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地方財政ダッシュボード

奈良県吉野町の財政状況(2022年度)

🏠吉野町

地方公営企業の一覧

吉野町国民健康保険吉野病院 簡易水道事業 末端給水事業 公共下水道 特定環境保全公共下水道 農業集落排水


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度📅2010年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

過疎化・少子高齢化が進み就労年齢人口が減少している。高齢化率も50%を超え、本町の主要産業である木材関連産業が縮小し税収が年々減少していく状況にある。地方交付税等の依存財源は歳入の70%以上を占め、財政力指数が類似団体平均を下回る0.24となっている。町域の約8割が森林であり交通も不便な地域であるが、「吉野」というブランドイメージをアピールしつつ、移住・定住促進事業や空き家対策事業など外部から人を呼び込む活力あるまちづくりをすすめ、地道な財政基盤強化に努める。

経常収支比率の分析欄

前年度と比べ0.8%悪化し、85.8%となった。類似団体平均より低い数値となっているが、依然として物件費、補助費をはじめとする経常的な経費の削減は進んでいない状況である。過疎化・少子高齢化が進行している当町では、町税収入の大幅な増加は見込めない。今後も経常収支比率を継続的に改善していくために、人件費・公債費・扶助費などの経常的な支出を削減し、財政運営のスリム化を行うことが必須である。今後は、事業自体の見直しを更に進め、事業の優先度・受益者ニーズなどを厳しく点検し、計画的に事業の廃止・縮小を行う

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

令和2年度まではほぼ類似団体平均で推移していたが、令和3年度では人件費は減少しているが、小中一貫教育推進事や新型コロナワクチン接種、新型コロナウイルス感染症対策事業の実施により物件費が増加し類似団体平均を大きく上回ったる結果となった。令和4年度では、類似団体との差は少なくなっているが、人口1人当たりの決算額は増加しており、今後も計画的な職員採用や事業の見直しなど行財政改革に継続して取り組んでいく。

ラスパイレス指数の分析欄

令和4年度は92.1%で前年度よりは上昇しているが、類似団体平均と比べ3.4%下回っている。ラスパイレス指数は、過去5年いずれも類似団体平均を下回っており、今年度全国町村平均と比較しても下回る結果となった。今後も引き続き給与水準の適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

前年度と比べ0.63人増加となり、類似団体平均を上回る結果となった。令和2年度から職員数はほぼ横ばいであるが、人口は年々減少傾向であり、人口1,000人当たりの数値が増加している。今後も、事業効率化、計画的な職員採用、類似団体平均の水準まで職員数を削減するなど、適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

前年度と比べ1.1%改善し類似団体平均を下回る結果となった。実質公債費比率算定式の分子となる地方債償還金の減少や一部事務組合の起こした地方債への負担額が減少したことにより、指標の改善に繋がった。しかし、今後は令和3年度までに大型事業の財源として地方債の新規借入を行っており、償還金が増加することが見込まれている。今後も緊急度や住民ニーズを的確に把握した事業の選択により、地方債に大きく頼ることのない財政運営に努める。

将来負担比率の分析欄

前年度に比べると改善したが類似団体平均と比べて大幅に上回る結果となっている。前年度から9.6%改善した要因は、一部事務組合等への負担見込額、退職手当負担見込額が減少したこと及び基金等の充当可能財源が増加したことによるものである。令和2年度から令和4年度では改善したが、大型の事業の財源として多額の地方債の新規借入を行っており、悪化につながる要因も含まれている。今後は新規事業の必要性の検証を十分に行い、将来世代への過度な負担をもたらすことのないよう比率上昇の抑制に努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

前年度と比べ0.9%増加したが、類似団体平均や全国平均を下回る結果となった。任期の定めのない常勤職員の退職等で人件費の決算額は減少しているが、経常経費全体でみる大きな割合を占めており経常収支比率では増加した。今後も計画的な職員採用等により職員数の減など行財政改革への取り組みを通じて人件費の削減に努める。

物件費の分析欄

物件費は、前年度から0.2%増の10.0%となり、ほぼ横ばいで推移している。福祉・衛生・消防・戸籍の共同事務を一部事務組合で行っていることから類似団体平均や全国平均を下回る結果となっている。今後も事務事業評価制度や・施策評価制度を通じて経常的な物件費の抑制に努める。

扶助費の分析欄

前年度と比べ、0.1%減少し2.6%となった。以前から類似団体平均は下回っているが、容易に縮小できない経費であり、本町の令和4年度末の高齢化比率は50%を超えていることから、今後も社会保障経費の負担は増加する見込みである。今後も保健・医療・福祉の連携による負担抑制への取り組みを行い、比率上昇の抑制に努める。

その他の分析欄

前年度と比べ1.1%減少し15.4%となった。この比率に含まれる主なものは下水道・介護保険など特別会計への繰出金や投資及び出資金・貸付金である。介護保険特別会計や後期高齢者医療保険特別会計などに例年多額の繰出しを行っており、今後もその傾向は続くと見込まれる。今後下水道事業については独立採算の原則に基づく料金の値上げによる健全化、国民健康保険事業においても国民健康保険税の適正化を図ることなどにより、税収を主な財源とする普通会計の負担額を減らしていくよう努める。

補助費等の分析欄

前年度から比べ0.5%減少し21.3%となったが、類似団体平均を大きく上回る結果となっている。類似団体平均と比べて高い水準で推移している要因は、福祉・衛生・消防・戸籍の共同事務における一部事務組合への負担金、南和広域医療企業団に対する負担金が大きいことが上げられる。高齢化の今以上の進行により社会保障経費の増加も見込まれるため、今後の経費の抑制に努める。

公債費の分析欄

前年度と比べ、0.8%減少し13.4%となった。公債費は平成28年度までは年々減少していたが、平成26年度以後、南和広域医療企業団の建設負担金等の財源として発行した多額の地方債の償還が始まったことにより増加傾向にあった。令和3年度から令和4年度は、過去の大型事業の財源として発行した地方債の償還が終了したことにより減少したが、令和5度以後公債費は中央公民館耐震化、小中一貫教育校の建設等の財源として発行した地方債の償還開始により増加を見込んでいる。過度な地方債の発行により過重な負担をもたらすことのないよう、各事業を精査し比率上昇を抑制していく。

公債費以外の分析欄

公債費以外は、平成30年度から減少傾向であったが、令和4年度では前年度と比べ1.6%増加し72.4%となった。増加した主な要因は、特別会計への繰出金の増加と、人件費、物件費補助費等が削減が進んでいないためである。今後も行財政改革や事業内容の見直し、特定財源を確保すること等により経常経費の支出削減及び経常収支比率の改善に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

住民一人当たりの歳出額は947,275円であり目的別の主な構成項目は次のとおりである。総務費224,500円、民生費199,416円、衛生費134,139円、消防費93,305円、公債費79,733円となっている。議会費は、前年度新型コロナウイルス感染症対策のための施設の整備を行ったが、今年度は経常的な費用のみため747円減少した。総務費は、庁舎整備の財源のための基金積立金、物価高騰対策事費業の増により53,290円の増加となった。民生費は、ほぼ類似団体平均並みで推移してており、令和4年度は住民税非課税世帯や子育て世帯等への臨時特別給付金事業費の減により6,726円減少した。衛生費は、新型コロナワクチン接種事業費、水道事業特別会計操出金等の減により20,436円減少したが、南和広域医療企業団や吉野広域行政組合への負担金、水道事業特別会計への操出金、住民生活に必要不可欠なごみ処理、し尿収集事業などが含まれ類似団体平均と比べ高い状況となっている。消防費は、防災行政無線のデジタル化のため整備を行ったことにより54,618円の大幅な増加となった。教育費は、令和元年から令和3年度まで小中一貫教育校の校舎を建設したことにより大幅に増加したが、令和4年度では減少し類似団体平均を下回った。公債費は、以前の中学校建設、ケーブルテレビデジタル化等の大型事業の財源とした地方債の償還が終了したため今年度は減少したが、次年度以降は平成30年度以降に大型事業の財源として多額の借入れ行ったことで増加となる見込みである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

住民一人当たりの歳出額は947,275円であり。性質別の主な構成項目は次のとおりである。人件費174,689円、物件費162,693円、扶助費75,983円、補助費188,545円、普通建設事業費162,798円、繰出金104,291円となっている。人件費は、任期の定めのない常勤職員の退職増で決算額は減少しているが、人口も減少しているため、1人あたりコストは3,805円増加となった。類似団体平均を上回っており今後も職員数の削減、計画的な採用など行財政改革への取り組みを通じ人件費の抑制に努める。物件費は、新型コロナワクチン接種事業費の減等で減少しているが、一人当たりのコストでは1,208円増加した。扶助費は、住民税非課税世帯や子育て世帯等への臨時特別給付金事業費の減により10,572円減少となった。補助費は、前年度並みであったが、南和広域医療企業団、奈良県広域消防組合、吉野広域行政組合の負担金などが含まれており、特に戸籍、老人福祉、衛生、消防に関する負担金がコストを押し上げる原因となっている。今後も高齢進行により社会保障費増加が見込まれるため、類似団体に比べ高い水準となることが予想される。普通建設事業費は、小中一貫教育校の校舎建設事業が令3年度で終了したため前年度と比べ124,174円少した。新規整備は、防災行政無線のデジタル化のため41,091増加した。積立金は、財政調整基金、減債基金、庁舎整備基金に積極的に積立てを行ったため、前年度と比べ32,642円増加した。繰出金は、介護保険特別会計、後期高齢者医療特別会計などに例年多額の操出しを行っており、令和3年度も前年度に比べ2,115円増と増加傾向にあり、高齢化や人口減少により増加が続くと見込まれる。今後も各事業の経費削減や事業見直しなどを行い、一般会計の負担を減らしていくよう努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

令和4年度については、普通交付税の増加に等より、実質収支は黒字となった。また、実質単年度収支でも今年度は財政調整基金の取崩し回避により黒字となった。今後も、事務事業の見直し、統廃合などの合理化等の行財政改革を推進し、歳出の削減、健全な行政運営に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

令和4年度決算については、全ての会計において黒字であったが、水道事業等の公営企業会計については人口減少等により収入が減少し、施設の老朽化、物価高騰等のため経費の増加が見込まれる状況である。これらの会計は独立採算制が原則であるため、使用料の値上げ等適正な収入の確保が必要である。介護保険特別会計、後期高齢者医療特別会計等については高齢化により給付費等が増加してきており今後も一般会計からの負担が増加する見込みである。経営基盤の不安定な会計については、経営の安定化・基盤強化のために特別会計の特定財源で補えない部分について一般会計が指点していく方針であるが、今後も普通交付税を含めた一般財源は減少していくと見込まれ、各特別会計を適切に運営していく観点からも受益者の負担水準を検証していく必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

令和4年度の元利償還金は、以前の大型事業の財源として借入れた地方債の償還終了により減少したが、平成30年度以降に借入れた多額の地方債の償還により令和5年度以降増加となる見込である。公営企業等の元利償還金に対する繰入金は、水道事業で新型コロナウイルス感染症対策で料金減免を行ったことにより操供給単価基準が下がり高料金対策の繰入額が減少したため昨年度より減少となった。本町の公債費は、一般会計が負担すべき元利償還金に対し、約81%が交付税算入されており、令和4年度末地方債残高の約88%が交付税算入率の高い臨時財政特例債、過疎対策事業債、辺地対策事業債である。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

将来負担額のうち一般会計等に係る地方債の現在高は、令和3年度から令和3年度では小中一貫教育校の建設事業の財源として多額の借入を行ったため増加したが、令和4年度では減少した。公営企業等繰入見込額は、水道事業で新型コロナウイルス感染症対策で料金減免を行ったため供給単価基準が下がり高料金対策の繰入額が減少したこと、地方債残高の減少等で昨年度より減となった。退職手当負担見込額は採用数以上に退職者多数のため減少している。充当可能財源等のうち、基準財政需要額算入見込額は臨時財政対策債償還費、過疎対策事業債償還費等の減により減少したが、充当可能基金は財政調整基金、減債基金の積立て、取崩し回避により基金残高が増加したため増となった。今後は、事業の見直しを更に進め、優先度の低い事業については計画的に廃止・縮小を行い、歳出の削減、地方債の発行を抑制し、基金等の財源確保に努める。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)平成29年度以降令和2年度までは、基金全体の残高は減少傾向にあったが、令和4年度では財政調整基金、減債基金の取崩し回避と普通交付税の増加等により、積極的に積み立てを行ったため、基金全体の残高は、418百万円の増加となった。(今後の方針)今後は、災害の発生や課題となっている老朽化した庁舎の整備などによる支出の増加や、過疎化・少子高齢化に伴う町の収入減少などに備え、基金の確保に努める。

財政調整基金

(増減理由)令和2年度までは小中一貫教育推進事業の校舎建設等の大型事業の財源確保のため取崩しを行い減少傾向であったが、令和3年度から令和4年度は取崩しを回避し、令和4年度は119百万円を積立てたため増加となった。(今後の方針)今後は、災害の発生などによる支出の増加や過疎化・少子高齢化に伴う町の収入減少などに備え、基金の確保に努める。

減債基金

令和2年度までは、地方債の償還に充当するため基金の残高は減少傾向であったが、令和3年度からは増加している。令和4年度は取崩し回避と、100百万円を積立たたてたため230百万円となった。(今後の方針)令和3年度から令和4年度は一時的に公債費が減少したが、小中一貫教育推進事業等の財源として令和2年度、令和3年度に多額の新規借入を行ったため令和5年度以降に地方債の償還額が増加する見込みであるため、毎年度積立をてを行う予定である。

その他特定目的基金

(基金の使途)当町には、長寿社会に備えて在宅福祉の向上や健康づくり等のため、各種民間団体等が行う先導的事業に対する助成等の経費に充てるための地域福祉基金や、世界遺産を有する吉野町に存在する歴史的な資産や景観、資源の継承、発展等を願う人々による寄付金を財源とした世界遺産・吉野ふるさとづくり基金、令和4年度で創設した企業版ふるさと納税基金等、9つの特定目的基金がある。(増減理由)庁舎整備基金:課題である老朽化した庁舎の整備のため、241百万円を積立て341百万円となった。世界遺産吉野ふるさとづくり基金:35百万円を積立てたが、通園バスの運行、二王門などの文化財保存、観光施設の維持管理等の事業に充当するため42を百万円取り崩し70百万円となった。町営住宅改修基金:町営住宅改修工事のため14百万円を取り崩し、47百万円となった。(今後の方針)その他特定目的基金全体として今後多額の支出が予想される事業については、必要に応じて基金の積み立てを積極的に行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は類似団体平均値と比較すると高い。令和3年度は小中一貫校が完成したため2.0%減少したが、令和4年度は減価償却による資産の減少が資産の取得を上回り、減価償却率は前年と比較して0.8%増加した。保有している固定資産のうち、学校・公民館・一般廃棄物処理施設以外は、いずれも減価償却率が高く、今後、維持管理費用も増加していくことが予想される。

債務償還比率の分析欄

令和元年から減少が続いていたが、令和4年度は前年より26.0%増加した。小中一貫校建設による地方債の新規借入に伴う現在高の増加と基金取崩に伴う充当可能財源減少により類似団体より高い水準である。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は前年より9.6%減少した。有形固定資産減価償却率は前年度より0.8%増加し、類似団体平均より高い水準にある。老朽化が進んでいる資産も多いが、人口が減少している中、新たな施設建設にかかる起債の増加は将来負担の増加につながり、事業内容の検討には十分精査が必要である。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

地方債の償還が進み、実質公債費比率は前年より1.1%減少した。令和2年度から継続して実質公債費比率と将来負担比率ともに減少しているが、将来負担比率は高い水準であり、起債に大きく頼ることのない健全な財政運営に努めていくために事業の選択が必要である。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

【道路】については、開始固定資産台帳の作成時に取得日が不明であった路線は、道路台帳の作成日を取得日として計上しているため、有形固定資産減価償却率が平均を大きく上回っている。【橋梁・トンネル】については、橋梁長寿命化計画より作成を行っているが、無記名橋については、橋梁台帳作成日を取得日として計上しているため、有形固定資産減価償却率が大きく上回っている。【公営住宅】については、新設工事や資本的支出に該当する改修工事等の実績はあるものの、取得から稼働年数が比較的長い資産が多いため、平均値を上回る結果となっている。老朽化住宅はなくしていく方針で進める。【認定こども園・幼稚園・保育所】については、認定こども園が該当し、新設工事や資本的支出に該当する改修工事等の実施はあるものの、取得からの稼働年数が比較的長い資産が多いため平均値を上回る数値となっている。今後、老朽化を踏まえた施設維持等を検討する必要がある。【学校施設】については、小学校・中学校が該当する。令和3年度に小中一貫校が完成したため、減価償却率は類似団体平均を下回っている。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

【体育館・プール】は、運動公園のスポーツ施設が該当する。令和2年度に津風呂湖カヌー競技場の建設工事が実施されたため、減価償却率が大きく下がり、平均値と同水準となっていたが、減価償却が進み令和4年度は平均を上回った。【福祉施設】は、老人福祉センター・老人憩いの家が該当する。平成30年度に老人福祉センターの耐震工事を行ったため減価償却率が減少したが、その後は増加が続いている。【一般廃棄物処理施設】は、環境ステーションが該当する。平成29年度設置のため平均と比較して大幅に低い割合となっていたが、令和4年度に平均値と同水準になった。【消防施設】は、防火水槽が該当する。令和2年度に防火水槽(吉野山)整備防水工事が実施されたため、平均値を下回っている。【庁舎】は、役場庁舎が該当する。平成29年度に改修工事を実施したものの、減価償却率は98.4%で施設維持にかかる費用が継続的に見込まれ、建て替えや移転等、多額の費用が必要になる。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

・一般会計等においては、資産総額が前年度末から459百万円の増加(+3.2%)となった。固定資産は360百万円増加しており、基金の積立による影響である。なお、資産総額のうち有形固定資産の割合が91.0%(前年度91.4%)となっているが、流動資産の増加(前年度比+98百万円)を固定資産の増加(前年度比+360百万円)が上回ったことによるものである。また、負債総額が前年度末から86百万円の減少(▲1.1%)となった。固定負債は171百万円減少し、流動負債は85百万円増加している。負債総額が減少した主な要因は、地方債の発行額(460百万円)を償還額(488百万円)が上回ったことである。今後も、資産取得などに伴う起債発行や税収の減少に備え、基金の確保に努め、適切な財政運営を行っていくよう努める。・全体会計では、資産総額は前年度末から181百万円増加(0.8%)し、負債総額は前年度末から378百万円減少(2.8%)した。水道事業会計等を加えていることから、一般会計等に比べて資産総額は7,678百万円、負債総額は5,343百万円多くなっている。・連結会計では、資産総額は前年度末から396百万円増加(1.6%)し、負債総額は前年度末から275百万円減少(▲1.8%)した。一部事務組合等を加えていることから、全体に比べて資産総額は3,064百万円、負債総額は1,676百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

・一般会計等においては、経常費用は5,194百万円となり、前年度比218百万円の増加(+4.4%)となった。経常費用の内訳は、業務費用(人件費、物件費等)が3,174百万円、移転費用(補助金等、社会保障給付費)が2,020百万円となっている。業務費用のなかでも、最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等(1,994百万円、前年度比+318百万円)であり、経常費用の38.4%を占めている。本町は高齢者が多く移転費用の差縮減は困難なことから、公共施設等の適正管理に努めること等により、業務費用の縮減に努める。・全体会計では、水道事業会計の水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、一般会計等に比べて経常収益が199百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため経常費用が2,366百万円多くなり、純行政コストは2,167百万円多くなっている。・連結会計では、一部事務組合等の収益を計上しているため、全体会計に比べて経常収益が921百万円多くなっている一方、経常費用が2,416百万円多くなり、純行政コストは1,502百万円多くなっている

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(5,020百万円)が純行政コスト(4,998百万円)を上回っており、本年度差額は22百万円となり、純資産残高は545百万円の増加となった。令和3年度の純資産残高6,687百万円に対して、令和4年度の本年度純資産変動額(545百万円)は8.1%となっている。・全体会計では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて財源が2,176百万円多くなっており、本年度差額は31百万円となり、純資産残高は560百万円の増加となった。・連結会計では、一部事務組合等の国県等補助金等が財源に含まれることから、全体会計と比べて財源が1,571百万円多くなっており、本年度差額は100百万円となり、純資産残高も672百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

・一般会計等においては、業務活動収支は543百万円であったが、投資活動収支は▲628百万円(投資活動支出791百万円(基金積立502百万円ほか)、投資活動収入164百万円(基金取崩84百万円ほか)、財務活動収支は▲30百万円(財務活動収入475百万円(地方債発行460百万円ほか)、財務活動支出505百万円(地方債償還488百万円))となっており、本年度末資金残高は前年度から115百万円減少し、481百万円となった。経常的な活動に係る経費は税収等の収入で賄えている状況であるため、継続して業務活動収支がプラスとなるよう財政運営に努める。全体会計では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より390百万円多い933百万円、投資活動収支は一般会計等より71百万円少ない▲699百万円、財務活動収支は一般会計等より30百万円少ない240百万円となり、本年度末資金残高は前年度から6百万円減少し、852百万円となった。・連結会計では、一部事務組合等が含まれることから、業務活動収支は全体会計と比べて178百万円多い1,111百万円、投資活動収支は全体会計と比べて51百万円少ない750百万円、財務活動収支は全体会計と比べて30百万円少ない▲270百万円となり、本年度末資金残高は前年度から91百万円増加し、1,338百万円となった。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

・住民一人当たり資産額は類似団体平均を大きく下回っている。内訳は住民一人当たり固定資産額は217.5万円(前年度203.5万円)、住民一人当たり流動資産額は21.5万円(前年度13.4万円)である。・歳入額対資産比率については、継続して類似団体平均を大きく下回っている。主たる要因は、有形固定資産の減価償却が進んでいることが挙げられる。財政規模(歳入総額)に見合った資産保有を前提として、今後も施設整備を実施していく。有形固定資産減価償却率については、継続して類似団体平均値より10%以上高い水準にある。公共施設等の老朽化に伴い、維持管理費用の増加が見込まれるため、計画的な更新や長寿命化、廃止等を進める必要がある。.

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

・純資産比率は類似団体平均を大幅に下回っている。令和元年度までは減少が続いていたが、令和2年度からは資産・負債共に増加が続いており、前年度から2.2%増加した。今後も人口減少が見込まれるため、純資産比率の増加を見据えた資産の形成や地方債の発行・償還に努める。・将来世代負担比率は、継続して類似団体平均を上回っている。経年増加が続いており、当年度は前年より1.0%増加となった。その要因として、地方債の残高の増加があげられる。将来負担を伴う新規事業については必要性を十分検証し、将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

・住民一人当たり行政コストは類似団体平均を上回っており、また、昨年度に比べて6.3万円増加している。その要因として、経常費用は前年度と比べて21,828万円増加した一方、経常収益は1,879万円の増加にとどまったことがあげられる。今後、少子高齢化に伴う社会保障給付をはじめ、物件費が増加傾向にあることから、純行政コスト(純経常行政コスト)は今後増加していくことが懸念される。そのため、民間委託の効率化や施設集約化等により経費削減に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は継続して類似団体平均を上回っている。当年度は、前年度より2.8万円増加の122.3万円となった。人口の減少が続いているため、負債に頼らない財政運営に努める必要がある。・基礎的財政収支は、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を下回ったため、343百万円となっている。今後も基礎的財政収支の黒字を維持できるよう、健全な行政運営・適正な公共投資に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

・受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。平成30年度から令和2年度までは継続して減少していたものの令和4年度においては前年度から横ばいとなった。なお、類似団体平均まで受益者負担比率を引き上げるためには、仮に経常収益を一定とする場合は、903百万円経常費用を削減する必要があり、経常費用を一定とする場合は、50百万円経常収益を増加させる必要がある。公共施設等の点検・診断等予防保全による長寿命化を進めていくなどにより、受益者負担の適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,