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地方財政ダッシュボード

佐賀県唐津市の財政状況(2017年度)

🏠唐津市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2017年度)

財政力指数の分析欄

平成25年度から0.42の横ばいで推移し、平成29年度も同様に0.42で、類似団体平均を大きく下回っている。これは、市の産業構造が中小企業や農林水産業を中心としており、歳入における市税の割合が低く、財政基盤が弱いことが要因である。今後とも、的確な課税客体の把握と徴収率向上に努めるとともに、総合計画に基づく事業の重点化などにより歳出抑制に努め、財政計画に基づく適正な財政運営を行う。

経常収支比率の分析欄

平成29度は、退職手当の減による人件費の減等により歳出全体としては減少した。歳入においても、地方税が増加したが、合併特例期間終了に伴う縮減の影響で地方交付税が大きく減少し、歳入全体は減少したため、経常収支比率が悪化した。今後も、人件費の適正化や公共施設等総合管理計画に基づく公共建築物保有量の削減を図るとともに、事務事業の点検、見直しを進め義務的経費の削減に努め、財政計画の目標である「90%以下」への改善を目指す。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

職員給はほぼ横ばいであったが、退職者数の減に伴う退職手当の減により人件費は減少した。一方で、ふるさと寄附金の寄附額が対前年度伸び率126.1%となり過去最高額を更新するなか、それに伴う返礼品に係る経費の増加が大きく、物件費全体としては過去5年間では最大となった平成28年度よりさらに大きくなった。類似団体と比較し職員数や公共施設数が多いため、類似団体内順位では最下位となっている。今後は、事務事業の見直しなどによる物件費の削減及び公共施設等総合管理計画に基づく公共建築物保有量の削減による維持管理経費の削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

平成27年度と同水準であり、全国市平均、類似団体との比較においては、依然平均を下回っている状況である。今後も、給与については、国や他の地方公共団体及び地域の民間企業の給与水準を考慮しながら適正化に努める。※注釈にあるとおり、当該資料作成時点において平成30年調査結果が未公表であるため、平成29年度の数値については前年度数値が引用されている。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

大型合併により類似団体と比較し職員数が多く、また、市の面積が広いことにより支所・出張所を配置せざるを得ず、平成29年度の職員数は類似団体平均を2.17人上回る9.26人となっている。平成25年度と比較すると、類似団体が0.69人の増加に対し、0.4人の増加となっている。また、平成28年度と比較し職員数は3人減少しているが、人口減の影響もあり人口千人当たり職員数は0.09人の増加となった。今後も、唐津市定員管理計画に基づき、適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

平成29年度は公債費に準ずる債務負担行為に係る支出が減少したこと及び災害復旧費等に係る基準財政需要額が増加したことにより比率は0.6%改善した。しかしながら、類似団体との比較では、5.3ポイント上回っており、依然として高い比率である。今度とも、唐津市財政計画の数値を目標に公債費の抑制に努めるとともに、公営企業の経営健全化による繰出金の削減を図るなど健全な財政運営に努める。

将来負担比率の分析欄

平成29年度は、地方債現在高の減少や、国営土地改良事業等の完了による債務負担行為に基づく支出予定額の減少により将来負担額が減少し、さらに充当可能財源である基準財政需要額算入見込額が増加したため大幅に比率は改善した。しかしながら、類似団体平均と比較すると58.7ポイント上回っており高い水準となっている。今後も、有利な起債の活用を基本とし純地方債残高の逓減を図るとともに、公営企業の経営健全化による繰出金の削減を図り財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)

人件費の分析欄

平成29年度の人件費にかかる経常収支比率は、類似団体平均より5.0ポイント高い27.0%となっている。消防や清掃など一部事務組合によらず、自前で行っている業務が多いため人口千人当たりの職員数が類似団体と比較して多くなっている。大型合併後、唐津市定員適正化計画を策定し、職員数を削減してきたが、今後は行政サービスの低下や市政の運営に支障をきたさないことを念頭に、公務員制度の見直しなどにも対応し、適正な規模を確保しつつ、組織機構の見直しや業務改革などを進めるなかで人件費の適正化に努める。

物件費の分析欄

平成29年度の物件費に係る経常収支比率は、施設の維持管理に伴う需用費や委託料の増加の影響で平成28年度より0.5ポイント上がり、14.5%となった。また、類似団体との比較においては、0.1ポイント低くなっている。今後、老朽施設の維持管理経費は増加する見込みであるため、財政計画や公共施設等総合管理計画に基づき、徹底した事業選択やスクラップアンドビルドを実施し、経費削減に努める。

扶助費の分析欄

平成29年度の扶助費に係る経常収支比率は、教育・保育施設給付費などが増加したが、生活保護費や児童手当などの減少により、平成28年度同数となった。類似団体と比較して1.8ポイント下回ってはいるが、今後は子育て分野、高齢者福祉、障がい者福祉等各分野で増加が見込まれることから、適正な執行などにより、経費削減に努める。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は、平成28年度と同数であり、類似団体平均と比較すると0.4%下回っている。内訳は、後期高齢者医療や介護保険などの特別会計への繰出金が多いが、高齢化の進展に伴い医療費や給付費がますます増加していく見込である。今後は保険料や使用料などの適正化による経営の健全化を図るとともに、経費削減などを行い、繰出金の抑制に努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、平成25年度の3.6%から減少を続けてきたが、平成29年度は平成28年度より0.1%上がり、3.0%となった。また、類似団体平均と比較すると7.7%下回っているが、その理由としては、合併市町村で構成していた一部事務組合の事務を合併後直営で行っており、負担金が著しく低いためである。今後は、各種団体などに対する補助金について、過剰、不適当なものがないか全庁的に同一基準で見直しができる方針を作成する予定である。

公債費の分析欄

平成29年度の公債費に係る経常収支比率は、平成28年度より0.3%上がり22.5%となった。類似団体平均と比較すると5.4ポイント上回っており、地方債残高も高い水準で推移している。現在活用している地方債は、旧合併特例債など交付税算入額が大きいものが中心であり、実負担は軽減されているが、合併特例期間終了後の代替財源が今後の課題である。今後とも唐津市財政計画の数値を目標に公債費の抑制に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係る経常収支比率は、平成28年度より0.2%増加している。この要因については、各項目に記載したとおりであるが、物件費や補助費の増加、地方交付税の減少が主な要因である。また、類似団体と比較して数値が低いということは、言い換えれば公債費の占める割合が高いということであり、今後は、事業の選択と集中により公債費の発行抑制に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は、住民1人当たり85,993円となっており、平成28年度から高止まりしている。類似団体平均と比較しても大幅に高い水準である。主な要因としては、ふるさと寄附金の増加に伴う基金積立金及び返礼品に係る経費の増額によるものである。民生費は、住民1人当たり183,210円となっており、平成28年度と比較すると、臨時福祉給付金事業の減等により若干減少した。類似団体平均は上昇傾向にある中、近年その差が縮まってきている。衛生費は、住民1人当たり35,610円となっており、平成28年度と比較すると、地域の核となる唐津赤十字病院建設事業の完了等により大幅に減少している。類似団体との比較ではほぼ同じ水準になっている。商工費は、住民1人当たり24,632円となっており、近年は特に、国の地方創生事業にコスメティック事業に重点的に取組んでおり、また、進出企業への立地奨励補助金、観光施設の新規整備等も相俟って増額となっている。消防費は、住民1人当たり17,210円となっており、平成28年度と比較すると、防災情報ネットワーク整備費の減等により減少した。類似団体との比較では若干高い傾向にあるが、その要因としては、広い市域を有しており4分署の維持などにコストがかかること等が考えられる。教育費は、住民1人当たり62,025円となっており、平成28年度と比較すると、中学校整備費や給食センター整備費の減等により減少した。類似団体との比較では高い水準となっており、今後も小・中学校の増改築や公民館の改築が控える中、高水準で推移すると考えられる。公債費は、住民1人当たり67,277円となっており、類似団体平均と比較しても全体的に高止まりで推移している。要因としては、市町村合併後の新市の均衡ある発展を目指すため、合併特例債を活用した基盤整備事業を集中的に行ってきたことによる元利償還金の増加と考えられる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

・人件費は、住民1人当たり84,565円となっており、退職手当の減等により平成28年度と比べ減少したものの、高い水準で推移している。特に類似団体平均と比較すると極めて高い水準にある。要因としては、消防や清掃など一部事務組合ではなく直営で行っていることや、市の面積が広いことにより複数の支所・出張所を配置する必要があり、類似団体と比べ職員数が多いためと分析される。合併後、唐津市定員適正化計画を策定し、職員数を削減してきたが、今後は行政サービスの低下や市政の運営に支障をきたさないことを念頭に、公務員制度の見直しなどにも対応し、適正な規模を確保しつつ、組織機構の見直しや業務改革などを進めるなかで人件費の適正化に努める。・物件費は、住民1人当たり91,434円となっており、平成28年度より大きく増加している。類似団体平均と比較すると最上位となっている。要因としては、ふるさと寄附金の増加に伴う返礼品に係る経費の増額によるものである。・普通建設事業費は、住民1人当たり73,931円となっており、平成28年度より大きく減少している。平成28年度は類似団体で最上位となっていたが平成29年度は平均値に近づいている。原子力災害対策施設や文化体育館、給食センターの整備費減少が要因として考えられる。引き続き、公共施設等総合管理計画等に基づき事業の取捨選択を徹底し、行政コストの最適化を図る。・公債費は、住民1人当たり67,277円となっており、類似団体平均と比較しても高い水準にある。要因としては、市町村合併後の新市の均衡ある発展を目指すため、合併特例債を活用した基盤整備事業を集中的に行ってきたことによる元利償還金の増加と考えられる。今後は、普通建設事業費と同様に、公共施設等総合管理計画等に基づき事業の取捨選択を徹底し、起債発行額を減じるとともに、利率の見直し等を積極的に実施し、公債費の減少に努める。・繰出金は、住民1人当たり65,639円となっており、ここ5年間は6万円程度で横ばいとなっている。類似団体平均と比較すると最上位となっているが、その主な要因としては、法適用していない下水道会計への繰出金が高水準で推移しているためである。今後は各会計、使用料などの適正化による経営の健全化を図るとともに、経費削減などを行い、繰出金の抑制に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)

分析欄

財政調整基金については、財政計画に基づき積立を行ってきたが、H27年度以降、合併特例期間の終了に伴う普通交付税の段階的縮減が始まり一般財源が減少した結果、取り崩し額が増加したため、基金残高が減少した。実質収支比率については、一般的に望ましいとされる3~5%範囲内の3.18%となった。実質単年度収支については、H29年度は単年度収支や財政調整基金積立金は減少したが、財政調整基金取り崩し額がやや減少したため、0.37ポイント増加した。今後も、市税ほか歳入を確保するとともに、総合計画に基づく事業の重点化などにより歳出を抑制し、財政の健全化に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)

分析欄

連結実質赤字比率については、長年赤字が続いていた国民健康保険特別会計が黒字に転じたことで全会計黒字となった。国民健康保険特別会計は、H30年度から県主体へ広域化することに伴い、一般会計からの繰出金等により赤字の解消を図った。介護保険特別会計は、介護給付費負担金等の国庫支出金を所要額より多く受け入れたため一時的にH29年度は黒字額が大きくなっている。また、近年、モーターボート競走事業会計においては、スマートフォンやパソコンなどインターネットを使って全国から舟券を購入できる「電話投票」が定着し、経営が安定化し収益が増加している。今後も、各会計において、効率的な事業運営と経営の見直しや料金の適正化などを行い、財政の健全化に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

実質公債費比率は、年々減少傾向にあり、H29年度は、H28年度より0.6ポイント改善し13.5%となっている。分子のうち公債費に準ずる債務負担行為に係る支出が減少したこと及び災害復旧費等に係る基準財政需要額が増加したため数値は改善した。元利償還金は、一部の起債償還の完済等に伴い減少傾向にあったが、H29年度は増加に転じている。類似団体と比較すると依然として高い水準であり、今後とも財政計画の数値を目標に公債費の抑制に努めるとともに、公営企業の経営健全化による繰出金の削減を図るなど健全な財政運営に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

将来負担比率は、H29年度は前年度より比率が20.9ポイント改善し、109.9%となった。分子のうち、地方債の現在高が減少したこと及び国営土地改良事業等の完了により債務負担行為に基づく支出予定額が減少したため数値が改善している。さらに充当可能財源である基準財政需要額算入見込額が大きく増加したことも影響している。類似団体平均と比較すると依然として高い水準で推移しており、今後は、財政計画に基づく地方債の現在高の漸減及び公営企業の経営健全化による繰出金の削減を図り、財政の健全化に努める。

基金残高に係る経年分析(2017年度)

基金全体

(増減理由)ふるさと寄附金の増加により、ふるさと寄附金基金に1,446百万円を、モーターボート競走事業収益金を響創のまちづくり基金に200百万円を積み立てた一方、財政調整財源として財政調整基金を1,067百万円取り崩したこと、市民の連帯の強化及び地域振興を図る事業の財源として響創のまちづくり基金を677百万円取り崩したこと、個性が輝き活力あるまちづくりを推進するための事業の財源としてふるさと振興基金を333百万円取り崩したこと等により、基金全体としては478百万円の減となった。(今後の方針)投資的経費では小中学校の改修や新庁舎の建設などの大型事業が控え、さらに扶助費でも子育て世帯の支援や高齢者福祉などの経費が増加していく見込みの中、一定規模の基金の取り崩しは不可欠なものとなっている。取り崩しに当たっては、各種計画に基づき計画的に行うとともに常に基金残高を確認しつつ実施する。また、積み立てについては、ふるさと寄附金の返礼品の拡充等により寄付額を維持し、積立額を確保する。

財政調整基金

(増減理由)H29年度は利子及び歳計剰余金の積立を行ったものの、一定規模の財政需要が続く中、合併特例期間の終了に伴う普通交付税の縮減等の影響で一般財源が不足し、積立以上の取崩を行ったため残高は減少した。(今後の方針)財政調整基金の残高は、今後も大型事業が控える中、減少は避けられない状況となっている。財政計画上の見通しを維持できるよう、事業の見直し、財源の確保に努める。

減債基金

(増減理由)事業会計の償還に対する繰出しのため取崩しを行ったことにより減少した。特にH29年度は、観光施設特別会計における、国民宿舎売却に伴う繰上償還に対する繰出しの増により、例年より取崩しが多くなっている。(今後の方針)地方債の償還計画を踏まえ、毎年度定額を取り崩す予定

その他特定目的基金

(基金の使途)・響創のまちづくり基金:市民の連帯の強化及び地域振興を図る事業・公共施設整備基金:公共施設の整備・ふるさと寄附金基金:自然環境を保護する事業、文化遺産を保存し、及び整備する事業、青少年の健全育成に資する事業、障害者及び高齢者に優しいまちづくり事業、その他市の更なる発展に寄与する事業(増減理由)・響創のまちづくり基金:モーターボート競走事業収益や運用利子を205百万円積み立てた一方で、教育・保育施設給付費や市民協働のまちづくり交付金など57事業の財源として677百万円を取り崩したことにより減少した。・公共施設整備基金:運用利子を4百万円積み立てた一方で、清掃センター維持管理業務費、近代図書館施設等整備費、浜崎駅周辺整備事業費の財源として77百万円を取り崩したことにより減少した。・ふるさと寄附金基金:特別支援教育費や国道等戦略事業費など49事業の財源として431百万円取り崩した一方で、寄附金と運用利子を1,446百万円積み立てたことにより増加した。(今後の方針)・響創のまちづくり基金:財政計画等に基づき計画的に事業へ充当を行う。現時点で新たな積み立ての見込はない。・公共施設整備基金基金:財政計画等に基づき計画的に事業へ充当を行う。現時点で新たな積み立ての見込はない。・ふるさと寄附金基金:寄附金額に応じて積み立てを行い、後年度計画的に事業充当を行う。寄附金については返礼品の拡充等を図り、寄付額の増加を図っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

本市の有形固定資産減価償却率は、平成27年度で72.1%と類似団体平均と比較し高い水準にあり、施設の老朽化が進んでいる。平成28年に策定した公共施設等総合管理計画において全体的な公共建築物保有量の削減目標を定めており、今後も引き続き個別施設計画を策定し、施設のライフサイクルコストの削減などについて具体的に定め、施設の維持管理を適切に進めていくこととしている。

債務償還可能年数の分析欄

唐津市情報化基盤整備事業等に係る平成19年度借入の合併特例債の償還が終了し、将来負担額は減少傾向にあるものの、類似団体と比較して職員数が多く、人件費が高い水準にあるため、債務償還可能年数も類似団体と比べると長くなっている。平成29年策定の唐津市定員管理計画においては、平成30年4月から令和5年4月まで職員数1,343人以内を基本とし、引き続き適正な定員管理に取り組むこととしている。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

平成17年の市町村合併後、新市の均衡ある発展のためのインフラ整備を進めてきたことにより、将来負担比率は類似団体と比較して高い水準にある。また、市町村合併前の旧市町村単位で整備された数多くの施設の老朽化も進んでいる。平成28年に策定した公共施設等総合管理計画において、既存施設を更新する場合は原則として複合施設とし、利用状況及び将来人口を見据えたうえで規模を決定し、公共建築物の保有量の削減を図ることとしている。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率、実質公債費比率とも類似団体と比較して高い水準にあるが、近年は低下傾向にある。将来負担比率が低下している主な要因としては、市町村合併前に各市町村で発行された地方債の償還終了、唐津市定員適正化計画に基づく退職者の不補充などによる職員数の縮減による退職手当負担見込額の減少などが挙げられるが、今後は合併特例債を活用した大型事業の実施により、将来負担比率、実質公債費比率ともに増加に転じることが予測されるため、これまで以上に公債費の適正化に取組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

本市の公共施設は、市町村合併により施設数が多く、財政制約上の問題から更新が進まず、全体的に有形固定資産減価償却率が高くなっている。特に高い施設は、幼稚園・保育所、児童館、橋りょう・トンネルである。幼稚園・保育所については、現在、統合・民営化を進めているところである。また、老朽化が進み、耐震基準も満たしていない市役所本庁舎、市民センター庁舎については、計画的に建替えを行うこととしている。一方、学校施設の有形固定資産減価償却率は、学校統廃合を進めたことと、耐震基準を満たすために計画的に改築等を進めたことにより、全国平均を下回る水準となっている。今後、公共施設等総合管理計画に掲げた施設保有量の削減を進めるとともに、個別施設計画を策定し、施設の維持管理経費の削減を図る。

施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

本市の公共施設は、市町村合併により施設数が多く、財政制約上の問題から更新が進まず、全体的に有形固定資産減価償却率が高くなっている。特に高い施設は、幼稚園・保育所、児童館、橋りょう・トンネルである。幼稚園・保育所については、現在、統合・民営化を進めているところである。また、老朽化が進み、耐震基準も満たしていない市役所本庁舎、市民センター庁舎については、計画的に建替えを行うこととしている。一方、学校施設の有形固定資産減価償却率は、学校統廃合を進めたことと、耐震基準を満たすために計画的に改築等を進めたことにより、全国平均を下回る水準となっている。今後、公共施設等総合管理計画に掲げた施設保有量の削減を進めるとともに、個別施設計画を策定し、施設の維持管理経費の削減を図る。

財務書類に関する情報①(2017年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

唐津市は、平成29年度末までに一般会計等では307,652百万円、水道事業会計及び下水道特別会計等を加えた全体では408,362百万円、唐津市土地開発公社及び佐賀県後期高齢者医療広域連合等を加えた連結では411,736百万円の資産を形成してきている。このうち、純資産は、一般会計等では210,322百万円、全体では236,033百万円、連結では237,667百万円である。資産総額のうち有形固定資産の割合が、一般会計等では93%、全体では90%、連結では89%となっており、これらの資産は将来の(維持管理・更新等の)支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に掲げた施設保有量の削減を進めるとともに、個別施設計画に基づき、施設の維持管理経費の削減等を図る。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は64,618百万円となり、そのうち、人件費や物件費等の業務費用は37,320百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は27,298百万円であり、業務費用の方が移転費用よりも多い。最も金額が大きいのは物件費等(25,587百万円)、次いで人件費(10,802百万円)であり、それぞれ純行政コストの42%(物件費等)、18%(人件費)を占めている。今後も、財政計画に基づき、徹底した事業選択やスクラップアンドビルドを実施し、経費削減に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(55,633百万円)が純行政コスト(60,951百万円)を下回っており、本年度差額は▲5,318百万円となり、純資産残高は4,484百万円の減少となった。今後も、地方税の徴収業務の強化等により税収等の増加に努める。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が29,276百万円多くなっているが、純行政コスト(86,726百万円)を下回っており、本年度差額は1,818百万円となり、純資産残高は947百万円の減少となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は4,535百万円であったが、投資活動収支については、小中学校の更新整備等を行ったことから、▲3,404百万円となっている。財務活動収支については、地方債償還支出が地方債の発行額を上回ったことから、▲1,143百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から12百万円減少し、1,490百万円となった。

財務書類に関する情報②(2017年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、合併前に旧市町毎に整備した公共施設があるため、保有する施設数が非合併団体よりも多く、類似団体平均を上回っている。将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減するため、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、平成28年度から令和16年度までの19年間の取組として公共施設等の集約化・複合化を進めるなどにより、施設保有量の適正化に取り組む。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均と同程度であるが、純行政コストが税収等の財源を上回ったことから純資産が減少している。純資産の減少は、将来世代が利用可能な資源を過去及び現世代が費消して便益を享受したことを意味するため、財政計画に基づき、徹底した事業選択やスクラップアンドビルドを実施し、行政コストの削減に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均を上回っている。特に、純行政コストのうち4割を占める物件費等や2割を占める人件費が、類似団体と比べて住民一人当たり行政コストが高くなる要因となっていると考えられる。行政マネジメントアクションプランに基づく行財政改革への取組を通じて経費削減に努める。また、教育・保育施設給付費、障害福祉サービス費、子どもの医療費助成費など社会保障給付が増加しているため、適正な執行等により、社会保障給付の増加傾向に歯止めをかけるよう努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を上回っている。市町村合併後の新市の均衡ある発展を目指すため、旧合併特例債を発行して、集中的に基盤整備事業を行ってきたが、元利償還金の償還を確実に実施している。今後も財政計画の数値を目標に、事業の取捨選択を徹底し、起債発行額を減じるとともに、元利償還金の償還を確実に実施し、地方債残高の減少に努める。基礎的財政収支は、業務活動収支の黒字分が基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分を上回ったため、1,243百万円となっており、平成29年度は類似団体平均を上回っている。投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して、小中学校の更新整備等の必要な整備を行ったためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は増加しており、類似団体平均を上回っている。今後施設の老朽化による維持補修費の増加が見込まれることから、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の集約化・複合化や長寿命化を行うことにより、経常費用の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,