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地方財政ダッシュボード

岡山県久米南町の財政状況(2022年度)

🏠久米南町

地方公営企業の一覧

簡易水道事業 特定環境保全公共下水道


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

収入額のうち税収は、人口減少、コロナ禍の影響、大規模償却資産の減少により減少している。需用費は、光熱水費の高騰など物件費が増大している。人口の減少や全国平均を上回る高齢化率に加え、農業以外の中心となる産業が少ない等、財政基盤が弱く、低い財政力指数で推移している。今後も歳出の徹底的な見直し等による削減、定員管理、町税等の徴収強化等の取組を通じて、財政基盤の強化を図る。

経常収支比率の分析欄

経常的歳入の一般財源については、国の経済対策等により普通交付税が減少したことや、臨時財政対策債の減などにより、4.0%の減となった。経常的歳出の一般財源については、光熱水費の高騰など物件費の増大、公債費は令和4年度の新規発行分を据置せず発行することにより平準化を図ったため、全体で3.5%の増となった。経常収支比率は85.3%となり、類似団体平均値より暗転した。財源の依存体質は変わらず厳しい状況が続いており、公債費等の義務的経費の削減を中心とする行財政改革を進め、財政の健全化に努める必要がある。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

令和2年度の会計年度任用職員制度の導入時から規模的に膨らんで推移しているが、類似団体との比較では大きく下回っている。主な要因は人件費で、職員数が類似団体の平均よりも少ないためである。一部事務組合の人件費・物件費に充てる負担金、公営事業会計の人件費・物件費等に充てる繰出金といった費用を合計した場合でも、人口一人あたりの金額は類似団体平均より低いが、これらの経費についても増加しないよう抑制していく必要がある。

ラスパイレス指数の分析欄

経験年数階層の変動や一般行政職員の増員によるプラス要因よりも、高齢層職員の退職によるマイナス要因が大きく、0.3ポイント下がった。類似団体平均と比較しても若干下回っている。国における給与制度改革の動向を踏まえ、近隣町、人事院勧告、地域民間企業の給与差等を勘案しながら給料、職員手当の適正化を図る必要がある。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

市町村合併を行っていないこと、また、平成初期に行った新規採用の抑制により、類似団体平均を下回っている。現在は退職職員の補充で新規採用を行っているため、70人強で推移している。採用抑制により職員の年齢構成に偏りがあり、今後は住民サービスを低下させることがないよう、計画的な採用を行い、適正な定員管理に努める必要がある。

実質公債費比率の分析欄

令和2年度まで償還額が大きかった地域総合整備事業の償還が終了したことに伴い減少傾向にある。類似団体平均より高いのは、実質公債費比率の算定対象である過去3年間において、近年行ってきた大規模工事にかかる起債の償還及び下水道事業に係る元利償還金が影響しているため。今後は、庁舎等複合施設の建設、新小学校校舎の建設、可燃ごみの広域処理施設の整備等の大型ハード事業に伴う起債の新規発行を見込むことから、引き続き事業計画を十分に勘案し、地方債の発行抑制に努めていく必要がある。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は、令和元年度には起債償還をピークアウトするとともに、新型コロナウイルス感染拡大に伴う事業の中止等に伴う支出減少により基金取崩が抑制され充当可能基金が増加したため、0となった。今後は、庁舎等複合施設の建設、新小学校校舎の建設、可燃ごみの広域処理施設の整備等の大型ハード事業の進捗により、令和8年度以降10%前後となる予測と、令和11年度から起債償還の膨張を見込んでいることから、公債費等の義務的経費の削減を中心とする行財政改革を進め、財政の健全化に努める必要がある。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は、類似団体平均と比較して3年連続で若干上回っている。類似団体平均よりも上回ったのが令和2年度であることから、同年度開始された会計年度任用職員制度の予算構成によるものが起因し、人口千人当たりの会計年度任用職員数が類似団体平均よりも多いと分析している。一部事務組合、公営事業会計の人件費に充てる負担金・繰出金を含めて、抑制していく必要がある。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は、令和2年度からの新型コロナウイルス感染症対策に伴う国庫補助金等を活用した臨時的な事業施行により経常的な消費的経費を抑制したため良好な数値となっているが、光熱水費の高騰等により0.9ポイント上昇した。コロナ禍の財政事情は特異的であったことと、今後のインフレリスクを鑑み、行財政改革とともに公共施設総合管理計画等に沿って公共施設を適正な規模に見直し、物件費を抑制していく。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は、類似団体平均と同水準で推移している。高齢化率が高く高齢者福祉にかかる経費が嵩んでいることと、少子化対策として乳幼児、児童生徒、高校生に係る医療費の扶助を行っており、今後も高い数値で推移していくものと予測している。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率が、類似団体平均を大きく上回っているのは、特別会計への繰出金が起因している。社会保障関係の特別会計(国保特別会計、介護保険特別会計等)への繰出とともに下水道施設の企業債償還金や維持管理費が増加している。水道事業、下水道事業は、令和6年4月から企業会計へ移行することから、独立採算の原則、経営戦略を交えた計画的な経営改善を図り、普通会計からの繰り入れの減少を見込む。

補助費等の分析欄

補助費に係る経常収支比率は、各種負担金、補助金交付全般について見直しを行っているため、近年は類似団体平均と同水準で推移している。しかし、定住促進や子育て支援等で時代に合った新たな補助等を新設しており、今後も各種団体の事業、補助基準を引き続き見直しを行っていく必要がある。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は、令和4年度の新規発行分を据置せず発行することにより平準化を図ったため、2.7ポイント上昇した。今後は、庁舎等複合施設の建設、新小学校校舎の建設、可燃ごみの広域処理施設の整備等の大型ハード事業に伴う起債の新規発行を計画しているから、令和11年度から再び起債償還額が大きくなることを見込んでいる。

公債費以外の分析欄

公債費以外では、人件費及びその他の経費で類似団体平均を上回っているものの、総じて新型コロナ感染症対策の特定財源確保等により健全な財政運営ができたといえるが、これは特異的な事情だったため、令和4年度から通常の財政状況に戻りつつある。今後は、物価高騰により物件費等の消費的経費の膨張が予測されることから、人件費、扶助費等の義務的経費を見直し、経常経費全体をスリムにしていく必要がある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

類似団体平均と比較すると、労働費以外は同等あるいは下回っている。総務費は、庁舎等複合施設の建設事業が中期を迎えたため支出が減少。民生費は、令和3年度が主要な事業年度であった住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金事業や子育て世帯臨時特別給付金給付事業等による前年度差引分の減。衛生費は、新型コロナウイルスワクチン予防接種事業の縮小による減。農林水産費は、主食用米生産継続応援給付金事業による増。商工費は、前年度実施した事業継続応援給付金事業によって膨張していたもの。土木費は、道路施設長寿命化事業の減。教育費は、図書館等の照明をLED化する公共施設脱炭素化事業を実施したことと、光熱水費の高騰に伴い学校や文化・体育施設等の維持費が増加したもの。公債費は、令和4年度の新規発行分を据置せず発行したことにより平準化を図ったことによって増加している。少子高齢化・人口減少が進む過疎地域であることから、民生費をはじめ各項目において、分母となる人口の減少に伴って必然的に住民一人当たりのコストは大きくなっていくと考えている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

類似団体平均と比較すると、繰出金以外は同等あるいは下回っている。特に物件費、普通建設事業費や維持補修費、公債費については、類似団体平均を大きく下回っている。繰出金については、類似団体平均を上回っているが、これは介護保険等社会保障にかかる特別会計と下水道会計への繰出金が影響している。昨年度と比較して、物件費や維持補修費が増加しているのは、光熱水費や物価高騰によるもの。普通建設事業費は庁舎等複合施設の建設事業が中期を迎えたため支出が少なかったもの。公債費は令和4年度の新規発行分を据置せず発行することにより平準化を図ったことによる増加。新型コロナウイルス感染拡大に伴う事業の中止等に伴う支出が抑えられたため、積立金を増加している。歳出全体に関しては、総じて新型コロナ感染症対策関連の特定財源確保等により健全な財政運営ができたといえるが、これは特異的な事情によるものだったため、令和4年度から通常の財政状況に戻りつつある。少子高齢化・人口減少が進む過疎地域であることから、分母となる人口の減少に伴って必然的に住民一人当たりのコストは大きくなっていくと考えている。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

実質単年度収支は、これまで赤字が続いていたが、令和元年度で起債償還がピークアウトしたことと、令和2年度から新型コロナウイルス感染症対策関連の特定財源の確保に努めたことにより総じて健全な財政運営を行うことができ、実質単年度収支は黒字に転じている。しかし、令和4年度の数値はわずかな黒字であり、コロナ禍以前の財政状況に戻りつつあることから今後、赤字に陥ることのないよう歳入歳出の均衡を重視する。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

当町の一般会計及び公営企業会計等については、住宅新築資金等貸付特別会計以外のすべての会計で毎年度黒字を計上しており、連結実質赤字は生じていない。その他会計(赤字)で表示されている、住宅新築資金等貸付特別会計については、令和4年度末をもって廃止し、貸付金元利収入の収入未済額は一般会計が引き継ぐこととした。今後も、黒字の会計については引き続き健全な財政運営に努め、町全体として健全な財政運営に努めていく必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

当町の実質公債費比率は、平成30年度・令和元年度のピークを越えて令和2年度から3年連続で減少した。これは、一般会計の起債償還額と下水道事業特別会計等の公営企業債の元利償還金に対する繰入金がピークアウトするとともに、算入公債費等が減少したため。元利償還金が増加したのは、令和4年度の新規発行分を据置せず発行したことにより平準化を図ったための増である。今後も極力、普通交付税に措置される算入公債費等が有利な地方債を活用していくとともに、地方債抑制等により実質公債費比率の抑制に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

将来負担比率のピークであった平成26年度以降、数値は下がり、令和4年度で0となった。地方債の現在高が減少したのは、令和4年度においては前年度から償還を15.1%増加、発行を48.4%減少したため。公営企業債等繰入見込額が減少したのは、下水道事業特別会計等の公営企業債の元利償還金に対する繰入金がピークアウトしたため。充当可能基金が増加したのは、コロナ禍により事業の中止等に伴う支出減少により基金取崩が抑制されたため。将来負担比率は今後、庁舎等複合施設の建設、新小学校校舎の建設、可燃ごみの広域処理施設の整備等の大型ハード事業の進捗により、令和8年度には10%前後となる予測をしており、令和11年度から起債償還の膨張を見込み、公債費等の義務的経費の削減を中心とする行財政改革を進め、財政の健全化に努める必要がある。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金を98百万円、公共施設等整備基金302百万円、町勢振興基金35百万円を積み、庁舎改修整備基金39百万円、公共施設等整備基金10百万円、町勢振興基金24百万円を取り崩したことなどにより、基金全体としては362百万円の増となった。主な理由は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う事業の中止等により支出が減少し、取り崩しが抑えられたため。(今後の方針)庁舎改修整備基金は、庁舎等複合施設建設事業の進捗に応じて、計画的に取り崩していく。今後の公共施設更新の財源とするため、公共施設等整備基金を計画的に積み増す。また、基金の使途の明確化を図るために、財政調整基金を取り崩して個々の特定目的基金に積み立てていく。

財政調整基金

(増減理由)新型コロナウイルス感染拡大に伴う事業の中止等により支出が減少し、取り崩しが抑えられたため。(今後の方針)基金の使途の明確化を図るために、財政調整基金を取り崩して個々の特定目的基金に積み立てていく。

減債基金

(増減理由)利子等による微増。(今後の方針)今後の地方債償還に備えるため、現在の状況を維持する。

その他特定目的基金

(基金の使途)公共施設等整備基金:公共施設の改修、修繕等による整備事業及び除去に関する事業町勢振興基金:町勢振興を図るための事業庁舎改修整備基金:庁舎の改修整備事業両部篤育英基金:奨学金の貸与スポーツ振興基金:健康で明るい町づくりを推進するスポーツ団体又は個人の活動に対する助成(増減理由)公共施設等整備基金:公共施設の更新のため302百万円を積み立てたことによる増加町勢振興基金:ふるさと納税事業にかかる経費24百万円を取り崩し、ふるさと納税35百万円を積み立てた差引による増加庁舎改修整備基金:庁舎等複合施設建設事業充当による39百万円を取り崩したことによる減少両部篤育英基金:貸付を行うため1百万円取り崩し、貸付金の返還金を積み立てた差引による微減スポーツ振興基金:スポーツ団体等への助成経費1百万円の取り崩しによる微減(今後の方針)公共施設等整備基金:公共施設の更新事業に応じて取り崩し、毎年度の一般財源の状況に応じて計画的な積立を行う町勢振興基金:ふるさと納税事業の状況に合わせ取り崩しと積立を行う庁舎改修整備基金:庁舎等複合施設建設事業の進捗に応じて、計画的に取り崩していく両部篤育英基金:現状を維持するスポーツ振興基金:現状を維持する

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は、類似団体よりやや高いが、個別施設計画に基づき施設の維持管理は適切に進めている。ここ数年めぼしい施設の新設等を行っていないため上昇傾向にあるが、庁舎等複合施設の建設工事を進めており、完成する令和5年度以降は数値の下降を想定している。岡山県平均値より低いのは、本町が市町村合併をしていないことによる重複施設等が少ないため。全国でも市町村合併が進んだ岡山県の平均値が高い水準にあるものと考えている。

債務償還比率の分析欄

当町の債務償還比率は、これまで類似団体内平均値と比較すると大幅に高い水準にあった。大規模な建設事業による起債償還が令和元年度でピークアウトしたことと、算出の要素となる経常一般財源等がコロナ禍における事業の中止等や普通交付税の追加交付もあって増加するとともに、充当可能財源が増加したことにより数値は改善しており、徐々に類似団体内平均に近づいている。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

当町は、類似団体内平均に比べて将来負担比率は高い水準で推移してきた。令和元年度に起債償還がピークアウトし数値の改善傾向にあるが、今後は、庁舎等複合施設建設事業等の大型事業に伴う起債の新規発行により再び上昇することが見込まれる。有形固定資産減価償却率は類似団体内平均に比べてやや高めで推移している。要因としては、市町村合併をしておらず比較的公共施設数が少ないことと先行して公共施設の更新を行ってきたため、更新のための起債などにより数値が上下している。公共施設等総合管理計画に基づき、今後、老朽化対策に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

当町の実質公債比率、将来負担比率ともに類似団体内平均値よりも高い水準で推移してきたが、数値は改善しており、類似団体内平均に近づいている。これは、令和元年度に起債償還がピークアウトしたことにより将来負担比率が低下するとともに、実質公債費比率も低下しているものであるが、今後は、庁舎等複合施設建設事業等の大型事業に伴う起債の新規発行により再び上昇することが見込まれる。実質公債費比率、将来負担比率を注視しながら、これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率については、多くの施設で類似団体内平均値と同等あるいは下回っている。学校や公民館など大きな施設については、耐震化等とあわせ、更新工事が完了している。有形固定資産減価償却率が顕著に高い認定こども園・幼稚園・保育園(本町には保育園のみ)は、施設の構造が木造であることが要因している。一人当たり面積については、類似団体内平均値と同等あるいは下回っており、規模は適正であると考えている。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

市民会館や庁舎、一般廃棄物処理施設については、類似団体内平均値を大きく上回り更新の必要性を表しており、庁舎等複合施設事業及び、岡山市・玉野市・久米南町との共同による可燃ごみの広域処理施設建設事業を進めているところである。既存施設からの更新が完了後は、数値は改善していくことを見込んでいる。一人当たり面積については、類似団体内平均値と同等あるいは下回っていることから、規模は適正であると考えている。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産合計は15,611百万円、将来世代の負担が3,937百万円、今までの世代の負担で形成された資産は11,674百万円資産総額が前年度末か72百万円の増加(0.7%)となった。資産総額のうち有形固定資産の割合が78.1%となっており、これらの資産は将来の(維持管理・更新等の)支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努めていく必要がある。負債総額は、前年度末から97百万円の減少(△2.4%)となった。金額の変動が最も大きいのは地方債(固定負債)であり、庁舎等複合施設の建設が進行中であったことから地方債発行額が地方債償還額を下回ったことにより23百万円減少した。庁舎等複合施設の建設にかかる地方債の新規発行などにより令和11年度から令和15年度に再び償還額が増加することを予測しており、今後の少子高齢化や人口減少によって地方債の発行は将来世代への負担を過重にする恐れがあるため、慎重に行っていくことが重要である。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、純経常行政コスト3,543百万円のうち、経常費用は3,646百万円。また、災害復旧事業費や売却等による臨時的な損失が11百万円あり、一年間の純粋なコストである純行政コストが3,555百万円となった。社会保障費などの移転支出的なコストが1,571百万円、次いで物件費などの物にかかるコストが1,295百万円、人件費が731百万円と続く。移転費用よりも業務費用が大きく、最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等(1,295百万円)。令和4年度は庁舎等複合施設の建設事業が進行中であったため、維持補修費に含まれる(旧庁舎等の)工事請負費が減少したものの、純行政コストの36.6%を占めている。施設の集約化・複合化事業に着手するなど、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の縮減に努める必要がある。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(3,699百万円)が純行政コスト(3,555百万円)を上回っており、本年度差額144百万円の増加は、税収等や国県等補助金の財源で一年間のコストを賄いきれたことを表している。固定資産の寄附等による無償所管換等を加えた本年度純資産変動額は170百万円あり、純資産額は令和3年度に比べて増加した。令和3年度と比較して新型コロナウイルス感染症対策などの国県等補助金が減少したが、純行政コストも減少しているため、本年度差額はプラスになったもの。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、人件費・物件費・社会保障費といった支出とそれに対する収入との差の業務活動収支は712百万円であった。この部分は黒字であるが、投資活動収支についてはすべての会計において赤字となっている。これは、一般会計等における、庁舎等複合施設の建設や公共施設等整備基金積立金への積立を行ったことによる△712百万円の影響が大きい。財務活動収支については、地方債の発行額が地方債償還支出を下回ったことから、△91百万円となっており、本年度末資金残高は、265百万円となった。令和4年度は借金である地方債を抑え、償還に重点を置いたといえる。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額(歳入額対資産比率)は、347.1万円で、前年度に比べて9.7万円増加している。これは、分母となる人口の減少に加え、庁舎等複合施設の建設にかかる建設仮勘定といった非償却資産の増加が要因している。当町は合併をしていないため、保有する施設数が合併団体よりも少なく、類似団体平均を下回っていると思われる。インフラ資産などは、全体の機能を維持するために最低限必要な存在量があり、これは人口とは必ずしも比例するものではないため、今後も人口の減少とともに必然的に割合が増加することが予測される。将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減するため、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の集約化・複合化を進めるなどにより、施設保有量の適正化に取り組む必要がある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、74.8%、これは資産形成に要する費用の約75%を返済の必要のない財源で賄い、将来世代に過度な負担を残すことなく資産を形成することができたといえる。前年に比べて0.8%上昇したのは、令和4年度にかけて地方債が減少したことと、令和4年度では住宅新築資金等貸付特別会計が廃止され、その他負債として計上されていた繰上充用金がなくなったことが要因している。類似団体と比較すると3.1ポイント低い数値を示しており、類似団体よりも現世代で負担している割合が少ない、つまり将来世代で負担する割合が高いことを示している。負債の大半をしめているのは、地方交付税の不足を補うために特例的に発行した臨時財政対策債である。この臨時財政対策債等の特例的な地方債を除いた地方債残高を分子とし、社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率は、類似団体平均と比較しても2.1ポイント下回っている。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは、79.0万円で、前年度に比べて4.4万円減少しているが、高めの水準で推移している。これは、人口の減少に加えて、令和2年度から増加要因であった新型コロナウイルス対応創生臨時交付金関連の補助金等支出が減少したことと、資産除売却損(中央公民館等解体撤去工事費用)の減少が影響している。類似団体平均を下回っており、通常、分母である人口が減少することに伴って、当指標は増加していく傾向にあるが、当町の場合では人口変動に伴ってコストも抑えることができているといえる。令和5年度以降、新庁舎の完成及び旧庁舎の解体工事の影響により指標の変動が見込まれる。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は、87.5万円で、前年に比べて0.1万円増減少している。これは、令和4年度は庁舎等複合施設建設事業が進行中であったため、借金である地方債を抑え地方債償還に重点を置いたといえる。類似団体平均との比較では下回っている。今後、庁舎等複合施設の建設など大規模資産の更新に伴う地方債の発行が、将来世代に過大な負担を残さないよう、地方債残高を圧縮し、負債額を抑えるなどの対策が必要である。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、2.8%で前年から変動がなかった。令和3年度は退職手当引当金の戻入や交通災害共済事業の清算金による経常収益の減少が顕著であったことと、令和4年度にかけては、維持補修費や補助金等の減少により経常費用が減少しており、この2年間の経常費用の変動が相殺されたといえる。類似団体平均と比較しても下回っている。施設利用料が含まれる「使用料及び手数料」では、受益者である住民の負担を減らすために、減価償却費といった見えないコストを含め、施設別の費用を可視化し、適正な使用料を見直していく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,