町
箕輪町
養老町
垂井町
大野町
池田町
吉田町
大口町
東浦町
武豊町
幸田町
東員町
菰野町
明和町
日野町
愛荘町
稲美町
多度津町
苅田町
大津町
さつま町