経営の健全性・効率性について
令和2年度決算は純利益30,927,302円を計上し、前年度繰越欠損金(累積赤字)25,610,650円をこれで補てんした結果、繰越欠損金を解消することができました。①経常収支比率:黒字決算のため、100%を上回りました。②累積欠損金比率:令和2年度の黒字で補てんし、繰越欠損金が解消されました。③流動比率:資本的支出(建設改良事業)の事業費が増加したことから、資金は減少したため、流動比率が減少しております。⑤経費回収率:年度後半から新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で使用料収入が伸び悩んだため、汚水処理経費の全額を使用料収入でカバーすることはできませんでした。費用面を見てみると、「⑥汚水処理原価」については84.17円と、類似団体平均188.57円及び全国平均134.52円と比較して大幅に小さい値となっていること、また、水洗化率が97.33%と高い水準にあることから、効率的事業経営が図られているものと考えます。また、「④企業債残高対事業規模比率」については、類似団体平均及び全国平均と比べて低い状況となっていますが、今後、施設更新が控えており、経営の硬直化を防ぐため、投資の平準化と企業債発行の抑制を検討してまいります。
老朽化の状況について
北谷町は令和3年8月に公共下水道供用開始から50周年を迎えました。令和2年度決算時点では法定耐用年数である50年を超過した管渠は無いため、指標には表れておりませんが、老朽化対策は重要な課題の一つとなっており、これまで敷設後30年を経過した管渠を対象に下水道長寿命化計画を策定し、工事に着手してまいりました。。「③管渠改善率」0.00%は、令和2年度においては多額の事業費を要するポンプ場の改築に集中的に取り組んだためです。今後もストックマネジメント計画に基づいて、計画的・効果的な施設の更新に努めてまいります。
全体総括
令和元年7月に使用料の改定を行なったことで、全体的に良好な経営状況になっており、各種経営指標にもそれが表れております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響で、令和2年度においては米軍施設や大型宿泊施設といった大口需要家の排水量が大幅に落ち込んだことに伴い、下水道使用料収益も減少しております。令和3年度もその状況が引き続いており、非常に厳しい経営状況となっております。新型コロナウイルス感染症の今後の影響については不透明な状況が続くことが予想されますが、このような状況下でも安定した経営を維持できるよう、ストックマネジメント計画や経営戦略の策定・見直しに一層力を入れて取り組むとともに、広域化・共同化などより効率的な経営のあり方について検討してまいります。