日向市：日向市立東郷病院

地域において担っている役割

公立医療機関、また、国民健康保険診療施設として、過疎地である東郷地域における医療の提供や、保健及び福祉との連携により地域住民の健康の保持増進を図っていく役割を担っています。

経営の健全性・効率性について

年度を通して入院診療を休止したことにより、病床利用率及び入院収益(入院患者1人1日当たり収益)はゼロとなりました。一方で、新たに、医師と臨床検査技師を採用し、外来診療体制を拡充したため、外来収益は増加し、外来患者1人1日当たり収益も増加しました。なお、外来収益は増加したものの入院収益が皆減となったため、医業収益全体としては減少しましたが、それ以上に入院診療に係る委託料等の医業費用が減少したことから、医業収支比率は改善しました。また、医師や診療科の増により、それらに係る費用が新たに発生したことから、職員給与費対医業収益比率及び材料費対医業収益比率は増加しています。令和２年度は、令和３年度からの無床診療所化への移行期間ではありましたが、より一層の経営の健全化に努めてきました。結果として、純損失を生じ、累積欠損金比率は悪化しましたが、経常損失は大きく減少し、経常収支比率は改善したところです。

老朽化の状況について

昭和49年に建設された病院施設の老朽化は年々深刻化していますが、無床診療所への移行方針に基づき、医療機器の更新も含めた施設整備について、基本構想及び基本計画の策定を終え、現在、設計業務に着手している状況です。

全体総括

令和２年度は、入院診療及び平日時間外及び休日の救急診療を休止した状況が年間を通して続きましたが、令和３年４月から無床診療所へ経営形態を変更する方針のもとで、外来診療体制の拡充、診療収入の確保、一般会計繰入金の削減に努めてきたところです。引き続き、医師の安定的な確保を図りながら、今後、必要な施設整備の整備を行い、持続可能な医療提供体制を構築するとともに地域に必要な役割を果たしていくこととしています。