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東京都と隣接した立地等の要因から、安定した固定資産税収入があり、類似団体平均、県内平均を上回り、これまで不交付団体を維持している。しかし、その一方で、全国平均を上回る人口増加率と出生率等による財政需要の増加も見込まれていることから、引き続き行政の効率化や歳入確保に努める。
民間保育所事業運営費等の増加に伴う扶助費の増加(約14.2億円)や、公債費の増加(約3.5億円)により、比率は上昇傾向にある(対前年度比4.1ポイント上昇)。今後も扶助費が年々増加する見込みであること、老朽化している施設の大規模修繕や建て替えに伴い借り入れた、公債費の増加が見込まれることから、引き続き、事業の見直しなど効率化を図り、比率の抑制に努める。
人件費・物件費の決算額については、横ばい傾向である。類似団体平均と比べ高くなっているのは、主に物件費を要因としており、公共施設等で指定管理者制度を導入していることが挙げられる。今後も質の高いサービスを行うと同時に、職員一人一人がコスト意識を持ち、一層の経費の縮減に努める。
給与制度の総合的見直し時に、給料表の独自見直しを行ったことや他団体が実施している現給保障を実施しなかったことにより、数値は大きく減少している。今年は国及び本市の職員構成の変動等の要因により前年比で数値は若干の増加が見られた。本市は若手の積極的な登用を進めていることから、同年代の国家公務員よりも昇任ペースが早い傾向があり、結果的にラスパイレス指数を押し上げているが、今後もさらなる給与適正化に努めていく。
職員数については、平成28年度~平成30年度を期間とする戸田市定員管理計画に基づき、平成25年度4月1日の職員数898人を維持確保することを目標に取り組んでいる。一方で、毎年人口が増加しているため、人口千人当たり職員数は減少している。外部委託や指定管理の導入、大幅な事務事業の見直し等の進捗状況、財政事情等の変動要因も考慮し、各部門への人員配置数や増減も含めた総職員数の見直しも適宜実施し、市民サービスのレベルは維持しつつ、引き続き適正な定員の管理を行っていく。
実質公債費比率は、類似団体平均、県内平均を下回る数値で、近年はほぼ横這いで推移している。今後、公債費の増加が見込まれることから、引き続き計画的に事業を推進し、緊急性及び住民ニーズの把握に努め、世代間負担のバランスを図りながら、財源が起債に大きく偏ることのないよう、健全な財政運営に努める。
依然として類似団体平均、県内平均を上回っているが、「土地開発公社の経営の健全化に関する計画」に基づき、公社保有土地の買取り(約11億円)を行ったことから、債務負担行為に基づく支出予定額が減少したほか、充当可能な特定の財源(基金等)が増加したことから、前年度比較して将来負担比率は14.5ポイント減少した。引き続き公社の健全化を推進するとともに、適切な起債を行うことで、将来に過度な財政負担を残さない健全な財政運営に努めていく。
人件費の比率は類似団体平均、県内平均を下回って推移しているが、前年度に比べ1.2ポイント増加した。指定管理者制度によりコストの低減を図るなど、今後も引き続き、人件費関係経費全体について、さらなる適正化へ向けての取り組みを進める。
物件費の比率については、類似団体平均、県内平均を上回る水準で推移している。各種業務委託料が増加(人件費の上昇等による委託契約額の増)したことなどにより、前年度に比べ、0.2ポイント上昇している。今後とも、事務の効率化など見直しを行い、適正化に努める。
扶助費の比率については、前年度より1.4ポイント上昇し、引き続き類似団体平均を上回っている。主な要因としては、保育園の増設に伴う児童福祉関連経費と生活保護費(医療扶助)が大幅に増加したことが挙げられる。今後も子育て世代の多い本市では、扶助費の増加が見込まれるが、市の単独事業については適宜見直しを図るなど、適正化に努める。
その他のものとしては、繰出金や維持補修費等があり、比率は前年度から0.2ポイント上昇した。その主な要因としては、国民健康保険特別会計その他繰出金の増(約2.9億円)等、福祉関連の特別会計への繰出金が増加したことが挙げられる。引き続き事業の適正化を図り、繰出金の抑制に努める。
補助費等の比率については、平成26年度より類似団体平均を上回る水準で、ほぼ横ばいとなっている。この大幅な上昇は、下水道事業の企業会計への移行に伴い、繰出金から負担金・補助金へ組み替えたことによる。今後も市単独事業の見直し等により、引き続き補助金等の適正化及び削減に努める。
老朽化した公共施設の大規模な修繕や建て替えに伴う借入れの公債費が増加し、前年度より1.1ポイント上昇しているが、類似団体平均、県内平均を下回っている。今後、公債費のさらなる増加が見込まれることから、引き続き計画的な財源の確保に努め、健全な財政の維持を図っていく。
公債費以外の比率については、類似団体平均、全国平均を上回っており、前年度より3.0ポイント上昇している。特に、物件費及び扶助費の割合が高く、類似団体との差も大きい。今後とも、行財政改革を進めていくことで、上昇幅を抑えていくよう努める。
近年の傾向としては、標準税収入額の増加などから、実質公債費比率は減少傾向にある。その一方、老朽化した公共施設の大規模改修、再整備等に伴う地方債現在高の増加や充当可能基金の減少などにより、将来負担比率は増加傾向にある。結果として、類似団体平均とは対照的に、将来負担比率と実質公債費比率が反比例している。平成27年度については、実質公債費比率は若干増加となり、将来負担比率は、土地開発公社保有土地の買戻しに係る支出予定額の減少や、充当可能基金の増加などから2.2ポイントの減少となった。
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