経営の健全性・効率性について
本市の特定地域生活排水処理施設事業(以下、市設置高度処理型浄化槽事業という)は、ダム集水区域における水源環境の保全を目的として、平成21年度より事業に着手しました。本事業は、汚水処理原価が高いため、経費回収率は低くなっていますが、本市では、生活排水処理という同じ目的の行政サービスであることから、公共下水道事業及び農業集落排水事業と同一の会計としているため、全体の収支は均衡しています。本事業については今後も拡大していく見通しですが、本事業の収支が下水道事業会計全体の収支を悪化させることが無いよう、保守・点検の発注方式の見直し等コスト抑制の取組みを徹底してまいります。
老朽化の状況について
事業開始から10年以上が経過しているものの、市設置高度処理型浄化槽事業においては、現時点では設備の老朽化については問題ありません。しかしながら、標準耐用期間をすでに1/3経過していることから、適正な維持管理をしていく中で、設備の劣化状況等を見ながら、老朽化対策を検討してまいります。
全体総括
通常の合併処理浄化槽では、窒素・リンが除去できず、それらがダム湖に流れ込むことでアオコが大量発生するなど水質汚濁が進んでしまいます。本事業では、窒素・リンも除去可能な高度処理型の浄化槽を市が設置及び管理していくことで、水源環境を保全することを目的としており、本事業の収支が下水道事業会計の負担にならないよう、コスト意識を持って経営を進めてまいります。