日南市：特定地域排水処理施設

経営の健全性・効率性について

経営の健全性については、①収益的収支比率が平成27年度に大きく100%を下回ったが、これは国庫補助金の事業期間内調整によるものでり、この年を除いた年度は、概ね100%前後で推移していることから健全といえる。しかし、収益の多くは一般会計からの繰入によるものである。また、当市の使用料の設定は浄化槽に係る維持管理費用から算出しているため、職員の人件費などの収益的支出を考慮していない。このようなことから、⑤経費回収率は、類似団体よりも低くなることが推定される。よって、使用料設定範囲の再検討が必要である。経営の効果性については、⑥汚水処理原価が類似団体よりも高くなっている。このことは、浄化槽の点検が浄化槽法規則（環境省）では、4ヶ月に１回以上とされていることから、年3回の自治体もあると推定できるが、当市の場合は、年4回(3ヶ月に1回)としていることが原因と考えられる。よって、適正な浄化槽の点検を検討する必要がある。次に、当市の当該事業は、市民からの申請により発生するものであり、料金については、設置槽の大きさ毎に定められた料金である。よって、⑦施設利用率及び⑧水洗化率については、経営の効率性に直接影響するものではないといえる。

老朽化の状況について

本事業は事業開始から4年であるため、老朽化に関する課題は発生していない。しかし、浄化槽に付属するブロワ（電気製品・空気ポンプ）は、消耗品であり、耐用年数が8～15年とされていることから、今後検討が必要となる。

全体総括

現在、本事業の維持管理は、施設使用料のみで運営しており、5年毎に料金を見なおすこととしている。しかし、建設費を含めて黒字経営をするには、一般会計からの繰入金を充てることで成立する状況である。平成32年度までに経営戦略を策定し、更なる経営効率化を検討する必要がある。