横須賀市：うわまち病院

地域において担っている役割

三浦半島の東部に位置し、地域医療支援病院、救命救急センター、地域周産期母子医療センターの指定を受けるなど、急性期医療を中心に回復期リハビリテーション病棟を保有し、横須賀・三浦二次保健医療圏において重要な役割を担っています。

経営の健全性・効率性について

「①経常収支比率」は新型コロナウイルス感染症関連の国庫及び県補助金による医業外収益の大幅な増加により、前年度のポイントを大きく上回りました。「②医業収支比率」は新型コロナウイルス感染症の影響による患者数の減と一般会計からの繰入金を繰戻したこと等に伴ない、前年度及び類似病院の平均値を大きく下回りました。「③累積欠損金比率」は０％を継続しており、黒字による健全経営を維持しています。「④病床利用率」は、新型コロナウイルス感染症クラスター発生を受け、一時診療体制を縮小したことから入院患者延数が減少し、前年度及び類似病院の平均値を下回っています。「⑤入院患者１人１日当たり収益」及び「⑥外来患者１人１日当たり収益」は、経年比較で横ばい～増加傾向にあり、類似病院の平均も上回っています。「⑦職員給与費対医業収益比率」及び「⑧材料費対医業収益比率」は、新型コロナウイルス感染症等の影響により医業収益が減少したため、前年度及び類似病院の平均値を上回っています。

老朽化の状況について

「①有形固定資産減価償却率」は上昇傾向にあり、類似病院の平均値をやや上回りました。なお、本館と外来棟は築50年以上経過し、老朽化が進んでいるため、2025年３月の開院を目標に移転建替え事業を進めています。「②器械備品減価償却率」は平均値を上回っているものの、器械備品の更新は計画的に行っているため、例年とほぼ同水準で推移しています。「③１床当たり有形固定資産」は類似病院の平均値を大きく下回っています。

全体総括

自治体病院として、救急医療や高度医療等の不採算部門の医療も担う中で、指定管理者制度（利用料金制）を導入し、経営の健全性の確保に努め、黒字経営を維持しているところです。今後は老朽化に伴う移転建替えにより、多大な費用の負担が必要となりますが、将来的な人口予測を踏まえながら、採算面を慎重に考慮して建替え後の病院の経営持続性を確保する必要があります。新市立病院のオープンまでも、地域における拠点病院としての役割を担っていくため、しっかりと療養環境を整えるとともに、コロナ禍においても健全な病院運営に努めていきます。