地域において担っている役割
当町は743㎢の広大な地域に約2,400世帯、人口約4,700人が居住している過疎地域であり、町内における医療機関は当該病院のほか、約30㎞離れた地区に、嘱託医師が週2日診療にあたっている診療所が1施設しかない状況です。このような状況から、当該病院は地域における医療を確保するために不可欠な病院であり、救急指定病院としても、その役割は大変重要です。
経営の健全性・効率性について
本年7月より新病院で開業し、2年目を迎えたところですが、本業の医業収支においては、依然として職員給与費が医業収益を上回るほど高く、加えて患者一人あり当たりの収益が低いことから、大変厳しい状況で推移しています。病院活動全体の経常収支は、これまで一般会計からの繰入金を増額し、何とか収支不足を解消していましたが、本年度においては、前年度同額の繰入となり結果、1千3百万円超の欠損を生じました。特に費用面においては、会計年度任用制度への移行に伴う給与費の増、新病院施設設備・医療機器等に要する維持管理費が増加要因となっており、経費削減への取り組みが必要となっています。
老朽化の状況について
令和元年7月より新病院に移転・開院。
全体総括
過疎地域における病院経営は、大変厳しい状況下にありますが、最寄りの医療機関への距離も遠いことから、地域で医療体制を確保する上では、町が病院を開設せざるを得ない状況です。高い人件費と低い診療単価及び患者数の減による収支不足の解消には、一般会計からの繰入れは不可欠となっており、最小限に抑制する打開策は見当たらないのが現状です。新病院での運営が本格化し、診療材料や経常的経費等の増が見込まれますが、病院職員の経営に対する共通認識を高め、経費の抑制及び収益増に向けて取り組み、安定した医療体制を維持できるよう、収支の均衡に努めます。