地方財政ダッシュボード

岩手県西和賀町の財政状況(最新・2024年度)

収録データの年度

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西和賀町の主要財政図表を、Excelブックとしてまとめています。

対象年度2024年度

出典: 総務省「財政状況資料集」,「統一的な基準による財務書類に関する情報」,
作成:澁谷英樹「地方財政ダッシュボード」.

地域の概況

人口の推移
歳入・歳出・形式収支の推移

普通会計の構造(2024年度)

目的別歳出

総額75.5億円

性質別歳出

総額75.5億円

歳入の内訳

総額78.4億円

財政比較分析表(2024年度)

財政力

財政力指数は類似団体の平均を大きく下回っている。人口減少および高齢化の進行に加え、近年の社会情勢(感染症等の影響)も相まって、町内の経済状況に好転の兆しは見えない。町民税をはじめとする地方税は減少傾向にあり、依然として財政基盤は脆弱な状況にある。普通交付税の算定において、基準財政収入額(+17,869千円)以上に基準財政需要額(+64,874千円)が増加しており、地方税収入の低迷等から、財政力指数の抜本的な改善は極めて困難な情勢にある。今後は地方交付税に依存するだけでなく、ふるさと納税の戦略的活用や受益者負担(使用料等)の見直しによる自主財源の確保、さらには行政改革による事務的経費の徹底した削減を断行し、財政状況の改善を図ることが急務である。

財政力指数

財政構造の弾力性

経常収支比率の算定において、分母となる経常一般財源総額は前年度比46,352千円増の4,516,246千円となった。一方、分子となる経常経費充当一般財源は前年度比12,805千円減の4,154,852千円となったことから、経常収支比率は前年度から1.1ポイント改善し、91.8%となった。比率低下の主な要因としては、歳出面(分子)における公債費の減少(-27,064千円)に加え、歳入面(分母)において地方交付税が増加(+42,410千円)したことなどが挙げられる。

経常収支比率

人件費・物件費等の状況

人件費、物件費および維持補修費の合計額における住民1人当たりの金額は、前年度比で74,374円の増となった。これは、人事院勧告に伴う給与改定等による人件費の増加に加え、委託路線の拡充に伴う町道除雪業務委託料の増大により、維持補修費が大幅に増加したことが主な要因である。当該指標は類似団体平均を大きく上回っているものの、広大な面積と厳しい自然環境を有する当町においては、町民の安全な生活やインフラ機能を維持するために、一定程度の経費を要する特段の事情があるものと考える。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額

給与水準(国との比較)

ラスパイレス指数については、採用・退職者数を除いた試算値の乖離や、職種区分間の人事異動等に伴う給与構成の変化により、前年度から0.4ポイント上昇の96.1%となった。今後は、人件費の適正管理を図るため、総職員数の抑制と年齢構成の平準化を両立させた、中長期的な視点に基づく採用計画を推進する必要がある。

ラスパイレス指数

定員管理の状況

人口1,000人当たり職員数は類似団体平均を上回っているが、これは合併団体として旧町村の行政拠点を維持する「分庁舎方式」を採用していることが主因として挙げられる。加えて、3箇所の公立保育所の運営や、基幹産業である農林業・観光業の振興体制の強化、文化施設を中心とした生涯学習事業の展開など、当町独自の行政ニーズに対応した組織体制が要因と考えられる。今後は、平成29年度に策定した「西和賀町定員管理適正化計画」に基づき、事務の効率化を図るとともに、引き続き適正な定員管理に努める必要がある。

人口1,000人当たり職員数

公債費負担の状況

一般会計の元利償還金は減少(-24,964千円)したものの、公営企業債の償還に充てる繰出金が増加(+14,818千円)したことなどが要因となり、公債費の比率は前年度から0.1ポイントの上昇となった。平成26年度以降、大規模事業の断続的な実施に伴い多額の地方債を発行してきた影響から、元利償還金は令和3年度以降、高い水準で推移する見込みである。今後は、繰上償還の検討や新規地方債の発行抑制を徹底し、将来的な公債費負担のさらなる増大を回避するよう努める必要がある。

実質公債費比率

将来負担の状況

地方債現在高(一般会計分)の減少(-117,945千円)に加え、基金残高が増加(+37,003千円)したこと等により、将来負担額が減少した結果、将来負担比率は前年度から9.4ポイントの改善となった。今後は大規模事業の実施が予定されており、地方債発行額の増大に伴い比率が再び悪化する見通しである。将来的な財政負担に備え、基金の積み立てをはじめとする充当可能財源の着実な確保が不可欠である。

将来負担比率

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2024年度)

人件費

人件費は、人事院勧告に伴う給与改定等により、前年度比で61,471千円の増となった。これに伴い、経常経費に充当する一般財源も31,150千円増加したことから、経常経費の割合は前年度から0.5ポイント上昇した。義務的経費の約半分を人件費が占めている現状を鑑み、今後は更なる効率化を目指した組織機構の検証を行うとともに、職員構成の平準化に努める必要がある。

経常収支比率(人件費)

物件費

物件費は、大規模な解体事業の終了等により、全体で前年度比45,109千円の減となった。これに伴い、経常経費に充当する一般財源も80,365千円減少したことから、経常経費比率は前年度から1.9ポイントの低下となった。今後は、事務経費の更なる節減に努める必要がある一方、職員数の減少に伴う業務委託の進展や物価高騰の影響等により、物件費の増加が見込まれることから、引き続き経費の精査に注力する必要がある。

経常収支比率(物件費)

扶助費

扶助費は、臨時特別給付金の減少等により、総額で前年度比52,194千円の減となった。一方で、経常経費に充当する一般財源は3,784千円の増となったことから、経常経費の割合は前年度から0.1ポイントの上昇となった。障害者自立支援給付費については前年度比で微増(+3,338千円)にとどまったものの、扶助費全体に占める構成比が大きいことから、引き続きその動向を注視する必要がある。

経常収支比率(扶助費)

その他

投資及び出資金・貸付金に充当する経常経費一般財源が、前年度比208,079千円の減となったことなどにより、経常収支比率(経常経費の割合)は前年度から1.7ポイントの低下となった。今年度は前年度比で減少しているものの、公営企業への繰出金が依然として多額であるほか、介護保険特別会計への繰出金も給付費の伸長に伴い増加傾向にある。これらの経費は今後も高水準で推移することが見込まれるため、公共料金の見直しによる収益確保を強力に推進し、一般会計からの繰出金の圧縮を図る必要がある。

経常収支比率(その他)

補助費等

補助費等は、公営企業への繰出金の増加等により、全体で前年度比163,636千円の増となった。これに伴い、経常経費に充当する一般財源も130,414千円増加したことから、経常経費比率は前年度から2.7ポイントの上昇となった。特に公営企業会計(水道・下水道・病院)への繰出金が多額に上り、本町の経費割合が類似団体を上回る主因となっている。今後は、使用料・手数料の見直しを含めた経営改善を強力に促し、繰出金の圧縮を図る必要がある。

経常収支比率(補助費等)

公債費

公債費は、全体で前年度比25,290千円の減となった。これは、臨時財政対策債(-13,682千円)や過疎対策事業債(ソフト分)(-6,809千円)などの元利償還金が減少したことが主な要因であり、公債費総額の減少につながった。これらに伴い、経常経費における公債費の負担も軽減したことから、財政構造の弾力化に寄与している。

経常収支比率(公債費)

公債費以外

経常収支比率の上昇に伴い、公債費を除く経常経費(人件費、扶助費、物件費、補助費等)の割合も増加しており、類似団体平均を上回る水準で推移している。今後は、これまで減少傾向にあった公債費の増加が見込まれることから、各特別会計への繰出金をはじめとする経常経費全体の抑制・節減を強力に推し進め、財政の弾力性確保に努める必要がある。

経常収支比率(公債費以外)

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2024年度)

目的別歳出の分析欄

類似団体平均と比較すると、全ての項目において住民一人当たりのコストが高くなっている。議会費については、合併自治体であることに伴い、議員数が類似団体を上回っていることが主な要因と考えられる。土木費は、当町が特別豪雪地帯に指定されており、除雪経費が多額に上ることから、類似団体を大きく上回る水準となっている。教育費は、文化創造館舞台照明設備改修工事や川尻体育館解体工事などの大規模事業が前年度に完了したことにより、大幅な減少となった。総務費についても、湯本地区テラス等整備工事や開発総合センター解体工事などの大規模事業が終了したため、大幅に減少している。性質別分析と同様、全体として類似団体を上回る費目が多いものの、今後も財政状況を厳格に勘案しつつ、真に必要な事業については適切に執行していくものとする。

議会費

類似団体内順位1位/ 81団体

労働費

類似団体内順位6位/ 81団体

消防費

類似団体内順位8位/ 81団体

諸支出金

類似団体内順位5位/ 81団体

総務費

類似団体内順位17位/ 81団体

農林水産業費

類似団体内順位11位/ 81団体

教育費

類似団体内順位10位/ 81団体

前年度繰上充用金

類似団体内順位1位/ 81団体

民生費

類似団体内順位2位/ 81団体

商工費

類似団体内順位9位/ 81団体

災害復旧費

類似団体内順位14位/ 81団体

衛生費

類似団体内順位2位/ 81団体

土木費

類似団体内順位5位/ 81団体

公債費

類似団体内順位11位/ 81団体

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2024年度)

性質別歳出の分析欄

類似団体と比較すると、ほぼ全ての項目において住民一人当たりのコストが高くなっている。人件費については、職員数が類似団体を上回っていることが主な要因である。今後は定員管理適正化計画に基づき、職員数の平準化や年齢構成を考慮した計画的な採用に取り組む必要がある。補助費等および繰出金は、公営企業会計(上下水道・病院事業等)への拠出に加え、介護保険等の特別会計においても給付費の増大に伴い繰出額が増加している。維持補修費については、道路除雪の外部委託への切り替えに加え、物価高騰の影響を大きく受けたことで、前年度に比して大幅な増加となった。公債費は、大規模事業の償還開始などにより高止まりしている状況にある。全体として多くの費目で類似団体を上回る水準にあるが、本町は人口減少の進行が速いため、一人当たりの経費を抑制することは極めて困難な状況にある。今後は、厳しい財政状況を十分に踏まえ、真に必要な事業を適切に精査し、実施していくものとする。

人件費

類似団体内順位2位/ 81団体

補助費等

類似団体内順位3位/ 81団体

災害復旧事業費

類似団体内順位14位/ 81団体

投資及び出資金

類似団体内順位1位/ 81団体

物件費

類似団体内順位5位/ 81団体

普通建設事業費

類似団体内順位44位/ 81団体

失業対策事業費

類似団体内順位1位/ 81団体

貸付金

類似団体内順位17位/ 81団体

維持補修費

類似団体内順位2位/ 81団体

普通建設事業費(うち新規整備)

類似団体内順位22位/ 81団体

公債費

類似団体内順位11位/ 81団体

繰出金

類似団体内順位2位/ 81団体

普通建設事業費(うち更新整備)

類似団体内順位42位/ 81団体

積立金

類似団体内順位19位/ 81団体

前年度繰上充用金

類似団体内順位1位/ 81団体

実質収支比率等に係る経年分析(2024年度)

分析欄

財政調整基金については、現時点では一定の規模を維持している。しかし、今後の公債費の増大を考慮すると、基金残高は減少していくことが想定される。実質収支は、前年度に引き続き黒字を維持した。また、実質単年度収支についても22,051千円の黒字(標準財政規模比+0.51%)となり、令和3年度以来、3年ぶりに黒字へと転じた。今後は、令和2年度に策定した中期財政計画に基づきさらなる収支改善を図り、実質単年度収支の継続的な黒字化を目指していく。

実質収支額・比率,財政調整基金残高

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2024年度)

分析欄

【一般会計】現在は黒字を維持できているものの、人口減少の進行に伴い町税は減少傾向にある。今後は地方交付税を含めた一般財源全体の確保が、より一層厳しい状況となる見込みである。こうした財源不足に備えるためにも、既存事業の徹底した見直しや経費の抑制を推進するとともに、持続可能な財政基盤の確立に向けた取り組みを加速させる必要がある。【特別会計】各特別会計においては、一般会計からの繰入金によって形式的な黒字を維持しているものの、基盤となる一般会計自体の財源確保は、今後一段と厳しさを増す見通しである。特に事業会計においては、一般会計の財政負担を軽減するためにも、料金体系の見直しを含めた自主財源の確保が急務となっている。今後は、人口減少に見合った事業規模の適正化を図るとともに、持続可能な経営体制の構築に向けた抜本的な改革が求められる。【企業会計】上下水道事業については、水道事業が平成30年度から、下水道事業が令和6年度からそれぞれ地方公営企業会計へ移行した。現時点では、一般会計からの繰出金(補助金等)により資金不足は発生していない。しかし、今後は簡易水道統合事業に伴う公債費の償還負担が大幅に増加する一方で、人口減少に伴う加入戸数の減少も避けられない見通しである。引き続き一般会計による財政支援を前提としつつも、料金体系の見直し等による自主財源の確保が不可欠な状況にある。病院事業においても、同様に一般会計からの繰入等により資金不足は免れている。令和6年度は入院患者数および入院収益が前年度を上回り、医業収益全体でも増加に転じたものの、その一方で一般会計補助金の大幅な増額を要した。人口減少に伴う外来・入院患者の減少など、経営環境は依然として厳しい状況にある。今後は地域医療の機能維持を図りながら、さらなる自立的な収益確保策を講じることが求められる。

連結実質収支(連結実質赤字比率)

実質公債費比率(分子)の構造(2024年度)

分析欄

【元利償還金】普通会計においては、令和3年度から西和賀消防署建設事業等の大規模事業に係る元利償還が開始されており、公債費は今後も高い水準で推移する見通しである。【公営企業債の元利償還金に対する繰入金】下水道事業の償還額は、概ね横ばいで推移している。一方、水道事業においては、令和3年度より簡易水道統合事業に伴う元利償還が開始されており、公債費は今後も高い水準で推移する見通しである。【組合が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等】北上地区消防組合等への負担金であり、近年は概ね横ばいで推移している。【算入公債費等】元利償還金や公営企業債への繰入金が高い水準で推移する一方で、交付税措置率の高い地方債の償還が減少しているため、算入公債費は減少傾向にある。

実質公債費比率,公債費等

将来負担比率(分子)の構造(2024年度)

分析欄

【一般会計等に係る地方債の現在高】平成30年度まで減少を続けてきた地方債現在高は、大規模事業の実施に伴い、今後数年間は高止まりする見通しである。【公営企業債等繰入見込額】水道事業・下水道事業によるもので、ここ数年は減少傾向にある。【組合等負担等見込額】北上消防・北上中部広域行政組合の負担で、今年度は減少しているものの高い水準で推移する見込みである。【退職手当負担見込額】退職者不補充等により、横ばい傾向にある。【充当可能基金】令和6年度は、大きな取り崩し・積み立てがなかったことから昨年度から横ばい傾向にある【充当可能特定歳入】町営住宅の利用者の増に伴い使用料も増加している。【基準財政需要額算入見込額】算入公債費の償還終了により減少している。

将来負担比率

基金残高に係る経年分析(2024年度)

基金残高合計

(増減理由)大規模事業の実施など予算規模の増に合わせ必要額の取り崩しを行った一方で、今後の大規模事業に充てるため特定目的基金に積み立てを行ったことにより、全体で40百万円の増となった。(今後の方針)保健センター建設事業などの大規模事業の実施が予定されていることから基金全体額の減少が見込まれる。

基金残高合計

財政調整基金

(増減理由)現在基金や特目基金への積立を優先したため、財政調整基金への積立は例年並みで推移した。(今後の方針)これまでは災害等の備え、財源調整として活用する機会が多いことから積み立てを継続し現在の額となったが、今後は概ね1,000百万円程度を目途に維持することとし、減債基金やその他特定目的基金に必要額を振り向けることとする。また、実質単年度収支の黒字化を図るため、財政状況を見定めたうえで積立も行っていく。

財政調整基金

減債基金

(増減理由)公債費が高水準となったため150百万円を取り崩す一方、将来の償還に備えて117百万円を積み立てた結果、全体では33百万円の減少となった。(今後の方針)繰上償還への財源充当を検討していることから、残高の減少が見込まれる。

減債基金

その他特定目的基金

(基金の使途)まちづくり振興基金:町民の連帯の強化と地域振興に要する事業への財源福祉対策基金:高齢化社会に対応した、総合的な福祉活動と快適な生活環境の整備に要する経費の財源教育施設整備基金:町立小、中学校及び社会教育、社会体育施設の整備を図る財源農業みらいづくり振興基金:西和賀町の基幹産業である農業を将来にわたり安定的かつ持続可能な産業として振興、発展を図るための施策に要する経費の財源庁舎等整備基金:町が行う庁舎及び公共施設の整備に要する経費の財源(増減理由)まちづくり振興基金:基金利息を積み立てたことによるもの。庁舎等整備基金:町が行う庁舎及び公共施設の整備に要する経費の財源として積み立てを行ったもの。(今後の方針)福祉対策基金:健康管理センター建設に伴う積み立てであることから、中長期的には減少していく。教育施設整備基金:老朽化した学校施設、社会教育施設の改修に伴う積み立てであることから中長期的には減少していく。

その他特定目的基金

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率

有形固定資産減価償却率は類似団体とほぼ同水準にある。老朽化した施設が多いものの、財政状況の悪化により、公共施設の更新、改修、除却等が行えていない施設もあるが、策定された個別施設計画に基づき、可能な限り整備、改修をを行っていくとともに、施設の統廃合、廃止にも取り組む必要がある。

有形固定資産減価償却率

類似団体内順位50位/ 75団体

(参考)債務償還比率

債務償還比率は類似団体平均よりも高い水準にある。道路、橋りょう等のインフラ施設の長寿命化事業を継続的に行っているほか、近年は消防署建設など大型建設事業が続き、地方債残高が増加傾向にある。令和5年度以降も大型建設事業が予定されているため、比率は高い水準で推移することが見込まれる。

(参考)債務償還比率

類似団体内順位74位/ 81団体

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

近年の大規模事業の実施に伴い、多額の地方債発行を行ってきたため、将来負担比率が高い水準で推移している。また、改修のできない老朽化の進んだ施設も多く、減価償却率も上昇している。この状況が進むと維持管理費の増大が予想されるため、財政状況を考慮しながら公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づく改修に取り組むとともに、施設の統廃合や除却も進めていく必要がある。

将来負担比率と減価償却率の組合せ分析

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

近年は大型建設事業等により多額の起債発行を行ったことから、将来負担比率は高い水準で推移している。また、実質公債費比率も普通交付税の合併算定替えの終了に伴い、標準財政規模が縮小することから、今後もさらに上昇することが予想され、これまで以上に公債費の適正化に取り組む必要がある。

将来負担比率と実質公債費比率の組合せ分析

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

施設情報の分析欄

道路や橋りょう・トンネルなどの公共インフラについては、長寿命化事業の取組により計画的に改修されているが、建設施設については老朽化が進みながらも、財政状況から改修に取り掛かれずにいるため、減価償却率が高くなっている。公営住宅、学校施設は個別施設計画を策定し計画的に長寿命化事業を進めているが、その他の施設に関してはそれぞれ個別施設計画を策定し、適切な維持管理に取り組むとともに、施設の統廃合や除却についても検討を進める必要がある。

道路

類似団体内順位44位/ 74団体

橋りょう・トンネル

類似団体内順位36位/ 72団体

公営住宅

類似団体内順位59位/ 69団体

港湾・漁港
認定こども園・幼稚園・保育所

類似団体内順位57位/ 67団体

学校施設

類似団体内順位64位/ 74団体

児童館
公民館

類似団体内順位44位/ 63団体

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

施設情報の分析欄

人口一人当たりの面積は類似団体と比較して高い数値であり町財政への影響や類似施設の集約化・複合化が遅れていることが懸念される。また、有形固定資産減価償却率について、多くの施設で老朽化が進んでいることから高い数値となっている一方で【庁舎】については近年改修整備事業を実施したことから減価償却率は減少している。全体を通して、長期的な視点での検討を行い、財政状況を考慮しながら施設の改修等に取り組む必要がある。

図書館
体育館・プール

類似団体内順位49位/ 71団体

福祉施設

類似団体内順位49位/ 55団体

市民会館

類似団体内順位19位/ 32団体

一般廃棄物処理施設

類似団体内順位33位/ 46団体

保健センター・保健所

類似団体内順位40位/ 52団体

消防施設

類似団体内順位53位/ 71団体

庁舎

類似団体内順位62位/ 74団体

一般会計等、全体、連結資金収支計算書内訳表(2023年度)

資金収支計算書

財務書類に関する情報①(2024年度)

1.資産・負債の状況

固定資産の比率が高く、特に有形固定資産の老朽化が進んでおり、流動資産は現金預金や基金で一定程度確保されているものの、資産全体の減少を補うほどではなく、負債の中心が地方債であり、将来世代への負担を一定程度伴う構造となっております。また、令和2年度から令和6年度の推移を見ると、資産の減少に対して負債が大きく減っていないため、純資産比率は大きく崩れていないものの、将来的な更新投資や施設維持に備える余力は徐々に弱まっていると考えられます。したがって、資産・負債の状況は、現時点では大きな債務超過の懸念はない一方で、人口減少を見込んだ資産規模の適正化、老朽施設の更新・統合・廃止計画、地方債残高の管理が今後の課題です。

貸借対照表ツリーマップ
資産合計
負債合計

2.行政コストの状況

分析:人件費、物件費、減価償却費、補助金等の移転費用が大きな割合を占めており、職員配置や施設維持、住民サービスや団体への補助など、固定的、経常的な支出が重い構造になっております。一般会計等では、人口減少等の影響により経常収益は減少しており行政コストの上昇につながっています。全体・連結で見ても経常収益は一定あるものの、コスト総額に比べると十分とは言えず、収益で費用を十分に相殺できない状況が続いております。年度ごとにコストを見ると、恒常的に高い水準で推移しており、人口減少や施設の老朽化が進む中でも、行政サービスを維持するためには、一定の経費がかかることから、以前にも増して事業の優先順位付け、施設の統廃合や更新の平準化、物件費や補助金の見直しなどにより、コスト構造の改善を図る必要があります。

純経常行政コスト
純行政コスト

3.純資産変動の状況

分析:一般会計等では、純資産減少が毎年度続いており、税収や国・県補助金などの財源で純行政コストを賄い切れていない状況です。一方、全体・連結では一定の純資産を維持できておりますが、これは特別会計や関係団体を含めた補完効果が大きいと考えられることから、一般会計等の本年度差額の改善、特別会計を含めた資産・基金の活用方針の明確化、第三セクター等も含めた収支管理の徹底が重要であると考えられます。

本年度差額
本年度末純資産残高
本年度純資産変動額

4.資金収支の状況

一般会計等では、令和2年度から令和6年度にかけて業務活動収支が黒字を維持しており、令和6年度は4.3億円の黒字である一方、投資活動収支は一貫して赤字で、令和6年度は3.2億円の赤字、財務活動収支も1.2億円の赤字となっています。このことから、経常収支で一定の資金を確保しつつ、施設整備や基金積立、償還負担が資金を圧迫していることが考えられます。全体の、業務活動収支は令和2年度2.8億円から令和6年度6.3億円へ増加しており、経常収支の改善がみられる。一方で、投資活動収支は一貫して赤字が続いており、投資活動への資金投入が大きい構造は変わっておりません。財務活動収支も年度により黒字・赤字があり、借入や償還の動きに左右されやすい構造です。連結でも、業務活動収支は令和2年度から令和6年度まで黒字を維持しており、組織全体としての経常的な資金確保はできていると考えられます。ただし、投資活動収支は一貫して赤字で、財務活動収支も年度により増減があるため、連結でも投資・償還運営のバランス管理が不可欠であると考えられます。総じて、本町は業務活動収支の黒字で資金繰りを支えながら、投資活動や地方債償還を賄っていますが、施設更新や基金積立の負担が重く、資金収支は安定しているとはいえず、今後は投資の優先順位付け、基金の活用、地方債発行と償還のバランス調整を通じて、資金収支の安定化を図る必要があります。

業務活動収支
投資活動収支
財務活動収支

財務書類に関する情報②(2024年度)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は類似団体平均を大きく上回っているため、人口規模に対して保有資産が多く、地域内に多の公共施設やインフラを抱えていることの裏返しでもあり、今後も資産の有効活用、更新投資の重点化、不要資産の整理が課題です。さらに、有形固定資産減価償却率は年々上昇していることから、資産の老朽化が着実に進行しており、単に資産総額の増減を見るだけでなく、資産の質、老朽化の進み具合、今後の更新負担をあわせて確認する必要があります。総じて、本町の資産は、固定資産中心で規模は大きいが、減価償却の進行により簿価は縮小傾向にあり、今後も施設・インフラの更新と資産の適正配置をどう進めるかが課題です。

①住民一人当たり資産額(万円)
②歳入額対資産比率(年)
③有形固定資産減価償却率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体と同程度で、概ね高い水準で推移しており、資産の大部分は純資産で賄われております。つまり、現時点では資産形成が大きく借入に依存していないと考えられます。しかし、将来世代負担比率は上昇傾向で、地方債など将来に返済が必要な負債の比重が重くなっており、純資産比率が高くても、将来に負担が残る構造になっているので、純資産比率を維持しつつ、地方債の発行や投資を抑制し、将来負担比率の上昇をできるだけ抑えることが必要だと考えられます。

④純資産比率(%)
⑤将来世代負担比率(%)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは、類似団体平均値よりも高い水準で推移し、行政サービスの提供に多くの費用を要しております。純行政コストは、年々増減があるものの、令和2年度以降は大きな改善がなく、住民サービスや事業運営のための固定的経費が重いことがわかります。本町の行政コストは、人口規模に対して高く、施設維持やサービス提供の固定費が大きい構造であり、事業の優先順位付け、施設の統廃合や更新の平準化、物件費や補助金の見直し、受益者負担の適正化等を進め、行政コストの抑制を図ることが必要だと考えられます。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

4.負債の状況

負債は令和2年度から令和6年度まで概ね横ばいですが、住民一人当たり負債額でみると、人口減少の影響で、年々増加しており、負債規模が大きく変わらなくとも、住民一人当たりの負担は重くなっています。これは、地方債を中心とする負債を、少ない人口で支える構造になっていることを示しており、将来世代への負担が重くなると考えられます。業務・投資活動収支をみると、業務活動収支は毎年度黒字である一方、投資活動収支は毎年度一貫して赤字で推移しています。これは、経常的な行政運営で得た資金を、施設整備や基金積立、借入金償還に充てており、投資負担が継続的に大きい状態にあります。したがって、本町の負債は単に総額が横ばいというだけではなく、人口減少によって住民一人当たりの負担が増加していること、業務収支の黒字を投資活動の赤字が相殺していることを踏まえると、財政的な余力は徐々に低下していると考えられます。

⑦住民一人当たり負債額(万円)
⑧基礎的財政収支(百万円)
⑧業務・投資活動収支(百万円)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率でみると、類似団体平均値よりも低い水準にあり、行政サービスに係る費用の多くを使用料や手数料などの経常収益では賄えておらず、税収等の一般財源に依存している状態です。本町は、福祉、教育、道路、除雪など、地域性の強い行政サービスが多いことから、受益者負担を大きくしにくい事情がありますが、受益者負担比率が低い状態が続くと、サービス利用者以外の住民も広く財源を負担する形になり、行政の持続性の観点では見直しの余地があると考えられます。

⑨受益者負担比率(%)

よくある質問

このページで何が分かりますか?

岩手県西和賀町の2024年度の財政状況資料集、主要指標、分析コメントを確認できます。

データの出典はどこですか?

総務省の『財政状況資料集』および『統一的な基準による財務書類に関する情報』をもとに構成しています。

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