北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨城県栃木県群馬県埼玉県千葉県東京都神奈川県新潟県富山県石川県福井県山梨県長野県岐阜県静岡県愛知県三重県滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県鳥取県島根県岡山県広島県山口県徳島県香川県愛媛県高知県福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

鹿児島県の水道事業鹿児島県の下水道事業鹿児島県の排水処理事業鹿児島県の交通事業鹿児島県の電気事業鹿児島県の病院事業鹿児島県の観光施設事業鹿児島県の駐車場整備事業鹿児島県の工業用水道事業
地方財政ダッシュボード

鹿児島県指宿市の財政状況(2019年度)

🏠指宿市

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

少子高齢化による生産年齢人口の減少等により,個人・法人税の大幅な増収は見込めない中,税収は対前年度0.4ポイント増となった。扶助費等の義務的経費は,対前年度2.3ポイント増となり,高い水準である。財政力指数は,0.38と類似団体と同程度となっている。今後は,各事業における緊急度,優先度,市民ニーズ等を勘案するとともに,物件費などの内部管理経費の削減に努め,持続可能な財政構造の構築を図る。

経常収支比率の分析欄

これまで類似団体平均を下回っていたが,令和元年度は,0.1ポイント上回る結果となった。主な要因は,施設整備の償還が始まったことによる一部事務組合への負担金の増や臨時財政対策債の減が考えられる。今後も社会保障の充実に伴う扶助費や公共施設の整備・改修に伴う公債費が増加することが見込まれるため,事務事業の見直しを更に進め,経常経費の削減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費,物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均水準より低い要因として,ごみ処理業務や消防業務を一部事務組合で行っていることが挙げられる。一部事務組合の人件費・物件費等に充てる負担金を合計した場合,人口1人当たりの金額は増加することになる。今後はこれらも含めた経費の抑制に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

職員の給与については,高い初任給の職員を採用したこと及び階層の変動により,前年度から0.5ポイント増加した。類似団体の平均を上回っていることから,今後も定員管理及び各種手当の見直しにより,更なる給与体系の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

定員適正化計画等により,人口千人当たりの数値は,類似団体平均水準より低い。今後も,事務事業や組織機構の見直しを進めながら,より適切な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

令和元年度においても,類似団体平均を下回っているが,その差は縮まりつつある。これは平成29年度以降,公共施設の整備事業の実施が要因である。今後も,大型事業の実施が控えてるが,事業計画の整理・縮小を図るなど起債依存型の事業実施を見直し,引き続き水準の抑制に努める。

将来負担比率の分析欄

地方債の現在高は,増加しているものの,有利な地方債を積極的に活用したことにより,基準財政需要額算入見込額が増加し,将来負担比率が4.8ポイント対前年から減少した。しかし,今後,大型施設の整備事業や公共施設の更新等が予定されているため,再度,将来負担比率が増加へ転じることが見込まれることから,事業実施の適正化を図り,財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

経常収支比率の人件費分が県平均と比較しても低い水準であるが,高い初任給の職員を採用したこと及び階層の変動により0.7ポイント増加した。今後も定員管理及び各種手当の見直しにより,更なる給与体系の適正化に努める。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率が類似団体平均水準より低い要因として,ごみ処理業務や消防業務を一部事務組合で行っていることが挙げられる。平成30年度から0.2ポイント増加した一つの要因は,令和元年度の消費税増税である。今後は新規に建設した施設の管理費用が発生するため,経常収支比率の増加が見込まれるが,施設の適正な管理体制や内部管理経費の見直しに努める。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回り,かつ上昇傾向にある要因として,平成27年10月から医療費助成を中学生まで拡充したことや認定こども園への移行が進み保育所運営補助が増えたこと,障害者施設利用サービス費が増えたことが挙げられる。今後も,各種施策により増加することが予想されることから,事務事業の見直しを進めていくことで,財政を圧迫する上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。

その他の分析欄

平成30年度と比較し1.6ポイント減少した要因は,公共下水道会計への繰出金の減少が挙げられる。しかし,全国,県平均と比較しても高い水準にあるのは,国民健康保険特別会計の赤字補填的な繰出金が多額になっていることが要因として挙げられる。国民健康保険税率の適正化を図り,普通会計の負担額を減らしていくよう努める。

補助費等の分析欄

補助費等の経常的経費は一部事務組合への負担金が約8割を占めている。ごみ処理業務については,広域組合新ごみ処理施設管理費の増,また,消防業務については,デジタル無線・指令システム保守や人件費が増えたことにより増加傾向である。今後は,一部事務組合や構成市と協議しながら,事務事業の見直しを進め経費の縮減に努める。

公債費の分析欄

公債費の経常収支比率に占める割合が類似団体平均水準や全国・県平均と比較して高いのは,近年大型の整備事業が集中したことが要因となっている。今後も,公共施設の統合・除却や既存施設の耐震化・大規模改修等が予定されている。このような地方債発行を伴う普通建設事業の計画的な実施により公債費の抑制に努める。

公債費以外の分析欄

平成30年度と比較し2.6ポイント増加した要因の一つは,臨時財政対策債の減少が挙げられる。今後,公共施設の統合・除却や既存施設の耐震化・大規模改修等,大型事業の実施が今後見込まれることから,人件費や扶助費,物件費等の支出抑制に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

商工費は,住民一人当たり63,426円で前年度から約2.5倍となっている。この要因は,ふるさと納税推進事業費が総務費から商工費へシフトしたことが要因である。また,国民体育大会のリハーサル大会に要する費用により,商工費のコストが増加したものである。今後は,さらにふるさと納税の推進を図ることから,商工費のコストは,増加傾向になると見込まれる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

・歳出決算総額は,住民一人当たり624,587円となっている。・普通建設事業費は住民一人当たり119,705円となっており,類似団体と比較して一人当たりのコストが高い状況となっている。これは,サッカー・多目的グラウンド整備事業によるものであり,普通建設事業(うち新規整備)において,前年度から約1.6倍の46,852円となっている。今後も,老朽化した市民会館の更新事業や,公共施設の統合,長寿命化などの事業実施が見込まれるため,高い水準で推移することが予想される。・積立金は,前年度から約2.5倍の17,494円となっている。これは,ふるさと納税の増による,基金積立金が増えたことが要因である。今後も,ふるさと納税の推進を図り,歳入確保に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

平成21年度に標準財政規模の5%しかなかった財政調整基金は,平成26年度までに24.5%まで増額させ,平成27年度以降の公共施設老朽化対策等では,計画的な事業執行により財源確保に努めたが,減少傾向である。今後は,社会保障の充実や普通交付税の合併算定替の期間終了など,厳しい状況が見込まれるが,事務事業の見直しや計画的な事業執行により,財政調整基金の残高を標準財政規模に対する割合の20%前後で推移できるよう努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

国民健康保険特別会計については,歳出の7割を占める保険給付費は平成30年度と比較して,減少した。被保険者の減少が保険給付費の減少の主な要因であるが,一人当たりの保険給付費,医療費は,過去最高額となった。これは,高齢層の割合が増加していること,医療技術の高度化によるもので,今後も増加の一途をたどることが予想される。国民健康保険特別会計への赤字補填的な繰出金が普通会計の負担となっていることから,各種施策を通して市民の健康増進を図るとともに,国民健康保険税率の改正,徴収率の向上を図るなど,財運営の健全化に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

平成27年度から,公共施設の整備・改修等が集中的に行われていることから,償還元金を超える地方債発行額となり元利償還金は増加している。経常収支比率に占める公債費の割合について,算入公債費等は交付税措置率の高い財政上有利な地方債を活用しているが,類似団体と比較し高い水準にあり,実質公債費比率は9.3%に増加している。今後は,公共施設等の耐震化,老朽化対策事業が予定されるため,地方債発行を伴う普通建設事業の計画的な実施により抑制に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

将来負担額として,地方債残高が増加しているが,充当可能財源等の充当可能基金と基準財政需要額参入見込額が増加していることで将来負担比率の分子は微減である。公営企業債等繰入見込額は,雨水処理整備に伴う地方債の借入により,今後も負担等の見込額が増加する予定であることから,将来負担比率を増加させないために,充当可能基金の増額確保や有利な地方債の計画的な借入に努める。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金の適正な残高を維持することを目的に財政調整基金の取り崩しを抑え,決算剰余金を430百万円積み立てたが,地方債償還額の増加に対応するため,減債基金を300百万円,その他の特定目的基金をサッカー・多目的グラウンド整備事業等に伴い「公共施設整備基金」を175百万円取り崩したこと,空き家活用推進事業等に伴い「合併まちづくり基金」を390百万円取り崩したこと,観光誘客事業等に伴い「ふるさと応援基金」を291百万円取り崩したこと等により,基金全体として400百万円の減額となった。(今後の方針)伸び率が著しいふるさと納税を原資とするふるさと応援基金を活用しながら,財政調整基金の適正な残高を維持できるよう努める。

財政調整基金

(増減理由)減債基金,その他の特定目的基金の活用による増(今後の方針)財政調整基金の残高は,目途としていた標準財政規模(12,585百万円)の20%(2,517百万円)以上を確保できたが,今後は,社会保障の充実や普通交付税の合併算定替の期間終了など,厳しい状況が見込まれるが,事務事業の見直しや計画的な事業執行により,財政調整基金の残高を標準財政規模に対する割合の20%前後で推移できるよう努める。

減債基金

(増減理由)地方債償還額の増加に伴う減(今後の方針)地方債償還額の動向を見極めつつ,一般会計への負担を平準化するように活用していく。

その他特定目的基金

(基金の使途)合併まちづくり基金:合併に伴う住民の一体感の醸成並びに個性ある地域の活性化及び均衡ある発展に資する事業ふるさと応援基金:将来都市像(食料供給,健康産業,保養観光,生活充実,国際共栄)を実現する事業ふるさと振興基金:指宿市ふるさと市町村圏の振興整備に資する事業鹿児島県市町村職員退職手当組合負担金準備基金:指宿市職員の退職手当の支払いに要する費用公共施設整備基金:公共又は公用施設の整備費用(増減理由)サッカー・多目的グラウンド整備事業等に伴い「公共施設整備基金」を175百万円取り崩し,地域商品活性化事業等に伴い「合併まちづくり基金」を390百万円取り崩し,観光誘客事業等に伴い「ふるさと応援基金」を291百万円取り崩した。「ふるさと応援基金」は,ふるさと納税の増加により,663百万円を積み立てた。(今後の方針)公共施設整備基金:これまで公共施設の整備に向けて継続的に積み立てており,今後も耐震化・老朽化対策や新規整備等に活用することから,中期的に減少となる。ふるさと応援基金:ふるさと納税の推進により積立金の増額を見込んでおり,今後も将来都市像の実現に向け,積極的・効果的に活用しながら基金残高の増額を予定している。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率については,類似団体平均と比較すると下回ってはいるものの,徐々に上昇してきており,施設の維持・対策の必要性が高まってきている。本市では,平成29年3月に策定した公共施設等総合管理計画において,公共施設等に関わる費用を今後40年間で30%削減するという目標を掲げ,老朽化した施設の統廃合を進めることとしている。

債務償還比率の分析欄

令和元年度決算における本市の債務償還比率は,過去5年間の中でも一番高い比率となっている。これは,いぶすきフットボールパークの建設や小中学校の空調機整備などの事業に伴い地方債を発行したことにより,将来負担額が増加したことに加え,令和元年度の臨時財政対策債及び地方消費税交付金が減少したことが要因として挙げられる。今後も,新市民会館の建設など,地方債を発行する事業が予定されているため,債務償還比率は,上昇すると見込まれる。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

本市は,類似団体と比較して,将来負担比率,有形固定資産減価償却率ともに低い水準で推移している。建設事業に伴い将来負担額は,増加しているものの,交付税措置率の高い地方債を積極的に発行していることから基準財政需要額算入見込額が増加し,結果として将来負担比率を低下させた。一方,本市は老朽化した公共施設が多くなってきており,有形固定資産減価償却率は徐々に上昇してきているが,市民会館や支所の建て替え等を実施しており,今後,有形固定資産減価償却率は下がっていくと見込まれる。今後も公共施設等総合管理計画に基づき,老朽化した施設の改修,更新及び処分を実施していく予定であり,その財源として,交付税措置率の高い地方債を積極的に活用していく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

交付税措置率の高い過疎対策事業債等を積極的に活用しているため,将来負担比率は,低下したが,平成27年度から平成29年度にかけて一部事務組合が実施した施設整備にかかる公債費の元金償還が始まったため,実質公債費比率は上昇した。今後は,新市民会館建設や開聞庁舎建替等の大型事業に伴う地方債の新規発行が予定されているため,いずれの比率も上昇が見込まれる。大型事業終了後は,地方債の新規発行を公債費以下に抑制するなど,歳入に見合った歳出構造へ転換していく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は,橋りょう・トンネル,認定こども園・幼稚園・保育所,学校施設,児童館,公民館であり,その中でも特に認定こども園・幼稚園・保育所及び児童館は有形固定資産減価償却率が100%となっている。橋りょう・トンネルは毎年度,老朽化が激しい箇所を優先して工事を実施しているため,全ての橋りょう・トンネルの補修が完了するまではかなりの時間を要する状況である。今後についても,老朽化が進行した橋りょう・トンネルを優先して実施することで有形固定資産減価償却率が緩やかに減少する予定である。認定こども園・幼稚園・保育所は旧来の建物が多く,今後,大規模改修や取り壊しにより有形固定資産減価償却率は下がっていく予定である。学校施設は老朽化が進行している施設や耐震工事が必要な施設を優先して改修を実施しているが,今後は大規模改修の実施や利活用されない施設の取り壊しが行われることにより,有形固定資産減価償却率は下がっていく予定である。児童館は施設が古く,また,地域の公民館と共用であることから,地域と協議を行い地域への譲与等を検討する必要がある。公民館は老朽化が進行している施設も増えていることから,大規模改修が実施されることで有形固定資産減価償却率が緩やかに下がっていくことが見込まれる。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は,図書館,体育館・プール,福祉施設,市民会館,保健センター・保健所,庁舎である。その中でも福祉施設が91.1%,市民会館が91.9%,保健センター・保健所が72.9%と高くなっている。図書館,福祉施設及び保健センター・保健所は,今のところ大規模改修計画が予定されていないため,今後も有形固定資産減価償却率は上昇するものと見込まれる。福祉施設は,有形固定資産減価償却率が急激に上昇しているが,福祉施設の中で比較的新しい施設を取り壊したことが影響している。市民会館は建替えの計画があるため,今後は有形固定資産減価償却率は下がるものと見込まれる。庁舎については,本庁舎の大規模改修は終了したが,支所の建替事業が予定されていることから,将来的には類似団体平均を下回ることが見込まれる。

財務書類に関する情報①(2019年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

・一般会計等においては,資産総額が前年度末から25百万円(+0.0%)となった。土地の取得や公共施設の新設及び更新があったものの、減価償却等により資産の増減は,横ばいとなった。負債総額は、公共施設の新設及び更新等に地方債を充当していること等により,前年度末から538百万円(1.7%)増加した。資産総額のうち有形固定資産の割合が89.7%を占めており、これら資産の維持管理等には将来の支出が発生することから,公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努める必要がある。水道事業会計等を加えた全体では、資産総額は前年度末から11,369百万円増加(+9.8%)した。下水道事業が法適用化したことにより、インフラ資産増加したことが主な要因である。負債総額は下水道事業において,繰延収益が増加したこと等により,前年度末から6,156百万円(15.8%)増加した。指宿南九州消防組合,指宿広域市町村圏組合等を加えた連結では,資産総額は前年度末から10,933百万円(+8.7%)となった。これら組合等が保有している建物等の減価償却による資産の減少により、全体よりも増加の伸びが低くなっている。負債総額は地方債発行額の増等により前年度末から5,864百万円増加(+12.7%)した。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

・一般会計等においては,純経常行政コストは前年度末から1,135百万円の増(前年度比5.5%)となった。このうち業務費用については,維持補修費が316百万円の増(前年度比13.0%)であった。本市は老朽化した公共施設を多く保有していることから、今後も増加が見込まれる。また移転費用については、補助金等が959百万円増加(前年度比+28.9%)社会保障給付も104百万円増の4,277百万円(前年度比+2.3%)であった。社会保障給付は純行政コストの21.6%を占めており、高齢化の進展等により今後もこの傾向が続くことが見込まれる。事業の見直しや健康増進対策等により、経費の抑制に努める必要がある。・全体では,水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため,経常収益が一般会計等より1,618百万円多くなっている。また、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が10,389百万円多くなり、純行政コストは10,507百万円多くなっている・連結では、純行政コストに占める人件費の割合は10.1%であり,一般会計等の割合(16.7%)よりも小さい。これは、施設管理の物件費や維持補修費が占める割合が高いためである。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

・一般会計等、全体及び連結のすべてにおいて、税収等の財源が純行政コストを下回っている。当市においては,生産年齢人口の減少により今後も税収の増加は見込めない一方、老朽化した公共施設の維持補修費や高齢化の進展による社会保障給付の増加が見込まれることから、この傾向は続くと考えられるため,経費の抑制に努める必要がある。・一般会計等においては、税収等の財源19,748百万円(前年度比+6.5%)に対し,純行政コストは21,856百万円(前年度比+7.1%)となり,本年度差額は2,107百万円純資産残高は513百万円の減少となった。全体においては、税収等の財源に国民健康保険税や介護保険料等が含まれ、30,425百万円(前年度比+4.2%)となった。これに対し純行政コストは32,363百万円(前年度比+6.0%)となり,本年度差額は1,938百万円,純資産残高は5,213百万円の増加となった。・連結では、税収等の財源に鹿児島県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が含まれ,40,268百万円(前年度比+9.6%)となった。これに対し純行政コストは42,386百万円(前年度比+10.7%)となり,本年度差額は▲2,118百万円純資産残高は5,069百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

・一般会計等については、業務活動収支は業務支出(前年度比+5.5%)及び臨時支出(前年度比+42.9%)が業務収入(前年度比+6.1%)を上回ったことから725百万円となった。また,投資活動収支は733百万円(前年度比639.0%)財務活動収支は492百万円(前年度比▲63.9%)となった。いぶすきフットボールパーク建設事業等の大型事業を実施したことにより増大した支出を,地方債の発行収入によって確保している状況であることから、行財政改革をさらに推進し、収入に見合った歳出構造へと転換する必要がある。・全体では、国民健康保険税等が税収等収入に含まれること,水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動の収支は一般会計等より652百万円多い▲73百万円となっている。投資活動収支では、基金を取り崩したしたため,419百万円となっている。財務活動収支は、地方債の発行額が地方債償還支出を上回ったことから,601百万円となっており、本年度末資金残高は4,308百万円となった。・連結では、指宿広域市町村圏組合等における収入が業務収入に含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等より1,010百万円多い285百万円となった。財務活動収支は、地方債の発行額が地方債償還支出を上回ったことから132百万円となっており、本年度末資金残高は4,690百万円となった。

財務書類に関する情報②(2019年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

・住民一人当たり資産額は類似団体平均をやや下回っている。人口が減少したことにより前年度比+4.2ポイントとなったが,今後は減価償却による資産の減少が見込まれる。指宿市公共施設等総合管理計画に基づき,公共施設等の集約化・複合化等を進めることなどにより、施設保有量の適正化に努めなければならない。歳入額対資産比率も類似団体をやや下回っている。基金の取崩しや新規に発行する地方債を抑制しつつ、公共施設等の集約化・複合化等を実施する方法を検討する必要がある。有形固定資産減価償却率についても類似団体平均をやや下回っているが,前年度比+1.5ポイントとなっている。これは公共施設の老朽化によるものである。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

・純資産比率は,類似団体平均をやや下回っている。純行政コストが税収等の財源を上回ったことから,純資産は昨年度比▲10.6ポイントとなった。当市は老朽化した公共施設を多く保有し,維持補修に伴う将来の財政負担の増加が懸念されることから、指宿市公共施設等総合管理計画基づき効率的・効果的な組織機構の整備や事業を実施し、行政コストの削減に努めなければならない。・将来世代負担比率(社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す)は類似団体平均をやや上回っており、前年度比+0.9ポイントであった。公共施設等の集約化・複合化等を進めるとなどにより,施設保有量の適正化に努め,新規発行する地方債を抑制することにより地方債残高の増大を回避し、将来世代の負担の軽減に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

・住民一人当たり行政コストは,類似団体と同程度であるが,昨年度から増加(+4.4ポイント)している。これは公共施設の維持補修や社会保障給付の増加によるものである。効率的・効果的な事業の実施や推進等により,社会保障給付の適正化に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

・住民一人当たり負債額は、類似団体平均を上回り、前年度か2.6万円増加している。これは,地方債の発行額が償還額を上回ったためである。・基礎的財政収支は、業務活動収支及び投資活動収支ともに赤字であったため,708百万円となり、類似団体平均値を大幅に下回った。業務活動収支が赤字となった要因は、経常的な支出を税収等の収入で賄えていないためであり、地方債に依存している状況である。投資活動収支が赤字となっているのは,市内小中学校空調機整備事業など公共施設等の更新・新設を実施したためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

・受益者負担比率は、前年度比▲0.3ポイントとなったものの、依然として類似団体平均を上回っている状況にある。高止まりする維持補修費が財政負担となっていることから,施設保有量の適正化を図ることにより経常費用を抑制し,受益者負担の適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,