平塚市：平塚市民病院

地域において担っている役割

地域の中核病院として、高度医療・急性期医療及び政策的医療である小児・周産期医療を持続的に提供すると共に、救命救急センター（平成29年４月指定）として「断らない救急」の実践のほか、地域の医療機関との連携及び役割分担の下、地域医療を支援します。また、臨床研修病院としての教育機関、がん診療連携病院、災害時の医療拠点病院としての役割を果たします。

経営の健全性・効率性について

経常収支比率、医業収支比率が低い点は、診療報酬のマイナス改定や、平成30年度を完了予定とする市民病院整備事業に伴う工事及び病棟移転に向けた入院患者の受入抑制による患者数減少並びに建設費用の支出などを要因とした一時的な低下であると分析しています。紹介・救急患者の増加や新たな施設基準の取得による加算の算定などの取り組みによる成果が、施設及び入院収益の効率性に表れています。職員給与費は、臨時職員採用に伴う賃金増や退職給付引当金の算定方法の変更に伴う退職給付費増により増加したものの、平均を下回る水準を保ち、また、材料費は、医薬品の購入価格交渉の強化や後発医薬品の利用促進などの取り組みの成果が表れていることなどから、費用の効率性は、他病院と比較した中では概ね良好であると評価しています。今後増加が見込まれる企業債などの償還を進めながら医療を持続的に提供していくためにも、経営の安定化が必要です。

老朽化の状況について

市民病院整備事業により、新館の建設、機械・備品の更新を進め診療機能の高度化と診療体制の充実を図ったことにより、減価償却率は、平均を下回っています。一方、建設投資をしたことにより、１床当たりの有形固定資産は、平均を上回っている状況です。

全体総括

市民病院整備事業などによる一時的な経営の健全性の低下がみられるものの、収益や費用の効率性は各指標からも比較的高い水準にあると考えられます。今後も、新公立病院改革ガイドラインに基づき策定した市民病院将来構想の実現を目指して、収益の確保と費用の抑制を図り、健全経営に取り組んでいきます。