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地方財政ダッシュボード

長野県木島平村の財政状況(2016年度)

🏠木島平村

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2016年度)

財政力指数の分析欄

平成28年度指数は前年度と同様の0.19ポイントとなりました。本村の財政力指数は横ばい状況となっており、雇用状況の改善などにより村税については下げ止まりの様子を見せているものの、小規模企業の閉鎖や高齢化に伴う青壮年齢層の所得額の低下により、今後とも大幅な増税は見込めず、この状況が続くものと考えます。類似団体の中においては43/151位となっているものの、村としては今後の財政力基盤の強化のため、農産物のブランド化・産業ネットワーク組織の確立や、インバウンド施策や新幹線利用による観光客を取り込むための誘客事業などに取り組みます。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は前年度数値より3.3ポイント上昇しました。要因は、経常的支出が対前年51,702千円の増となり、経常的な一般財源収入額も対前年度比20,671千円の減となったことから、経常一般財源に余裕がなくなったことで比率が上昇しました。経常一般財源が減となった主な要因は、地方消費税交付金が12,761千円減額になったことによります。過去に借入れた過疎債等について償還が完了してきてはいるものの、平成22年度より国の過疎地域の再指定を受け過疎債の活用を始めたため、過疎債の償還にあたる公債費が今後増加する見込みです。経常経費については村全体の意識改革を行い、経費削減による経常的な歳出を抑えることに努めます。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

昨年度の人口一人当たりの決算額から10,209円の増額となりました。類似団体比較においては低い決算額であるものの、全国・県平均から比べると2倍近くの決算状況であることに変わりはありません。人件費、物件費とも大幅な増減はありませんが、分母となる人口については前年比54人の減少となっていることが影響しています。決算額のうち他団体と類さない内訳として冬期間に要する除排雪に要する経費があり、他の無降雪地域と比較した場合、大きな経費要因となります。人件費についてはラスパイレス指数で「93.8」と比較的に高い水準ではなく、物件費の割合が大きいため高い水準になっています。物件費の抑制にあたっては、各施設・業務の委託等について事業内容の精査を十分実施しながら経費削減に努めることとします。

ラスパイレス指数の分析欄

平成28年度で93.8となり全国平均・類似団体平均及び国家公務員を基準とした100からも大幅に下回っています。本村の指数は類似団体・国・県平均共に下回っている状況ですが、今後も財政状況に応じ、適正な給与水準の維持に努めます。なお、平成23,24年度については、国家公務員の給与削減期間にあったため本村の指数が100を上回っています。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

本村では平成16から27年度までの間、早期退職者制度により職員の新陳代謝促進を促してきました。退職者の補充を極力抑制しながらも、村内施設の削減・事務内容の見直しをおこないながら、行政運営にあたってきました。現状では、業務量において必要最小限の職員数となっており、今後も職員1人1人の能力の向上を行いながら、住民サービスの向上に向けて適正な職員数の維持に努めます。

実質公債費比率の分析欄

平成28年度決算では12.3%となり前年度から0.2%改善しました。標準税収入額や普通交付税の交付額によっても比率は左右されますが、なにより地方債償還に係る公債費が大きく影響します。平成28年度は、普通会計における償還額が21,170千円の増となり、単年度では0.72%となりましたが、3か年平均では0.2%の改善となりました。村では新規発行の抑制に努め、繰上償還を実施したことにより比率が改善されてきました。平成26年度決算以降は単年度ごとの比率において上昇傾向にありますが、これは平成22年以降借入れている過疎債の償還が始まっているためです。比率上昇については後年度に影響を及ぼさないよう、地方債計画を立てることとします。

将来負担比率の分析欄

平成28決算では1.1%となり、前年度から15.4%改善しました。この要因としては、地方債の現在高が53,090千円、公営企業債の繰入見込額が197,583千円減少したことや、充当可能基金が182,894千円増加したことによります。年々改善の一途をたどることができているものの、類似他団体や長野県内の平均を下回っている状況は変わりません。また新庁舎建設事業など大型事業も控えており、今後とも後年度の村の財政状況に影響を与えないよう努めなければなりません。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2016年度)

人件費の分析欄

平成28年度決算額では21.9%となり前年度より0.4%上昇しました。主な原因は新規職員の補充が2名増となったことによるものです。今後の新規採用については、退職者数との均衡を保ちながらも計画的に人員管理を行い、限られた職員数の中、1人1人の能力の向上を行いながら、人件費の抑制に努めます。

物件費の分析欄

平成28年度決算額は9.6%となり前年度に比べ0.3%の減となりましたが、昨年度に引き続き類似団体・国・県の比率からは下回る状況となっています。減少した要因としては、情報通信施設における機器の更新が終了したことによるものや、道の駅管理委託料が減額になったことによるものです。今後も事業運営において「ムダ」の見直しをおこない、経費削減を意識した財政運営に努めます。

扶助費の分析欄

扶助費は0.2%上昇しました。主な要因は年金生活者等支援臨時福祉給付金が11,844千円増加したことによるものです。扶助費については、介護サービス受給者の増、国民健康保険等の療養費や障害者福祉費の増加に伴い、年々増加傾向にあります。類似団体・県内平均は下回っているものの、医療費にかかる扶助費については、保健指導等の取り組みを行うことで抑制に努めます。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は非常に高いものとなっており、類似団体内でも高いものとなっています。この内訳で最も多くを占めているものは、特別会計への繰出金となっており、下水道特別会計・観光施設特別会計への繰出金が大半を占めています。施設を維持するために、村の負担はやむを得ないものではありますが、公営事業及び公営企業である特別会計では、独立採算制の原則に立ち返り、運営方法の見直しを随時行いながら今後の運営にあたらなくてはならないと考えます。

補助費等の分析欄

平成28年度決算では9.0%となり、前年度から0.5%増となりましました。補助費については、類似団体・国・県の平均を下回っており、ここ数年は横ばい状態にあります。補助費の大半を占めている、一部事務組合への負担金等によっては割合が大きく左右されることはありますが、各種補助金については前年踏襲となることの無いよう、事業内容・実績の評価を行い精査をすることとします。

公債費の分析欄

全国的に公債費についてはほぼ横ばい状態にありますが、本村においても公債費の抑制に努めているところです。平成18年度より、地方債の繰上償還や地方債の新規発行の抑制により、公債費の抑制に努めてきました。現在は類似団体等の平均から下回っているものの、平成22年より過疎地域に再指定されたことにより過疎債の活用を進めています。このことからこの先5年程度は公債費の増加を見込んでいます。今後も財政健全化計画の一つの基準でもある、実質公債費比率18%を超えることが無いよう必要最小限の起債発行とし、公債費の抑制に努めます。

公債費以外の分析欄

平成28年度決算における経常収支比率では人件費が最も多くを占めており、次に繰出金が大半を占めています。前年度からは1.5%増となり、長野県及び類似団体平均を上回っています。増額となった主な要因としては、平成28年度は前年の寡雪と比較して通常ベースの積雪があったため除雪費用が増加したことによります。主な内訳となっている繰出金や人件費については、他の項目にて記載したような取り組みを行うことで、今後の経常経費削減に努めます。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

各費目ごとの人口一人あたりの経費については毎年度概ね同程度の歳出額を推移する状況となっています。また、他の項目は類似団体と比較して小額となっていますが、商工費において平成28年度決算では住民一人あたり69,522千円となり、類似団体平均を上回っている状況です。これは、村の索道施設及び宿泊施設を管理する観光施設特別会計への繰出金が多くを占めているため、他団体平均を上回る状況となっています。衛生費については住民一人あたり31,822千円となり、消防費については住民一人あたり32,698千円となっています。いずれも他の費目に比べると小額ではありますが、内訳ではごみ処理及び常備消防における一部事務組合への負担金が大部分を占めています。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人あたり754,853円となっている。主な構成項目である物件費については住民一人あたり127,536円となっており、総額のうち約17%を占めている。つづいて、人件費が住民一人あたり127,226円、繰出金が住民一人あたり117,640円となっている。この上位3科目については他と比較して大きい支出となっており、総額のうち約50%を占める割合となっています。この上位3科目の構成については以降も続くものとみています。物件費については、村内の施設等の管理を委託するための委託料が主な内容となっています。今後費用の抑制を図るためにも、既存の委託料等についてはその委託内容の適性の可否や、委託施設の存続等について検証しなければなりません。普通建設事業費については、平成28年度決算において住民一人あたり62,847円となっています。類似団体から比べると最も低い決算額となっています。村では大型の施設整備として、平成26年度までに統合による空き校舎や園舎の再活用を実施してきました。平成27年度以降については大型の建設事業が一旦落ち着くため事業費が減少していますが、平成29年度から役場新庁舎建設事業が始まり、普通建設事業費の高騰も予想されます。今後も毎年度作成する事業実施計画において、必要最小限の事業を計画し、事業費については抑制を図ることを念頭に事業実施にあたります。

実質収支比率等に係る経年分析(2016年度)

分析欄

本村の「実質収支」は引き続き黒字決算の状態が続いています。また、「実質単年度収支」について平成28年度は(22,793千円)の赤字となりました。平成28年度は財政調整基金からの取り崩しを69,000千円行いましたが、財政調整基金への積立を134,228千円行ったことによります。単年度の収支をまかなうため、財政調整基金の取り崩しをやむなく実施することがありますが、引き続き財源の確保・事業費の精査により単年度の収支は赤字比率が増加しないよう努めます。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2016年度)

分析欄

木島平村では一般会計以下12会計の運営を行ていますが、算定の始まった平成19年度以降、これら各会計すべてにおいて黒字化しており、運営状態は問題ありません。今後も引き続き、適正な財政運営に努めます。

実質公債費比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

実質公債費比率を算定する要素としてある左欄の数値ですが、元利償還金については、過去に借入れた地方債の償還が完了してきていることや、繰上償還の実施・地方債発行額の抑制などにより抑制に努めています。平成22年度以降、村では過疎対策事業債の有効活用を行っており、また平成29年度から新庁舎建設事業が始まり、今後は償還金額の増加など、比率の各要素が増加するものと試算しています。しかしながら地方債の活用については、必要最小限にとどめ、財政運営の負担とならないように努めます。

将来負担比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

平成28年度決算での将来負担比率は、前年度から15.4ポイント改善し1.1ポイントとなりました。これは、将来負担すべき負債が減少したことによりますが、要因としては地方債残高が53,090千円、公営企業債等繰入見込額が197,853千円減少したことによります。また、充当可能財源である基金が182,894千円増加したことも影響しています。実質公債費比率同様、今後は地方債残高の増加を見込んでおり、充当可能基金残高についても後年度に予定している役場庁舎等の整備事業に活用するための取り崩しを予定しているため、各算定要素は大きく変化し、将来負担比率については増加することを想定しています。しかしながら、以後の財政運営に対して過度な負担となることの無いよう注視しつつ、今後とも健全な財政運営にあたることとします。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2016年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

全資産平均の有形固定資産減価償却率は55.7%であり、耐用年数の半分を少し過ぎた程度であるが、既に耐用年数を経過した資産の取得価額合計は30億円を超えており、今後も年平均4億円程度の資産が毎年耐用年数を迎えることになる。すべての資産について更新が必要になるわけではないが、老朽化した資産の更新のための財源の確保が課題になってくる。

債務償還可能年数の分析欄

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

有形固定資産減価償却率は類似団体と1.5ポイント程度の違いでありほぼ平均的といえる。将来負担比率は、類似団体の平均が0%のところ、当村は16.5%と大幅に高い数値になっている。他の類似団体に比べて起債による財源確保の余力が乏しいため、設備の統廃合による更新投資額の抑制と基金積立等の計画的な財源確保を検討する必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は1.1ポイントとなりH27と比較して大幅に数値は減少したが、要因としては地方債の残高が減少したことと、充当可能基金が増加したことによる。しかしながら、H29から着手している役場新庁舎建設などの大型事業が今後予定されており、比率の上昇を抑制していかなければならない。実質公債費比率は12.3ポイントでかなり高い数値となっている。前述した事業に備えるべく、起債の発行をなるべく抑制しつつ繰上げ償還などによる数値の改善を図る必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2016年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は「道路」以外は、類似団体の平均と同水準かそれを下回っている。当村の道路布設のピークは1975年度であり、この年度に布設した道路が布設から40年を経過し耐用年数の8割を経過しているため比率が高くなっている。一人当たり指標については、「橋梁・トンネル」が類似団体の平均の1/4以下と大幅に下回っているほかはほぼ類似団体の平均と同水準である。「橋梁・トンネル」が少ないのは、村内を通る大規模な河川がないためである。

施設類型別ストック情報分析表②(2016年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は、「体育館・プール」、「市民会館」、「保健センター・保健所」、「庁舎」の数値が高くなっている。「体育館・プール」は、体育館が75年度の建築で築40年を経過しおり老朽化している。村民プールはない。「市民会館」は、80年代に建設した大規模な施設が耐用年数を経過している。「保健センター・保健所」は、保健センターが1施設存在し95年度の建設である。「庁舎」は、役場庁舎が66年度の建築であり耐用年数は経過し老朽化が進んでいる。現在、建て替えを進めている。一人当たり指標は、「一般廃棄物処理施設」と「保健所・保健センター」が類似団体の半分程度と大きく下回っているが、当該施設に関連する業務を一部事務組合に委託しているためである。

財務書類に関する情報①(2016年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額138億円の主な内訳は、建物や工作物等の事業用資産が50億円、道路や公園などのインフラ資産が50億円、物品が8.9億円、将来の事業の財源として積み立てている基金が約29億円、3セク等への出資金等が1.3億円、現金が1.4億円となっている。負債総額43億円の主な内訳は、地方債が29億円、将来の退職金の支払いに備えて見積計上している退職手当引当金が13億円となってる。事業用資産、インフラ資産、物品を合わせた有形固定資産の計上額は123億円であるが、その減価償却前の取得価額の合計は254億円となっており、これが今までに投資をしてきた金額であり、仮に将来にわたって同じ資産規模を維持しようとした場合に、今後更新のために必要になる財源の目安になる。水道事業会計、その他特別会計を加えた全体では、一般会計等に加算された主な内容は、資産では水道事業会計の有形固定資産6.3億円と観光施設特別会計の有形固定資産6.1億円が大きく、負債では、水道事業会計の地方債1.9億円と長期前受金1.8億円が大きな金額となっている。広域連合、一部事務組合、3セク等を加えた連結では、全体に加算された主な内容は、資産では北信広域連合の5.0億円、木島平村社会福祉協議会の6.3億円、負債では岳北広域行政組合の3.3億円となっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、行政コストの内訳は、人件費7.2億円、物件費12億円、その他業務費用0.3億円、補助金等5.9億円、社会保障給付2.0億円、他会計繰入金4.9億円となっている。補助金の主な内容は、共同で運営しているごみ処理場への負担金や高齢者の福祉事業への拠出などである。全体では、一般会計からの増加額の大部分を国民健康保険事業会計と介護保険事業会計の給付金11億円が占めている。水道事業はコストより使用料収入が大きく、行政コストはマイナス(利益)である。連結では、全体からの増加額の大部分を後期高齢者医療広域連合の社会保障給付4.6億円が占めている。連結対象の3セク等である(一財)木島平村農業振興公社は、村からの補助金で運営されており、その行政コストは0.8億円である。連結ベースの行政コストで最も多い費目は社会保障給付18億円であり、経常費用の約3割を占めている。少子高齢化により今後も増加が見込まれるため、今後の財政運営は厳しい状況になることが予想される。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計では、純行政コスト△43億円に対して、税収等33億円、国県等補助金8.2億円となっており、純資産変動額は1.9億円のマイナス(純資産の減)となっている。全体では、観光施設特別会計が0.2億円のマイナスのほかは、水道事業会計、その他の特別会計ともにプラスとなっており、純資産変動額は一般会計等からは0.4億円のプラスで、1.5億円のマイナス(純資産の減)となっている。連結では、広域連合・一部事務組合、3セク等の総額ではマイナスであり、純資産変動額は全体からは0.1億円のマイナスで、1.4億円のマイナス(純資産の減)となっている

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支の3.8億円に対して、投資活動収支は△3.3億円、財務活動収支は△0.5億円となっており、本年度の収支は均衡している。長期的な傾向として望ましいのは、業務活動収支の範囲内に投資活動収支が抑えられていることであるが、本年度は業務活動収支の範囲内で投資を行い、さらに地方債も償還できているため、収支構造としては望ましい年度であった。全体では、水道事業及びその他の特別会計ともに業務活動収支はプラスで、投資活動収支も概ね業務活動収支の範囲内に収まっている。連結では、単独で金額的な影響が大きい団体はなく、また、ほとんどの団体が一般会計等、全体と同様に、業務活動収支の範囲内で投資活動収支が収まっている。

財務書類に関する情報②(2016年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

一人当たり資産額が類似団体平均に比べて1/3程度となっている。また、歳入額対資産比率も類似団体の2/3程度となっている。公会計開始時における団体間での資産評価方法の違いがあるため、一概に比較できないが、村には大きな橋やトンネルがなく、道路延長も比較的短いなど、インフラ資産が少ないことが要因になっていると考えられる。有形固定資産減価償却率は63%となっており、全資産を平均すると耐用年数の6割を超えていることになる。すでに耐用年数を経過している資産の取得価額は約44億円であり、近い将来にこれら資産の更新が必要になるため、そのための財源確保が急務である。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体より10ポイント程度低く、将来世代負担比率は、類似団体と同水準である。償還金に対して交付税措置のある臨時財政対策債等の特例地方債を除くと、純資産比率は78%である。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体に比べて60%程度の水準にあり、比較的低コストで行政運営が行われている。但し、今後、社会保障給付の増加が見込まれており、また老朽化した施設の更新が増えると、減価償却費の増加を通して行政コストが増加することになる。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、類似団体の60%程度であり、地方債残高は比較的少ないと言える。また、基礎的財政収支は、プラスとなっており、類似団体と比較しても2倍程度の金額となっている。但し、今後は社会保障給付や老朽化した施設の更新のための公共施設等整備支出が大きくなることが予想されるため、基礎的財政収支の悪化が懸念される。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体とほぼ同水準である。但し、高齢化が進んでいる地域のため、今後、社会保障給付費の増加により、当該比率は下がることが予想され、受益者負担の在り方の検討が必要になる。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,