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財政力指数は,平成26年度からの消費税引上げに伴う地方消費税交付金の増により基準財政収入額が増えたものの,基準財政需要額において,新費目「人口減少等特別対策事業費」の創設により大幅に増額となったため,財政力指数は前年度より0.1ポイント増の0.56となった。今後も健全な財政運営を持続するため,課税客体の把握や茨城中央工業団地への企業誘致を強化し,税収の増加に努めていく。
経常収支比率は,歳出面で国民健康保険特別会計及び介護保険特別会計への繰出金の増等はあるものの,歳入面において地方消費税交付金や地方交付税の増により歳入一般財源等が増額したため,82.1%と前年度から2.7ポイント減となっている。類似団体を下回っているが,今後は高齢化の進行による社会保障関係経費の増加が見込まれるため,行政のスリム化に積極的に取り組むとともに,町税等の安定的な自主財源の確保に努め,計画的な財政運営を図る。
人口1人当たりの人件費・物件費等決算額は,前年度から3,318円増加し106,919円となったが,類似団体平均は下回っている。人件費については,類似団体平均を上回っているため,定員管理の徹底等により給与の適正化に努めていく。物件費は類似団体平均を下回っているが,平成27年度より小学校統合に伴うスクールバスの運行が開始したことで前年に比べ増加したため,今後は物件費全体の更なる縮減に努めていく。
給与水準(国との比較)は前年度と同様の97.9であり,類似団体平均を上回ってるが,平成25年度以降は97%台で推移している。平成23年度及び24年度の指数が100を超えているのは,復興財源捻出に伴う国家公務員の給与削減によるものである。引き続き人事院勧告に準拠した給与改定を実施するとともに,級別職員数比率の見直しや職員構成の新陳代謝を図り,より一層の給与適正化に努めていく。
人口千人当たり職員数は,7.86人で類似団体平均を上回っている。町単独で消防本部を設置するなど,職員数が多くなる側面を有しているため,退職者に対する補充のバランスを考慮しつつ,「第四次定員適正化計画」に基づく職員数の適正化により,類似団体平均の水準に近付けるよう努めてきた。今後は,事務事業の見直しや民間活力の導入をはじめとした事務の合理化を進めながら,町民サービスの質の維持と,人件費の抑制の両立を図る。
前年度の文化的施設建設事業の延期に伴う繰上償還や補償金免除繰上償還がなくなり公債費が減となったこと及び臨時財政対策債をはじめとした基準財政需要額に算入される町債の割合が多くなっていることから,前年度より0.5ポイント減の8.5%となっている。今後も,大戸小や長岡小の大規模改造事業,広域ごみ処理施設整備事業による地方債の発行が見込まれるが交付税措置の高いものを選択していくことで適正な資金調達に努めていく。
葵小増築・大規模改造事業にかかる地方債を発行したことで,地方債残高が増加となっているが,公営企業については,過度な地方債の発行を抑制することで地方債残高が年々減少し,将来負担比率は前年度より8.4ポイント減となった。今後も,大戸小や長岡小の大規模改造事業,広域ごみ処理施設整備事業による地方債の発行が見込まれるが,適切に地方債の発行を管理し,将来世代の負担を軽減できるように努めていく。
人件費は前年度より1.1ポイント減の28.9%となったが,類似団体平均を上回る高い水準となっている。主な要因としては,町単独で消防本部を設置しているためである。今後は,特殊勤務手当の見直しや行財政改革の取組みを通じて人件費の削減に努めていく。
物件費は前年度より0.1ポイント減の10.3%となり,類似団体平均を下回る水準となっている。指定管理者制度の導入や民間業者への事業委託があまり進んでいないことから,人件費から物件費への移転が進んでいないことが主な要因として考えられる。今後は,行財政改革の取組を通じ,民間でも実施可能なものについては業務を委託するなど,経費削減の徹底に努めていく。
扶助費は前年度より0.4ポイント増の6.5%となったが,類似団体平均を下回る水準となっている。上昇の主な要因としては,平成27年4月より子ども子育て支援新制度に移行したことに伴う施設型給付費補助金の増加及び障害者自立支援事業にかかるサービス等給付費の増によるものである。今後は,少子高齢化の進行に伴い社会保障関係経費の増加が見込まれる事から,地域の実情に応じた様々な福祉政策を展開し,扶助費の抑制に努めていく。
その他は前年度より0.1ポイント増の19.0%となり,類似団体平均を上回る水準となっている。主な要因としては,国民健康保険特別会計,介護保険特別会計,農業集落排水事業特別会計,公共下水道事業特別会計への繰出金が類似団体を上回っていることが考えられる。今後は,国民健康保険税の見直しや,農業集落排水事業及び公共下水道事業の施設維持管理経費の適正化に努めていく。
補助費等は前年度より0.1ポイント減の7.4%となり,類似団体平均を下回る水準となっている。消防本部の単独設置により,一部事務組合への負担金が類似団体に比べて少ないことが主な要因として考えられる。今後は,補助団体の事業内容や収支状況等を精査し,必要性の低い補助金は見直しや廃止を図る。
公債費は前年度より1.9ポイント減の10.0%であり,類似団体平均を下回る水準となっている。主な要因としては、前年度の文化的施設建設事業の延期に伴う繰上償還や補償金免除繰上償還がなくなったことによるものである。今後は,大戸小や長岡小の大規模改造事業に係る地方債の発行が多額になることが見込まれるため,借入については交付税措置のある起債の活用を図るとともに,新規借入の抑制により財政の健全化に努めていく。
公債費以外は前年度より0.8ポイント減の72.1%となったが,類似団体平均を上回る水準となっている。主な要因としては,国民健康保険特別会計,介護保険特別会計,農業集落排水事業特別会計,公共下水道事業特別会計への繰出金が類似団体を上回っていることが考えられる。今後も,高齢化の進行により,国民健康保険,後期高齢者医療,介護保険への繰出金が増加する見込みであるため,保険料等の見直しを含めた経営改善に努めていく。
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