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地方財政ダッシュボード

福岡県吉富町の財政状況(2021年度)

🏠吉富町

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2021年度)

財政力指数の分析欄

類似団体の平均値とほぼ同等であるが、全国平均及び福岡県平均を下回っている。令和3年度については、新型コロナウイルス感染症の影響による個人町民税の減、法人税の減、家屋・償却資産の評価額の減による固定資産税の減等により基準財政収入額が減少する一方で、地域デジタル社会推進費の新設や消防費、厚生費の増等で基準財政需要額が大幅に増額したため、前年度比で減となった。今後は歳出の見直しは継続して行い、まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき住みよいまちづくりを推進し、人口減少に歯止めをかけ、町税等の増による歳入確保に努める。

経常収支比率の分析欄

類似団体よりも数値は下回っており、前年度の数値からも大きな改善となった。交付税の増等による経常一般財源の増が主な要因である。経常経費については人件費が減となっているが、新陳代謝に伴う正規職員の給与の減が主な要因であり、令和3年度決算のみの特殊要因であると考えられる。義務的経費全般では増額傾向であり、物価高騰の影響で光熱水費や委託料等の増も見込まれることから、経常収支比率は今後は令和2年度以前の水準で推移するものと推察している。まちづくり事業を推進し、町を活性化させることで、町税等の自主財源の確保に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

財政計画をとおして経常経費の削減に努めた効果として、類似団体の平均よりも良好な数値を長期にわたり、維持できている。令和3年度は前年度比で人件費は減額しているものの、新陳代謝に伴う特殊要因であり、今後は例年並みか定員数確保に伴う増額も見込まれる。物件費では電算機リース料やサービス使用料等の経常的な経費も増額しており、今後は物価高騰による光熱水費等の増も見込まれる。従来の歳出削減の取組に加え、DXの推進による事務の効率化で人件費を減額する等、新たな歳出削減に取り組んでいく。

ラスパイレス指数の分析欄

財政健全化計画による人件費の削減を進めてきたことから、類似団体の平均値を下回っている。今後も引き続き、給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

毎年度、類似団体平均を下回っている状況である。今後も引き続き、定員管理に基づき、適正な定員管理に努める。なお、令和4年度では、定員管理計画に基づいた職員数の確保のため、職員を多く採用している。

実質公債費比率の分析欄

近年は起債を活用した事業が増加しており、実質公債費比率も上昇傾向にある。令和3年度については算入公債費や普通交付税が増となったため、元利償還金が前年度比よりも増額となっていても、対前年度で±0%だった。今後も、公債費負担については増額の見込となっている。負担増を抑制するため、緊急度を選別し、町民サービスに応じた事業を計画的に展開していくことで、起債に頼り過ぎない財政運営に努める。

将来負担比率の分析欄

近年は町の地方債残高や公営企業債等繰入見込額が大幅に増額したことが主な要因となり、将来負担比率が算定されている。令和3年度は財政調整基金を100,000千円積立てたことにより、充当可能財源が大幅にふえ、将来負担比率も前年度から回復している。ただし、下水道事業は継続して実施される見込みである。また、町の施設の老朽化も進んでおり、改修・整備を要することを踏まえると、今後も地方債が増加していくものと見込まれる。計画的な公共施設の維持管理などにより、安定した財政運営を心掛け、将来負担比率の増加を抑制するように努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)

人件費の分析欄

近年、人件費にかかる経常収支比率は類似団体を若干上回っていたが、職員の新陳代謝に伴う人件費の減という特殊要因が生じたため、同率となった。町域が大変狭い本町は財政規模が小さく、経常一般財源の総額が低い。人件費や扶助費等、小規模自治体でも一定の支出を要する経費は経常収支比率が高い水準となりやすいため、計画的な採用を行うことで、人件費の抑制に努めている。

物件費の分析欄

各種事業や物件費全般の見直しを実施しているものの、物価高騰等の影響により、上昇傾向となっている。特に、電算機リース料やサービス使用料が増額しているが、必要経費であるため削減が難しい状況にある。今後も物価高騰による光熱水費の増等が見込まれ、物件費の削減はさらに厳しいものと考えられるが、契約の見直しやデジタル化や省エネ化によるランニングコストの削減等を通して歳出削減の取組みを今後も実施していく。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は類似団体を大きく上回っている。財政規模が小さく経常一般財源の総額が低い本町では、一定の割合で町が負担を要する扶助費については経常収支比率が高くなりやすく、例年、類似団体でほぼ最高の水準となっている。令和3年度は障害者福祉事業が前年度比で大幅な増となっているため前年度比から大きく増となっている。扶助費は削減が難しく、今後も高い数値が続くものと考えられる。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は、類似団体の平均を下回る状況が続いている。その他の主な項目である繰出金については、引き続き他会計の財政運営の状況を踏まえ、必要最低限にとどめ、適切な支出に努める。

補助費等の分析欄

毎年、類似団体を上回る状態が続いている。消防、ごみ処理、中学校等の運営を一部事務組合で行っていることが主な要因である。令和3年度は充当財源が増となったことから、前年度から減となった。水道、下水道等の公営企業にも補助を行っており、特に下水道については建設工事も続いているため、今後も高い水準が続く見込みである。各種団体への補助については適正化に今後も努め、補助費の抑制を図りたい。

公債費の分析欄

近年は起債を活用する事業が増加しており、公債費も増加傾向にあるが、収入の増により率としては下がった。類似団体よりは低い水準で推移はしているものの、今後も起債を活用した事業が多く見込まれることから、減額の見込はない。借入額の調整や、事業内容の見直しを随時行いながら、緊急度や町民ニーズを的確に把握し、起債に頼り過ぎない財政運営に努める。

公債費以外の分析欄

町域が狭く投資的事業が比較的少ないため、公債費の割合が低い反面、財政規模が小さいことからその他固定的に一定の経費を要する分野の比率が高くなっている。令和3年度は地方交付税が増となり、人件費も大幅に減ったため、公債費以外の経常収支比率が前年度比で減少している。今後も引き続き、歳出全般にわたり見直しを続け、抑制を図っていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

目的別歳出の住民一人当たりのコストについては、民生費と土木費以外の項目が類似団体を下回っている。民生費については給付金事業(住民税非課税世帯、子育て世帯、低所得者世帯)の臨時的な増が影響をしているが、元々、類似団体を上回る傾向にある。年少人口が比較的多いことによる児童福祉費経費の支出や、利用者の増による障害者福祉事業の支出の多さが要因であり、どちらも前年度比で増となっている。土木費では、令和2年度からの繰越事業である橋梁改修や町営住宅改修も支出されたことで、例年に比べて増となっている。総務費が大幅に減となっているが、前年度に記載したとおり、特別定額給付金事業や新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した応援金の減が要因となっている。農林水産業費ではため池耐震診断や漁港の改修といった臨時経費分が減額となっている。本町のコストの増減を左右する理由としては、国主導のよる給付金等の事業、民生費の扶助的経費、ハード事業に分けられる。扶助費は削減が難しい状況であるが、ハード事業については、特に金額が大きく左右される項目であるため、今後も事業の見直しを行いながら歳出を抑制していく。全体をとおして、効率的な行財政運営を行うことができていると考えられるが、今後も引き続き、歳出全般において不断の見直しを続けながら運営を行っていきたい。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

性質別歳出の住民一人当たりのコストは扶助費のみが類似団体の平均を上回っている。年少人口が比較的多いことによる児童福祉の増、利用者の増に伴う障害者福祉の増が主な要因であると考えられる。特に障害者福祉は、利用者の増に伴って年々上昇幅が大きくなっている。また、単独での福祉政策は大きく増額してはいないものの、扶助費を高めている一因ともなっていることから、必要に応じて事業の見直しを図っていきたい。その他の経費は類似団体を下回っているが、普通建設事業費の更新整備が大幅増となっている。橋梁の改修や町営住宅の改修工事の増が要因であり、特に令和2年度からの繰越事業の影響も強い。補助費等の大幅減については前年度に記載したとおり、特別定額給付金事業や新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した応援金の減が要因となっている。積立金については普通交付税において臨時財政対農林水産業策債の交付税措置分が交付されたことによる減債基金への積立て、財源が確保できたことによる地域振興基金への積立てを行ったため、前年度比で増となっている。全体的に効率的な財政運営ができているため、今後も引き続き歳出全体にわたり不断の見直しを続け、歳出の抑制に努めたい。

実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)

分析欄

例年は予算上の歳入不足分を財政調整基金の取崩しで補てんしているが、令和3年度は普通交付税の追加交付等があったことから財源が確保でき、財政調整基金を取崩さない財政運営が達成できたことで、実質単年度収支も黒字となった。今後もふるさと納税の推進や、さらなる歳出削減の取組をとおし、安定的な財政運営に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)

分析欄

連結実質赤字比率については、全会計において黒字であり、赤字比率はない。実質的には財政調整基金を取崩して黒字になっている状況が長らく続いていたが、令和3年度は普通交付税の追加交付等により、財政調整基金を取崩さない財政運営を達成することができた。引き続き、ふるさと納税の推進を中心とした歳入確保や、DXの推進に伴う事務の効率化による事務費の減等の歳出削減の取組みに努めていく。なお、一般会計以外の黒字については、一般会計からの法定外の繰出しに頼っている会計もあり、各会計内で収支均衡が図れるよう、適正な財政運営に努め、一般会計からの繰出しの抑制を図る必要がある。今後についても、下水道事業における建設工事や他の公営事業の増加に伴い、起債の償還額も増えてきている現状を踏まえ、厳しい財政状況となることが見込まれる。全会計をとおして、安定した財政状況を維持できるよう、将来の負担を見通した計画的な財政運営に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

実質公債費比率は令和3年度は8.0%となり前年度と同率となった。元利償還金と公営企業債等の繰入額が増額しているが、算入公債費えれも増となったため、率が増加することはなかった。元利償還金については、公営企業や一部事務組合でも増加傾向にあり、町の負担も大きくなっている。公営企業では特に下水道事業が影響しているが、事業が進行中であるため、減額は厳しいものとなっている。町としても、施設の更新が続く見込みであることから、緊急度やニーズを的確に把握した事業の選択等により、計画的な財政運営に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

近年は起債を活用した事業が増加をしており、町債残高も増加傾向にある。また、公営企業等繰入見込額も増額をしている。下水道事業が大きく影響をしているが、事業が進行中であるため、大幅な減額は見込めない。令和3年度は財政調整基金を100百万円積立てることができたため、充当可能財源が増え、前年度から2.9%の減となり改善した。今後も老朽化した公共施設の更新等も継続される予定であり、多額の費用負担が発生する見込みである。計画的な地方債の借入や事業の見直しを行い、健全な財政運営に努める。、

基金残高に係る経年分析(2021年度)

基金全体

(増減理由)下水道事業会計への繰出しの一部を補うため公共下水道事業費基金を18.9百万円取崩しを行った。また、積み立てたふるさと納税については、かわまちづくり事業やがん検診の拡充分等の町の活性化に繋がる事業への財源とするため14.1百万円を取崩した一方で、新たに積立てを行ったため0.8百万円増額した。財政調整基金は、例年一時的な財源不足を補うために取崩しをしているが、令和3年度は取崩しを行わずに100百万円の積立てが達成できた。さらに、令和3年度は普通交付税で追加交付された臨時財政対策債の交付税措置分を減債基金に30.5百万円、財源の確保ができたことにより地域振興基金に55.5百万円を積み立てることができた。全体的には、168.5百万円の大幅増となった。(今後の方針)基金については、令和2、3年度は増額したものの、例年は減少傾向にある。財政計画で見込んだ範囲内であるとはいえ、今後も施設の更新等が見込まれることから基金を財源とすることが予測される。ふるさと納税を中心とした歳入確保の取組みを進め、基金に頼らない仕組みの構築に努める。

財政調整基金

(増減理由)令和3年度は、令和2年度からの決算剰余金として100百万円を積立て、取崩しは行わなかった。結果、財政調整基金は100百万円の大幅な増額となった。(今後の方針)財政調整基金については、厳しい財政状況を踏まえ、財源不足の調整のために現在の水準(約10億円)程度は今後も維持をしていきたい。

減債基金

(増減理由)普通交付税で追加交付された臨時財政対策債の交付税措置分を30.5百万円積立てた分が、増額となった。(今後の方針)追加交付された臨時財政対策債の交付税措置分については、毎年度、償還額に応じて取崩しを行っていく。また、近年は大規模な起債を続けており、近い将来、起債の償還がピークになることが見込まれるため、それに備えて現状を維持したい。

その他特定目的基金

(基金の使途)・公共下水道事業費基金:吉富町公共下水道事業費基金に充当する。・地域振興基金:活力あるまちづくりの推進及び地域の振興を図る。・災害対策基金:災害の予防、応急対策及び復旧に要する経費の財源に充てる。・地域福祉基金:進行する少子高齢化社会及び多様化する障害者のニーズを適切に対応し、すべての人が安心していきいきと暮らせる地域づくりの推進を図る。・漁業振興基金:吉富町における漁業の振興を図る。(増減理由)・公共下水道事業費基金:下水道事業会計への補助金の財源の一部として18.9百万円取崩したため減少した。・地域振興基金:普通交付税の追加交付等により財源が確保できたため、55.5百万円を積立てたことで増加した。・災害対策基金:取崩しを行っておらず、運用益を積み立てたがほぼ増減はない。・地域福祉基金、漁業振興基金:取崩しを行っていないため、ほぼ増減はない。(今後の方針)・公共下水道事業費基金は、計画的に運用しながら下水道事業に活用する。・地域振興基金は、地域の活性化やまちづくりに繋がる事業に、有効に活用する。・運用益を事業の一部に活用する地域福祉基金は現状を維持する。・災害対策基金、漁業振興基金はそれぞれ活用する案件が生じた場合に備え、現状を維持する。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率については、緩やかに上昇傾向にあり、やや類似団体平均より高い状況が続いていたが、令和3年度は前年度比で横ばいとなり、類似団体の平均とほぼ同じ水準となった。平成28年度に策定した公共施設総合管理計画及び各個別施設計画に基づき、計画的に施設の維持管理を行っており、一定の効果が表れているものと考える。今後も計画的な公共施設の改修や更新を進めていきたい。

債務償還比率の分析欄

令和3年度は、公共施設の改修、下水道事業等により町債の残高が増加し、将来負担額が増加しているものの、充当可能基金等がこれを上回る増加となったことで債務償還比率は大きく下げることができた。しかし、類似団体の平均に比べると、ここ数年高い状況が続いており、引き続き公共施設等総合管理計画に基づき、計画的な公共施設等の維持管理を進めるとともに、ふるさと納税等を中心とした自主財源の確保による充当可能財源の増加に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

類似団体の平均に比べ将来負担比率、有形固定資産減価償却率ともに高い傾向にあったが、令和3年度は将来負担比率が減少し、減価償却率が横ばいとなったことで、ほぼ類似団体の平均に近い状況まで改善した。今後も将来負担などの財政状況も考慮しながら、計画的に公共施設の改修や更新を進めていきたい。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率及び実質公債費比率ともに類似団体平均より高い状況が続いていたが、令和3年度はほぼ類似団体の平均と同水準となった。交付税等の歳入の増加、充当可能基金の増加等により、実質公債費比率、将来負担比率がいずれも減少していることが要因となっている。今後も公共施設の改修・更新が続くが、計画的な財政運営に努めていきたい。

施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

本町は町域が非常に狭く、行政効率が良いことから、一人当たりの有形固定資産額や面積・延長は軒並み類似団体より低い傾向にある。有形固定資産減価償却率については、この表では道路、橋梁・トンネル、学校施設、幼稚園・保育所、港湾・漁港が類似団体に比べ高い水準となっている。道路については、本町が整備を進めている下水道工事の際、現状復旧のため舗装をし直すことも多く、数値ほど老朽化が著しい状況ではないが、学校や保育園については、1校、1園で建築年数がかなり経過しているため、更新されるまで高い水準が続くものと思われる。橋りょう・トンネルについては、町の主要な橋りょうの1つである佐井川橋の大規模改修を行ったことで減価償却率が大きく改善した。このほか、公営住宅は更新や改修が進み類似団体に比べても大幅に低い水準を維持できている。

施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

本町は町域が非常に狭く、行政効率が良いことから、一人当たりの有形固定資産額や面積・延長は軒並み類似団体より低い傾向にある。有形固定資産減価償却率については、この表では特に体育館・プール、一般廃棄物処理施設、保健センター・市民会館が類似団体よりも高い状況にある。いずれも1施設のみで建築年数がかなり経過しているため、施設の更新まで高い水準が続くものと考えられる。一方で、改修や更新、増築を行った庁舎や消防施設については類似団体に比べ低い水準となっている。今後も建築年数が経過し老朽化が進んでいる公共施設について、財政状況を考慮しながら計画的な改修、更新を進めていきたい。

財務書類に関する情報①(2021年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等については、建築年数が経過している公共施設も多く、随時改修・更新をしていることから、建物や工作物の増加が減価償却費を上回っており、増加傾向にある。また、基金についても近年は取り崩しより積立が多いことから、増加傾向にあるため、資産総額も増加傾向にある。負債も増加傾向にあるが、主な要因については、公共施設の改修・更新にあたり起債を活用しており、地方債残高が増加しているためである。全体会計については、公営企業法適用により令和元年度から下水道事業会計を加えたため、大幅な増となっている。下水道は現在整備中で、地方債を毎年度計画的に借り入れを行っているため、償却資産と共に増加傾向にある。また、全体会計については平成30年度分から新システムを導入した際に、前年度情報が正確に反映されていないことから資産で約23億円分の誤りが生じている。(平成30年度の実際の資産は約154億円)連結会計についても令和元年度に大幅な増となっているが、理由としては全体会計と同じく下水道事業会計が加わったためである。全体会計の資産・負債の増に伴い、連結会計も増加傾向にある。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等については、行政コストが人件費、物件費の伸びなどにより増加傾向にある。特に、令和2年度は、コロナ対策として臨時の給付金事業などが実施されたこともあり、補助金等が大幅に増加した。令和3年度も引き続きコロナ対策で増加しているものの、給付金の規模などが小さくなったことで金額的にはやや落ち着いた。全体会計についても概ね同様の傾向にあるが、連結会計については、令和元年度までは加入する各一部事務組合の財政運営が改善傾向にあったため減少した。令和3年度は介護保険広域連合や後期高齢者医療広域連合など福祉分野で行政コストの増加が見られるなど、連結会計のみ行政コストが増加している。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等において、例年の傾向としては行政コストが税収等の財源を上回っていたことで赤字となっていたが、令和3年度は税収等の財源が行政コストを上回ったため純資産も増加させることができた。全体会計の純資産残高については、公会計作成システムを変更した際に前年度情報が正確に反映されておらず、約36億円分の誤りが生じている。(平成30年度の実際の純資産残高は約93億円)。令和3年度は一般会計の純資産が増加した影響が大きく全体会計も増加している。全体会計、連結会計の純資産変動額が令和元年度に大きく変動しているのは、公営企業法を適用した下水道事業会計の固定資産が加わったためである。連結会計も全体会計と同様、一般会計等の純資産の増加の影響が大きく増加となっている。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等において、業務活動収支において人件費や物件費、社会保障給付費等の支出が増えているものの、税収や使用料等の収入も増えているため均衡が取れている。投資活動収支については施設の老朽化等により公共施設等整備費支出が増えてはいるが、補助金の活用等により投資活動収入も増やしており、令和3年度は前年比ほぼ横ばいとなっている。財務活動収支については起債の発行額が償還額を上回っているため黒字傾向となっているが、その分、町債の残高が増額する結果となっているため、今後も計画的な起債の発行を行っていく。全体会計と連結会計の業務活動収支が令和元年度に増額しているのは、下水道事業会計が加わったことで下水道使用料等の収入が増となったためである。下水道事業会計は下水道整備の投資的活動を主としているため、投資活動収支では公共施設等整備費が増額しているが、その分投資活動収入も増えており、大きな変動はない。連結会計についても概ね全体会計と同様であり、令和2年度から3年度にかけては大きな変動はない状況である。

財務書類に関する情報②(2021年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人あたりの資産額が類似団体平均を下回っているが、本町は面積が狭く道路等のインフラ資産が少ないことや、取得価格が不明な道路、河川等の敷地について備忘価格1円で評価しているものが多いためである。歳入対資産比率についても同様に、資産額が相対的に少ないために類似団体に比べ、下回っている。有形資産減価償却率については、道路等のインフラ資産について昭和40年代以前に整備された資産が多く、類似団体よりも高い水準にある。なお、道路は下水道整備に合わせて随時舗装が改良されているため、実態としては類似団体と大きな差はないと考えられる。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均よりもやや低い水準にあるが、他の団体に比べて面積が狭く、資産が少ないことが影響していると考えられる。将来世代負担比率は上昇傾向にある。町営住宅の建設やその他のハード事業の際に借りた地方債により、地方債残高が増加していることが要因と考えられる。近年は、地方債残高が上昇傾向にある。今後、公共施設の更新も予定されているため、世代間の公平性を確保しながらも、計画的な借入を行う等、将来世代の負担を減らす取組が必要である。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

行政コストについては、類似団体を大きく下回っている。人件費や公共施設の管理コストが類似団体に比べ低く抑えられていることが要因と考えられる。ただし、人件費と物件費は増加傾向にある。今後は会計年度任用職員制度の開始等による人件費の上昇、施設の維持管理やデジタル関係費の増額等による物件費の上昇等が見込まれるため、効率的な行政運営に努める必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

類似団体に比べ下回っている。地方債の残高が類似団体よりも少ないことが要因だと考えられるが、本町は大規模改修による地方債の発行に伴い増加傾向にある。ふるさと納税を中心とした自主財源の確保を推進し、地方債の発行を抑制する取組が必要である。基礎的財政収支については、投資活動収支の赤字が減少傾向にある。しかし、今後も施設の更新などが見込まれることから、財源の確保が課題となっている。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均に比べて低い状況である。受益者負担については見直しに関する基本方針を定めており、令和3年度分から見直し後の運用を開始する。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,